2019 No.17「ウトヤ島、7月22日」

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2019 No.17「ウトヤ島、7月22日」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 諾威 Utoya 22. juli

2011年7月22日、ノルウェーのウトヤ島で実際に起こった無差別テロの銃乱射事件を、生存者の証言に基づきエリック・ポッペ監督が映画化。犯人は当時32歳のノルウェー人アンネシュ・ベーリング・ブレイビクで、極右思想を持ち政府の移民政策に不満を抱いていることからテロを決行。政府庁舎で爆弾を使用し8人、ウトヤ島の銃乱射で労働党青年部のサマーキャンプに参加してた10~20代の若者たち69人と、単独犯としては史上最多の77人の命を奪う。この犯人は現在首都オスロ近郊の刑務所で服役中とのこと。この恐ろすぎるテロ事件を風化させないという意味では本作品の意義も大きいと思うのだが、個人的には主に次の二つの理由で、(たとえお金をもらってでも)二度とこの映画作品は観たくない。一つ目は本作品が「売り」にしているウトヤ島におけるテロ発生から犯人の逮捕による収束までの72分間をワンカット撮影している部分。犯人の姿が見えず銃声と逃げ惑う人々の光景は緊迫感と恐怖を煽るのに十分であるが、その他の冗長な場面の方が緊張する場面よりも長く思われ、結果としてワンカットに拘った効果はどれほどのものだろうかと感じた。それどころか主人公の少女カヤの目線でカメラが動くため、映像が上下左右に振れることが多く正直体調を悪くするほど不快であった。二つ目は、本作品は生存者の証言に基づき製作しているが、ドキュメントではなくフィクションとしていること。事実に近い言動にはその実際のモデルがいるはずであるが、クレジットでよく有る『モデルとなった誰それは、、、』という様な説明がなく、実際の犯人の名前も出てこない。ネタバレになるので伏せるが、主人公カヤのラストシーンから推察しても、主人公を含めて誰がモデルで誰がフィクションなのかが全く分からないものになっており、本作品はテロ遂行シーンで緊迫感と恐怖を与えるホラー映画みたいで、登場人物にたいして共鳴できない仕上がりになっていた。つまり映画作品としてどうなの?という思いに至った。

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