2020 No.4「パラサイト 半地下の家族」

2020 No.4「パラサイト 半地下の家族」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 韓 Parasite

私にとっても久々の衝撃的作品であった!感動するわけではないが、上手く作られた娯楽作品として十分に堪能できるものであった。前評判から、富裕層と貧民層との経済格差からくる悲喜劇を描いているものだと知った上での観賞であったが、その対極性や格差を様々な手法で魅力的に表現していたことと、コミカルな展開から、ある描写(作品の中での新事実登場)を境にして一気に戦慄が走る展開に幕が変わる演出など、映画好きにはたまらないほどの毒の効いた魅力ある作品であった。ポン・ジュノ監督と、韓国の人気俳優ソン・ガンホのコンビは4度目と聞くが、第72回カンヌ国際映画祭で、韓国映画としては初となるパルムドール受賞の栄冠をつかみ、間もなく開催されるアカデミー賞の作品賞に、外国作品としては異例のノミネートされるなど、世界でも高評価を得ているようだ。ネタバレになるので詳しくは書けないが、上から下(または下から上)という視覚的・概念的な表現が至る所にあり見事。それぞれの住宅街を結ぶ階段であったり坂道であったり、大雨の際の水の流れ方(大水の影響具合)であったり、リビング内でのソファの上とソファテーブルの下であったり、邸宅内の地下室であったりと、これでもかというくらい上下を表現していた。富裕層の上から目線と、もしかしたらその富裕層に近づけるのではないかという少しの希望をもちつつも、ややもすれば完全に地下の果てに堕ちるであろう際どい立ち位置で暮らす貧民層の目線とが、終始一貫、上手く演出されていた。もう一つ憎い演出として、富裕層家族の主人の「私は一線を越えてしまう人が、、、」との価値観を表す台詞があるのだが、なんか伏線臭いなと頭の隅に置いていたところ、ラストに近いガーデンパーティの時、主人自身が、地下から出てきた男を目の前にして、匂いを嫌悪して指で鼻をつまむところ。これこそ正に一線を越えてしまう行動になり、その直後に!!!韓国作品にありがちなグロいシーンは万人受けしないだろうが、この作品は映画通を唸らせるだけの内容だと思う。