2019 No.42「あなたの名前を呼べたなら」

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2019 No.42「あなたの名前を呼べたなら」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2018年 印・仏合作 Sir

印度映画に毎度感じることであるが、実に映画作りが上手く、味わい深くかつ面白い作品が圧倒的に多い。脚本、技術、演出、キャスティングのレベルが高いからだろうが、私個人も印度映画界の研究をしてみたいという欲求がある。さて本作品は、厳しい階級や因習の根深さが残るインドを舞台に、都会のマンションに住む建設会社の御曹司アシュヴィンと、その御曹司宅に住み込みで働く田舎から出てきたメイドのラトナとの淡い想いを描いている。短時間の映画作品でこの設定であると、通常は一方的なシンデレラストーリーになりがちなものであるが、唐突な展開もなく、夫々の立場や想いに、お互いに関心を寄せて温かく接していく内に淡い想いへと発展していく様は、腕利きの女性監督ならではか!本作が長篇作品デビューとなるロヘナ・ゲラ監督は、’73年インド・プネ生まれで、米国スタンフォード大に学び、現在は欧州でも活躍する。主人公ラトナ役のティロタマ・ショーム、御曹司アシュヴィン役のビベーク・ゴーンバルとも表現力豊かに好演。現実では表沙汰になりにくい禁断の恋愛を題材に、愛する相手をどう見つけていくかという普遍のテーマの中で、インド独特の難しい社会もさらりと描いており、別れを選んだ二人がその厳しい現実に抗おうと、ラストシーンでみせる精一杯の勇気と愛情でとる行動と一言が、ほんのりと私たち観客に希望を抱かせる結末は秀逸であった。因みに原題の「Sir」は「旦那様」。

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