2016 No.46 「レヴェナント 蘇えりし者」

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2016 No.46 「レヴェナント 蘇えりし者」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米 The Revenant

西部開拓時代に実在したハンター、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)の息子への愛や復讐の執念、極寒の地で瀕死状態からのサバイバルのドラマをアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が映画化。
狩猟中に熊に襲われ瀕死状態になった主人公グラスが、目の前で息子を殺され、自身も生き埋めにされてしまうところから這い上がり、極寒の荒野を進んで復讐を目指すという脚本としては単純な157分の長尺作品であるが、終始目が離せない出来上がりで、先の第88回アカデミー賞で、主演男優賞と監督賞、撮影賞を受賞したことを十分納得できるものであった!
特筆すべきは大きく2点。
まずはデカプリオの渾身の演技!
彼自身も「キャリア上、最も過酷で命懸けの演技であった」と言っているほどで、メイキングを是非見たくなるシーンが幾つもある。
例えば熊に襲われるシーンは、彼の一人芝居にCGを駆使したものであるそうだが、本物の熊にめちゃくちゃに襲われているとしかみえない恐ろしく壮絶なもので、一生記憶に残るように感じた!
殺された息子への愛や、復讐と生への執念を、台詞少ない中で体現しており、彼の役者魂を感じさせるもので必見である!
次に美術や撮影そのものの凄さ!
人工照明を使わずに全て自然光で撮り、絵画のような明暗法で場面や心情を描写するという監督の方針で、それを具現したエマニュエル・ルベツキのカメラワークが凄かった!
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州のマイナス25度の雪原や、アルゼンチンの雪原で、約9か月にわたるロケの中で、明け方か日没の僅かな時間帯の自然光で撮影したようである。
戦闘シーンもルベツキがステディカムを背負って、俳優と共に前後左右と走って撮ったようで、その迫力は息をとめられる程のものであった。
『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と本作で3年連続の撮影賞を獲っただけの腕前の良さは、これもまた必見である!
最後に、坂本龍一も参加した音楽効果も見事であった。絵画的なそして絶対的な存在の大自然と、地を這いつくばり激流に翻弄され極寒に身を悶える生身の人間との対比を上手く表現していたと思う!
本作品の観賞で、第88回アカデミー賞で主要部門を受賞した作品を全て見終えたが、本作品は、映画そのものの斬新さや役者魂を特に強く感じさせられたものであった。

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