2016 No.142「古都」

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2016 No.142「古都」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 DLE

川端康成の同名小説を現代風にアレンジし、京都そのものや、歴史を重ねてきた文化・伝統の素敵さ、日本人の慣習や気質の素晴らしさを堪能できるドラマとして、新鋭のYuki Saito監督が映画化。
新山詩織が歌うエンディング曲「糸」のように、縦にも横にも紡がれるようなドラマ展開で、京都とフランス・パリの二つの古都、生き別れた双子の姉妹のそれぞれの人生、二組の親子と、上手く対比的に演出していた。
限られた約2時間の中で、それほど難しく深く掘り下げてはいなかったものの、文化や伝統を守っていく難しさ、親子間の情、若者の葛藤など人間ドラマがしっかり描かれており、また京都の町家、寺、桂川(保津川)をはじめとした素敵な景観も多く映し出され、またパリロケでのセーヌ川や街並みも対比的に挿入され、見応えがあった。
京都室町に先祖代々続く老舗の佐田呉服店女主人・千重子と、北山杉の里で林業を営んでいる苗子の二役を演じた松雪泰子の魅力も大きく、齢44で佐賀県出身であるが、生粋の京都人のような雰囲気を醸し出し、京都弁も自然で、たいへん良かった。
私の周囲では、生粋の大阪人であるにも関わらず「~~してはります」など妙に上品ぶる女性もおり、聞くにつれ文字として見るにつれこちらの調子も悪くなりがちだが(爆)、松雪泰子のは心地よかった。
やはり美女だからなのか?(爆)
松雪泰子が二役で演じた双子姉妹の、それぞれの娘に扮したキャスティングも良く、就職活動の中で生き方を迷う役の橋本愛と、美術を学ぶためフランスに留学するも自分の才能に自信をもてなくなる役の成海璃子であるが、なかなかの好演であった。
脇を固めた伊原剛志、奥田瑛二も渋く、千重子の夫役の伊原剛志が語った「京都の人間は、本物に囲まれているから目だけは肥えている。せやけど、自分で何ができる?、何がしたい? それが分からんようになる、、、」が印象的であった。
オススメの一作。

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