2019 No.50「人間失格 太宰治と3人の女たち」

Pocket

2019 No.50「人間失格 太宰治と3人の女たち」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:松竹、アスミック・エース

生誕110年を超える人気作家太宰治を小栗旬が、彼をとりまく3人の女性、すなわち妻の美知子を宮沢りえ、「斜陽」を生み出すきっかけとなった愛人の静子を沢尻エリカ、入水自殺を一緒に遂げた愛人の富栄を二階堂ふみが其々演じ、蜷川実花監督が映画化。藤原竜也、高良健吾、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史ら豪華キャストが脇を固め、色鮮やかな映像美と音楽に特徴のある蜷川ワールドで展開。天才肌であるも生活者としては全く自堕落な太宰を小栗旬が好演。R15+の制限があるように、性描写の回数が多く女優陣の脱ぎっぷりも見応えがあったが、ストーリーそのものは、3人の女性を描いたからか、太宰治自身の描き方にもう一つ深堀りがなかったように感じた。青森県内の屈指の大地主で国会議員も擁する実家に生まれたものの、終戦をはさんで経済的に没落していく背景や、学生時代から左翼運動、女性関係、薬中毒で問題を起こしていたこと等に触れておらず伏線が無いことから、本作品中の太宰がどうしてこうにも自堕落なのか分かりにくく、単なるダメダメ男にしか見えないところは、太宰ファンからしたら不満に思うのではないだろうか?私も高校1年生の時に、毎月1冊以上の読書感想文提出という国語授業の課題に乗じて、太宰の主要小説を殆ど全て読破した経験があるが、それら作品を生み出した太宰本人の内面をもっと描いている内容が観たかったのが正直なところ。もう一つは蜷川監督の以前の作品「ヘルタースケルター」にも使われた沢尻エリカだが、私は彼女の演技力は?と思っており、本作品の重要な静子役には違和感があった。静子は「斜陽」創作のきっかけとなった日記を残すほどの才能の持ち主であったようだが、沢尻エリカには申し訳ないけれど知的さを感じない。むしろ二階堂ふみと配役を入れ替えた方が、、、?と個人的には思った。ただ、天才女優二階堂ふみならではで、本作品のラストシーン(入水自殺シーン)の台詞とその表情は秀逸!そりゃ、最後まで「生」に執着した太宰も、あのように言われたら観念するしか、、、(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA