2016 No.107 「聲の形」

2016 No.107 「聲の形」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
aghbafh
2016年 日 松竹

大今良時のコミック「聲の形」を吉田玲子が脚本、山田尚子が監督を務め、京都アニメーションにて映画化。
私はコミックをまったく読んでおらず、聴覚障害の少女が登場するもの位しか予備知識がない状態で観たのであるが、感情の濃度がただならぬ作品とすぐに分かり、動悸や眩暈が起きるのではないかと最後まで感じながらの観賞となった。
主人公の少年将也が小学生時代に、転校してきた聴覚障害をもつ少女・硝子へ好奇心を抱きながらも上手くコミュニケーションをとれず、彼女を苛め抜いてしまう。
作品冒頭にこのシーンが続く時点から、何か居心地の悪さが起こり、少女が再び転校して年月が経ち、高校3年生の時に再会するところから、本格的な贖罪のドラマが展開。
少年は中学生以降、同級生から手のひらを返され苛められる側になり、心を閉ざし下を向いたまま毎日を送るのであるが、彼女との再会を機に、自己嫌悪やトラウマと向き合い贖罪の日々を送ることに。
二人を取り巻く同級生たちの描き方がかなり省略されていて、関係性が分かりにくいところも多く、原作コミックには及ばない部分もきっと多いのかと想像するが、本作で伝えたかったテーマは、何とか2時間の中で描かれていたのではないかと思う。
切なさや悲しみ、後悔を切実に描いている中にも、「ごめん」「ありがとう」「友だちになりたい」「好き」といった自分の気持ちを伝えることの難しさ、分かり合えない間柄でも何とか分かろうとする気持ちの尊さや愛おしさを訴えてくる作品であった。
現実の影と格闘する、心が傷ついた少年少女たちの感情の重さとは対比的に、桜や川面の美しさ、キャラクターの可愛さも演出されていて、「面白い」とは違う娯楽性の高さもあり、これほどまで原作コミックを読んでみたいと思う作品も久々であった。
そういう意味では「君の名は。」を個人的には超えたかな!?