2019 No.58「エンテベ空港の7日間」

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2019 No.58「エンテベ空港の7日間」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 英・米合作 7 Days in Entebbe

1976年6月~7月に実際に起きた、イスラエル/テルアビブ発フランス/パリ行きのエールフランス機が乗っ取られたハイジャック事件が題材で、ダニエル・ブリュール、ロザムンド・パイクがドイツ(当時の西ドイツ)人革命家を演じ、ジョゼ・パジーリャ監督が映画化。題材となったこの事件は、これまで「エンテベの勝利」「特攻サンダーボルト作戦」「サンダーボルト救出作戦」と3度も映画化されただけあって、ウガンダの空港で最後まで人質になっていた106名の内の102名が救出されたイスラエル軍の特殊部隊による奇襲攻撃はドラマチック。本作品は、ハイジャック犯やウガンダ現地で合流したパレスチナ解放人民戦線のメンバーら犯人側の目線でも描き、革命行為なのか非人道的テロ行為なのか迷い悩む面なども表現されていた。テロリスト犯は最終的に8名になるが、その内の2名のドイツ人に対し「そもそもドイツ人にされたことをユダヤ人はパレスチナ人にしているんだ」「君たち(ドイツ人)は故国を憎むためここにいるが、我々は故国を愛するためここにいる」とアラブ人が言ったことが印象的。ただ、判断に揺れるイスラエル政府の首相と国防大臣、ドイツ人革命家の信念、パレスチナ解放人民戦線のメンバーの思い、ウガンダのアミン大統領の狂気、人質たちの恐怖と、色々な視点で描いているが、どれもが中途半端な感が否めなかった。また本作品を駄作にしてしまいかねないお粗末な演出として、ダンスパフォーマンスを取り入れたことは甚だ疑問。奇襲攻撃をかけるイスラエル軍特殊部隊の一人の若者を待つ立場の恋人が(すなわち本作品の中では単なる一般人)、そのダンサーの一人の役となっており、序盤からパフォーマンスの練習風景が時々差し挿まれる。何かの伏線かと観ている者は当然思うわけで、なんと奇襲攻撃のクライマックスシーンに、このダンスパフォーマンスの本番の演武が交互に映し出されるという顛末。演出家(監督?)の拘りなのか、遊びなのかは知らないが、ダンスパフォーマンス自体が斬新で引き込まれるようなものであっただけに、たいへん気が散り、結果としてあの演出は本作品に何をもたらそうとしているのか理解が出来なかった。

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