2016 No.138 「ブルーに生まれついて」

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2016 No.138 「ブルーに生まれついて」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米・加・英合作 Born to Be Blue

1950年代の黒人ミュージシャンが主流だった米国ジャズ界で、“ジャズ界のジェームズ・ディーン”と呼ばれた白人のトランペット奏者兼ボーカリストのチェット・ベイカー(イーサン・ホーク)の半生を、ロバート・バドロー監督が映画化。
栄光の時代の回想に始まり、麻薬常習で刑に処された日々から自伝映画に出演する機に復活かと思いきや、金銭トラブルから麻薬の売人に暴行を受けて顎を砕かれ前歯を全て失い、ミュージシャンとして終わってしまうのかというところからドラマは展開。
黒人の彼女ジェーン(カルメン・イジョゴ)の献身的な支えもあり、奇跡的なカムバックを遂げるまでの日々を、哀愁たっぷりに描いていた。
主演イーサン・ホークは本作出演のため半年におよぶトランペットの集中トレーニングを受けたようで、本人による演奏シーンも多く、見応えがあった。
またチェット・ベイカーの代表曲「マイ・ファニー・バレンタイン」で、ソフトな歌声も披露していた。
共演のカルメン・イジョゴの情緒溢れる好演もあり、娯楽性の高い作品であった。
実在したチェット・ベイカーは、奇跡のカムバック後その恋人を裏切り、再び麻薬に依存しながらジャズ界の表舞台に出ていったようである。
その人間性は、自己中心的で自堕落で精神的に弱いものであるだろうが、ひたむきに音楽を愛し、音楽で自己を表現し高めることへ執着する姿には哀愁めいた魅力があり、本作はそれらを十分に表現していた。

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