2016 No.134 「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
2016年 英・米合作 Genius
20世紀初期のアメリカが舞台で、「天使よ故郷を見よ」の代表作を残した偉大な米国人小説家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)と、アメリカ文学の名作を数多く手がけた名編集者マックス・パーキンズ(コリン・ファース)の、複雑で屈曲に満ちた友情の実話を、マイケル・グランデージ監督が映画化。
野性味と純真さを併せ持ち、病気により37歳で生涯を閉じたトマス・ウルフをジュード・ロウがのびのびと演じており、その彼を温かくも堅物の父親のように支えるマックス・パーキンズ役のコリン・ファースと共に、その絶妙なキャスティングが本作の魅力・娯楽性を高めていた!
更にウルフのパトロン兼愛人であったアリーン役のニコール・キッドマンは、私の大好きな女優の一人であるが、間もなく50歳を迎えるとは思えない美しさと妖艶さを相変わらず発揮していた。
本作では若き天才を育て愛することで自身の生きる喜びをみる、少し狂気の交じった執着と愛情をみせる役であり、彼女の持つ美しい怖さの魅力は十分であった。
主要な役の3人ともが、俳優自身の本来の魅力・キャラと相まっており、人間の感情の展開を楽しめる作品であった。
多くの映画館で上映されていないのが不思議なのだが、かなりオススメの一作である!