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2020 No.41「弱虫ペダル」

2020 No.41「弱虫ペダル」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

2020年 日 配給:松竹

渡辺航による週刊少年チャンピオン連載の自転車ロードレース同名漫画、通称「弱ペダ」を原作として、永瀬廉を主演に、共演に伊藤健太郎、橋本環奈を迎え、三木康一郎監督が実写映画化。私はこのコミックを全く読んでいないが、自身もロードバイク保有者(決して競技目的ではなく、健康増進と楽しみのためね)で、愛くるしい環奈ちゃんも出演していることもあって、かなり楽しみにして鑑賞に臨んだ。友達がいなくアニメ好きの高校新入生の主人公が、自転車部に仲間を得て、思わぬ才能を発揮するという青春もの。元気が失われがちなコロナ禍の中にあって、まあ楽しく元気づけられる作風であったが、「マンガなのでマンガかよ!」ってな感じの内容であった。コミックの内容がそもそもそうなのか、都合が良すぎて、ポジティブ全開の展開。ほぼ練習をしたことがない素人が、いくら才能があったにせよ、訓練を重ねてきたライバルを凌駕する圧倒的なパフォーマンスを出すのは奇想天外で、感情移入しづらい。本作品に「友情」は感じたものの、ロードレーサードラマに付き物の、栄光・挫折・葛藤・嫉妬・友情・裏切りといった人間ドラマからは程遠い、内容の薄いものであったことは残念。比較すべきではないが、作家近藤史恵の人気小説「サクリファイス」「エデン」などのロードレーサーの人間ドラマを深く描いた作品を知っているだけに、、、。ただ環奈ちゃんから「100人抜いたら追いつけるよ❤」と(鬼のような激でも)可愛い笑顔で言われて背中を押してもらったら、何でも出来ちゃうか!?(笑)

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2020 No.35「思い、思われ、ふり、ふられ」

2020 No.35「思い、思われ、ふり、ふられ」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2020年 日 配給:東宝

漫画家・咲坂伊緒による同名の恋愛少女コミックを原作に、浜辺美波、北村匠海、福本莉子、赤楚衛二の4人を主要役に迎え、青春・恋愛映画を得意とする三木孝浩監督が実写映画化。私は、昔から恋愛青春映画のジャンルは大好きで、齢50を超えた現在でも、心が洗われるような快感を味わっている。作品中の恋愛ドラマ内容そのもので、あーでもない、こーでもないと恋愛論をぶつようなことは今となってはさすがに全くないが(学生時代は、例えばTV「東京ラブストーリー」を見るたび、親友と恋愛の在り方を朝まで語り合ったり、「ねるとん紅鯨団」の放映のたび盛り上がったりしていたものだが)、本作のように名演技の俳優と、娯楽性の高い脚本・演出が合わされば、十分に楽しめるのは幸せだと思う(笑)「君の膵臓を食べたい」(2017年公開)をきっかけに、すっかり浜辺美波ちゃんの大ファンになったのだが(宮﨑あおいちゃんは別格ね)、本作品もその透明感抜群の魅力は健在。親の再婚によって、赤の他人であった同級生が同じ屋根の下で暮らすことになるとか、一時は感情がもつれた4人ともがハッピーになるだとか、違和感大有りではあるも、それぞれの感情を丁寧に描いていたことで、十分娯楽性の高い作品に仕上がっていた。また神戸高校や、大丸山公園、神戸市営地下鉄西神山手線の沿線各地など、10数か所の神戸各地がロケ地になっていたことも、個人的に楽しめた。私は同名コミックを読んでいないので原作との比較はできないが、コロナ禍で触れ合いが少なくなっている中、本作品のような青春ドラマはオススメである。

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2020 No.36「糸」

2020 No.36「糸」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2020年 日 配給:東宝

大ヒットした中島みゆきの「糸」をモチーフに、縦の糸、横の糸が絡むように周囲の人達やその時々の環境・事情に翻弄されながらも、しっかり歩を進めた平成元年生まれの男女それぞれの人生を、菅田将暉、小松菜奈を主演に迎え、瀬々敬久監督が映画化。また、斎藤工、榮倉奈々、山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙、永島敏行、田中美佐子ら、人気俳優、実力派俳優ら豪華共演陣。昨年後半から上映前の予告編宣伝等で、名曲「糸」が流れる中、今をときめく菅田将暉の「あおいちゃあ~~~~ん」の絶叫シーンによって、感動を想像させる大きな期待感に包まれてしまったものの、コロナ禍で公開が遅れてお預け状態が続き、ようやく鑑賞にありつけた次第。さて本作品、私の感想として総括すると、全体的には良作で、主演二人は勿論、子供時代を演ずる子役も期待通りの好演であったものの、然程の感動を覚えなかった。主人公らは、思い通りにならない青春時代を過ごしていたにも関わらず、片や地元で家庭をもちチーズ職人を目指したり、片やビジネスでキャリアを積んでいったりと、前向きに歩を進める姿が爽やかであったり、二人の想いが局面局面ですれ違ってしまうやるせなさもあったりと楽しませてくれたのであるが、観ている最中にもところどころ気になったことを含め、次の点で大きな感動には至らなかったと思う。まず尺の短さの点。例えば“前篇”“後篇”と二部作にしてもいいと思う題材であるも、2時間に収めた本作品は例えるなら、全10話のテレビドラマ作品を、たった2時間の総集編にまとめたとして、10話全体を観る前に、その2時間作品を初めて見たようなものであった。つまりとても様々な出来事が盛り込まれているのに、間や余韻が極端に少なく、次から次へと展開するので、じっくり感動する暇もない。次に、演出として「?」と感じる部分が複数個所あった点。その内三つを紹介すると、函館~美瑛の距離感に無理を感じたこと(実際は距離450キロ超で車で5時間以上かかるのに、いとも簡単に移動していた演出)、一時期同棲する実業家水島が、葵のそばから去る際に置いていった現金が部屋中に巻き散らかされていることに違和感があったこと(チープな印象になる演出)、そして重要な脇役を演じた山本美月の演技に難がありチープ感が否めなかったことである。(個人的に好きなモデル?タレント?であるも、彼女がこれまで出演した作品を含め、“女優”を名乗るレベルではない)およそ2時間という尺の映画作品は、私のように集中して穴が開くほどに観る客も多いので、ディテールには細心の注意で拘って欲しいと思うのが持論。中島みゆき自身が歌う「糸」を使うタイミング、ラストシーンのフェリー乗り場でのカメラワーク(主演二人の交錯の仕方)など、違う監督や演出家が手掛けたならば、感動の起こし方もまた違っていただろうと思わざるを得なかった。既に多くの方が鑑賞しているようであり、「感動した」とのレビューを多くみるが、これから観る方は是非、期待のハードルを上げすぎないように、、、

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2020 No.37「きっと、またあえる」

2020 No.37「きっと、またあえる」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 印 Chhichhore

インドのエリート工科大学の学生寮を舞台に、友情をテーマにした青春物語をニテーシュ・ティワーリー監督が映画化。主人公アニ役を務めたスシャント・シン・ラージプートはインド映画界の若手代表格であったものの、今年6月に34歳の若さで自死により他界し、ボリウッド映画界を驚かせたところ。彼自身も実際にデリー工科大学他、インド最高学府のインド工科大学(IIT)にも合格の実績があった模様。本作品ではIITボンベイ校がロケに利用されている。さて、物語は大学内にある複数の寮ごとにスポーツなどで競い合うイベントを題材にしており、主人公の属する「H4」の寮は伝統的に「負け犬」であるが、寮生が友情で一致団結しライバルとなる他の寮生と戦っていく展開。非常に青臭い青春ものであるが、最近のインド映画に漏れずとても作りが上手い。父母が最高学府出身で、父の期待に沿えず受験に失敗した息子が飛び降り自殺を図るが一命をとりとめる。生死の境をさまよう息子に父(主人公)が大学時代の「負け犬」寮生仲間を病室に集め、大学時代の友情の思い出を息子に語って聞かせるという、主人公の回顧という作りにしていた。インドの最高学府になると競争倍率が100倍以上の過酷な受験競争問題を背景にしており、そこの部分は作品冒頭に重く描かれているも、全体的には笑いあり、少し涙ありの娯楽性の高いものに仕上がっていた。2009年にインドで公開されその後全世界で大ヒットした「きっと、うまくいく(原題:3 IDIOTS)」に似た作風であるが、その作品に比べれば、演出・脚本とも雑であるが、映画を楽しむにはうってつけの作品としてオススメ。

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2020 No.38「青くて痛くて脆い」

2020 No.38「青くて痛くて脆い」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2020年 日 配給:東宝

「君の膵臓をたべたい」で風靡した住野よるの同名小説を原作に、吉沢亮、杉咲花主演で映画化。コミュニケーション障害チックな主人公田端楓(吉沢亮)が勝手に勘違いをし、被害妄想の中で暴走し、挙句の果ては他人に責任転嫁し、後悔するといった人間の本質の一面を抉った作風であった。私は原作を読んでおらず、先入観なしで本作品に臨んだ。自分の居場所がなくなった時の孤独感や、想いを寄せる人が自分ではなく他の人と付き合ってしまった時の嫉妬心など共感するところはあったものの、題材そのものに然程の娯楽性を感じなかった。ただ主演二人の演技は秀逸で、個性的な主人公を見事に演じていたと思う。吉沢亮の表情の変化がそのまま人間の本質を物語っており、また笑顔が多く善人イメージの強い杉咲花がラストに近いシーンで「気持ち悪っ」と冷めた蔑む感じの台詞など、「人間」を等身大に表現していた。作品の内容に対して、映画タイトルが「?」と感じることがままあるが、本作品は正しく「青くて痛くて脆い」そのものであった。

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2020 No.21「ジュディ 虹の彼方に」

2020 No.21「ジュディ 虹の彼方に」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 英 Judy

ミュージカル「オズの魔法使い」の名曲「Somewhere Over the Rainbow」を、わずか14歳の少女時代に世に知らしめたことで知られる女優ジュディ・ガーランドの伝記ドラマを、レニー・ゼルウィガーを主演に迎えルパート・グールド監督が映画化。日本で公開された時には、既に第92回アカデミー賞にて主演女優賞を受賞したこともあり、また感動を呼ぶ名曲も盛られていることもあって、期待大きく観賞に臨んだ。ジュディ・ガーランドが蘇ったかと思わせるほどのレニー・ゼルウィガーの熱演振りに異論はなく、ステージ魂や大スターのオーラを十分に演じていた。ただ、幼い時から私的自由を奪われ、光り輝くスター街道とは裏腹に酒と薬でしのぐ中で私生活は堕落していくというあまりにありがちな題材からくる限界からか、作品そのものには斬新さがなく、しっかりと記憶に残る作品になるとは思えなかったところは残念。国際的な映画祭各賞に、レニー・ゼルウィガーが選ばれている割に、作品そのものはたいして受賞していないことにも表れている。もっとも主演女優賞にノミネートされていた他の女優の顔ぶれを見ても、2019年は不作の年だったのかなあと改めて感じた。

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2020 No.13「1917 命をかけた伝令」

2020 No.13「1917 命をかけた伝令」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 英・米合作 1917

第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞を含む10部門でノミネートされ、撮影賞、録音賞、視覚効果賞を受賞したが、本作品を観た方ならその受賞に納得するであろう。ジョージ・マッケイ、ディーン・チャールズ=チャップマンという若手俳優を主人公に、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロングら実力派を脇に固め、「007 スペクター」でもコンビを組んだサム・メンデス監督とロジャー・ディーキンス撮影担当によって映画化。本作品を魅力的にした最大の特徴は、全編ワンカット撮影で戦争ドラマを描いたという点。最前線の仲間を救うべく重要な指令を伝達するため、敵陣を含む危険地帯を駆け抜けるという単純な題材であるも、織り込まれた人間ドラマに心を揺さぶられる。戦争題材で凄まじい迫力のある作品としては、最近だと「プライベート・ライアン」や「ダンケルク」が思い起こされるが、本作品は“全編ワンカット”の映像であるが故、まるで兵士に“完全密着”して一緒に戦場を体験するかのような観賞になる。これぞ、「The Movie」である!

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2020 No.17「ミッドサマー」

2020 No.17「ミッドサマー」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 Midsommar

ジャンルはスリラーであろうか?不得意なジャンルで普段はあまり観ないのだが、世間で相当話題になっていたので、怖いもの見たさでチャレンジしたら、一度目の観賞後に(通常版・147min.R15+)気になることが幾つかあって、再び観賞した(笑)(ディレクターズカット版・170min.R18+)シンプルに感想述べるなら、ヤバイ監督によるヤバイ作品だ。デビュー作「ヘレディタリー 継承」で有名なアリ・アスター監督の第2作目。事故で家族を失いトラウマに悩む女性主人公のダニーは、恋人クリスチャンや彼の友人達とスウェーデン北部の小さなコミューンを訪れる。友人の一人ペレの故郷でもあり、ちょうど「90年に一度の祝祭」が開催されるので、大学の論文としての研究や観光目的でどうかとペレが皆を誘ったことがきっかけ。一度目の観賞では、当然展開が分からないので、終始不気味さにドキドキしていたが、二度目では物語の前半に出てくる儀式「アッテステュパン」のところぐらいが、二度目にも関わらず目を細め顔をしかめることに。一度目の通常版を観賞後に気になったことは、ダニーの感情の流れや、物語の流れがやや分かりにくいと感じたこと。これは二度目のディレクターズカット版を観れば、通常版では全く描かれなかった儀式や、登場人物同士のやりとり、そして主人公の恋人クリスチャンの心情も丁寧に描かれていることが分かり、通常版ではあくまで女性主人公ダニーの視点に軸をおき、恋人クリスチャンは「クソ野郎」そのものになっていると感じた。この大胆なカットによるダニー視点の演出もヤバイ監督の遊び心なのか?ディレクターズカット版ではクリスチャン側の事情や心情を丁寧に描いているので、その「クソ野郎」の度合いも下がっている。というわけで、まだ観ていない方へのネタバレを避ける為にこれ以上は書かないが、要は通常版とディレクターズカット版では、ラストシーンでの感想が、やや趣の異なったものになるであろう。因みに通常版でのR15+と、ディレクターズカット版でのR18+の差は、恐らくクリスチャンのぺ●スについて前者ではモザイクがあり、後者ではそれがなくて真っ赤になっていた部分の差かと思う。相手の少女マヤが処●であったことを明確にする効果もあり、コミューンの慣習の厳格さに背筋が寒くなる思いをした。楽しみ方としては、作品の冒頭から伏線の山であり、至る所、壁にかかった絵に意味をもたせているし、ルーン文字についてもある程度予習すれば、物語の展開と合わせて大いに楽しめること必至。お金と時間に余裕があれば、通常版とディレクターズカット版の両方を観ればより楽しめると思う。順番はどちらかでもよいと思うが、個人的には、通常版観賞 → ネットで壁の絵やルーン文字の情報収集(予復習) → ディレクターズカット版観賞 が良いかな、、、

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2020 No.19「Fukushima 50」

2020 No.19「Fukushima 50」
8点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性5点/5点)

2020年 日 配給:松竹、KADOKAWA

奇しくも「あの時」から9年目を迎えた3月11日に本作品を観賞してきたのだが、涙なしでは観ることができなかった。作品の冒頭、「事実をもとにした物語」と注釈があることから、観終えた後で色々感じることがあり、例えば東電本社サイドの幹部の描き方や当時政権担当した「民●党」の首相の描き方は、明らかに「無●」で批判に値するようなものであった。まあ、当時も今も、マスコミを通じた評論家による“結果論”は、批判的なものである。ただ、この作品で伝えたかったこと、また間違いなく観る者に伝わることは、「語り継いでいくことの大切さ」であろう。この作品、国民はもちろん、日本に関わる方全員が観た方が良いと、個人的に強く思う。特に「あの時」にまだ生まれていない、または幼少であった現在の若者たちに広く観てもらい、何かを感じとってもらい、惨事からの復興や原子力発電のことに関心をもってもらいたいなと。もしかしたら新しい世代によって、原子力発電に頼らなくてもすむ人類の新たなライフスタイルの構築や、原子力に替わる安全でクリーンなエネルギーの開発など、叡智をもって未来を考えてくれたらと希望をもちたいものだ。さて本作品は、「沈まぬ太陽」や「空母いぶき」等、骨太な大作を手掛けてきた若松節朗監督によるもので、構成・テンポ・演出と実によく出来ている。また現場責任者役の渡辺謙、佐藤浩市の流石の熱演はもとより、日本映画界を代表するような面々も共演しており、キャスティングも見事!福島第一原子力発電所の現場に最後まで留まり、奮闘された約50人のことを地名と組み合わせて、海外メディアが「Fukushima 50」と名付けたようだが、彼らの決死の奮闘に感情移入し、涙腺が緩むこと必至。是非、観賞を強くオススメしたい。

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2020 No.12「リチャード・ジュエル」

2020 No.12「リチャード・ジュエル」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 米 Richard Jewell

1996年のアトランタ五輪開催中に起きた爆破テロ事件に係る爆弾の第一発見者になった警備員リチャード・ジュエルについての実話を題材に、巨匠クリント・イーストウッド監督が映画化。不審物(これが実際に爆弾であった)を発見後、警備員として当然の手続きをとったおかげで、多くの人命を救い、英雄扱いされたジュエルだったが、犯人捜査を進めるFBIが彼を第一容疑者とする。それを現地マスコミがリークしたことから世間の彼を見る目が3日後には一変し、そこから無実を訴える戦いの展開。主人公リチャード・ジュエルをポール・ウォルター・ハウザーが演じ、ジュエルが藁にもすがる思いで頼る旧知の弁護士ブライアントをサム・ロックウェルが、息子の無実を信じ胸を痛めるジュエルの母ボビをキャシー・ベイツがそれぞれ好演。イーストウッド作品の真骨頂である重厚な人間ドラマであり、ジュエルが人間としての誇り、職を全うすることへの誇りをかけてFBIとの捜査面談に対峙するクライマックスは、記憶に残るようなシーンであった。勇気を振り絞って臨んだ記者会見での、ジュエルの母の心震える演説も、キャシー・ベイツが見事に演じており、全篇通して味わいのある演技の弁護士役サム・ロックウェルとともに、作品に温かみ・人間味を加えていた。警察(本作ではFBI)・メディア・世間が冤罪を生んでしまう可能性の高い現代の問題へ、一石を投じるテーマも含んでおり、イーストウッド監督の時世や問題を捉えるセンスは相変わらず凄いことを認識させられるオススメの作品。

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【映画好きは必見!】超オススメ映画情報サイト “MIHOシネマ”

今回は、映画好きは勿論、映画通と自負している方まで必見の「映画サイト」を紹介!

そのサイトは “MIHOシネマ”

サイトへはこちらから『MIHOシネマ
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サイト運営者は、 映画ブロガー、映画ライター としてご活躍中の、真に映画好きである 影山美穂 さん

新作・話題作から、名作、隠れた名作まで幅広く扱い、なんと 7,000作品以上 を掲載中!(2020年2月現在)
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では、 MIHOシネマ https://mihocinema.com/ の特徴をもう少し詳しく紹介!

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1.掲載作品、なんと 7,000以上!
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まず1番目の「掲載作品、なんと 7,000以上!」だが、毎日のように記事を更新
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この MIHOシネマ https://mihocinema.com/ をいつでも見に行けるのは、映画という宝物をいつも携えているのと同じ!

次に2番目の「 各作品を とても丁寧に詳しくかつ面白く紹介! 」だが、2019年公開された「アナと雪の女王2」の紹介を実際に以下、見てみよう!

「アナと雪の女王2」のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

2019/10/14 2019/11/24 公開予定の映画

ディズニー映画にとって初のダブルヒロイン形式をとった前作『アナと雪の女王』から5年。新たな主題歌をひっさげ、エルサとアナの姉妹がスクリーンに帰ってくる!子供からお年寄りまで楽しめる、心温かくなる物語。

目次 [非表示]

アナと雪の女王2の作品情報

アナと雪の女王2

タイトル アナと雪の女王2
原題 Frozen2
製作年 2019年
日本公開日 2019年11月22日(金)
上映時間 不明
ジャンル アニメ アドベンチャー
監督 クリス・バック ジェニファー・リー
脚本 不明
製作 ピーター・デル・ベッチョ
製作総指揮 不明
キャスト
イディナ・メンゼル
クリステン・ベル
ジョナサン・グロフ
ジョシュ・ギャッド
エバン・レイチェル・ウッド
スターリング・K・ブラウン
松たか子
神田沙也加
製作国 アメリカ
配給 ディズニー

アナと雪の女王2の作品概要

アカデミー賞の長編アニメ映画賞や歌曲賞を始めとし、当時ありとあらゆる賞レースの賞を総なめにした前作『アナと雪の女王』。主題歌である『Let it go』は映画公開前から大きな話題となり、老若男女が口ずさんでいるという状況だった。そんな、一時期社会的現象にまでなった前作から早5年。アナとエルサの姉妹がパワーアップして帰ってくる。本作のテーマは、前作においてもキーとなっていたが深く掘り下げられることがなかった『エルサの持つ魔法の力』。果たして、社会現象までになった前作を超えることはできるのか。

アナと雪の女王2の予告動画(省略)

アナと雪の女王2の登場人物(キャスト)

エルサ(イディナ・メンゼル)
 幼い頃より、不思議な魔法をその身に宿した女性。昔その力でアナを傷つけてしまったことがあり、人との関わりを絶っていた。
アナ(クリステン・ベル)
 エルサの妹。元々明るい性格で、友達も多い。孤独な姉を助けたいと願い、真実の絆を取り戻す。
オラフ(ジョシュ・ギャッド)
 幼い頃にアナとエルサが作った雪だるま。エルサの魔法の力によって命を得た。クリストフ(ジョナサン・グロフ)
 氷を売って世界を渡り歩く青年。トナカイのスヴェンと行動を共にしている。エルサを助けたいというアナを助ける。

アナと雪の女王2のあらすじ(ネタバレなし)

これまで深い深い雪に覆われていたが、エルサとアナの姉妹が真実の絆を手に入れことで再び春を手に入れたアレンデール王国。それからというもの、エルサは自身が持つ能力を徐々に受け入れ、少しずつ前向きに生きるようになっていた。また、元々が明るい性格のアナの手助けもあり、徐々に国民達とも打ち解けられるようになってきた。ようやく、エルサとアナの姉妹に明るい日々が戻ってきたのである。しかし、ある時から、エルサには不思議な音楽が聞こえるようになる。そして、その音楽はエルサしか聞くことのできないものだった。その謎を解き明かしていく中、エルサとアナは、エルサの中に眠る魔法の根源を知ることになるのだった。

アナと雪の女王2の感想・評価

前作越えなるか!?注目の主題歌

アナと雪の女王』シリーズを語る上で忘れることができないのは、なんといってもその主題歌。前作の主題歌である『Let it go』は、映画公開前からCMなどで大きな話題を呼び、最終的にはその年の『紅白歌合戦』で披露されるほどの人気を得た。老若男女が口ずさみ、外出すれば必ずどこかでLet it goが流れている、そんな、まさしく社会現象となった前作。最新作でも、新たに7曲が本作のために書き下ろされ、パワーアップしたシリーズが楽しめる。既に本作のメインテーマソングとなる楽曲も公式ホームページから公開されており、是非映画鑑賞前に予習しておきたいところ。前作では応援上映もあったため、最新作でもその形態がとられることが予測できる。是非、劇場でアナとエルサと一緒に歌おう。

エルサの魔法の真実

一国の主であった両親を海難事故で失ったがために、若くして王座を継ぐことになってしまったエルサ。本来であれば、若い彼女には到底不可能と思える難題。しかし、彼女にはそれを可能にしてしまう力があった。その力こそが、彼女が昔から手にしている魔法の力である。雪や氷を操ることができるその力で、エルサは若くして国民を守ることができたのだ。しかし、その力故に彼女は幼い頃から深い孤独感を感じていた。そんな彼女の葛藤を描いたのが前作であり、魔法の力は本シリーズにおけるキーであるとも言える。まだ多くが謎めいている彼女の魔法の真実に迫ったのが本作。幸せな日々を送っていたエルサの耳に、不思議な歌声が届くようになる。そして、その歌声こそが、彼女を自らの力の真実へと結びつけるきっかけだったのだ。

アナと雪の女王2の公開前に見ておきたい映画(一部省略)

映画『アナと雪の女王2』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。『アナと雪の女王2』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

アナと雪の女王

言わずと知れた、2013年に公開された最新作の前作にあたる作品。これまでに数多くの作品を発表しているディズニーだが、アナとエルサというダブルヒロイン制度を採用したのは本作が初。主題歌である『Let it go』は社会現象と呼ぶべきほどの話題となり、老若男女に愛される大ヒットとなった。エルサとアナの姉妹は、アレンデール王国の王族だった。エルサは雪を操る魔法の力を持っており、ある日、ふとした事故からその力でアナのことを傷つけてしまう。さらに、海難事故によって両親を失い、エルサは完全に心を閉ざしてしまう。そして、時は流れ、エルサの戴冠式の日がやってきた。しかし、戴冠式の日、全てを覆す大事件が起きてしまう。果たして、エルサとアナは、再び絆を取り戻すことができるのか。

詳細 アナと雪の女王

詳細 雪の女王(2012)

アナと雪の女王2の評判・口コミ・レビュー(省略)

アナと雪の女王2のまとめ

街を歩けば必ずどこかで主題歌である『Let it go』が流れている。そんな、前作である『アナと雪の女王』が社会現象となってから早6年。アナ、エルサ、仲間達が、さらにパワーアップして帰ってくる。今回着目するのが、前作で大きな事件を巻き起こすキッカケにもなり、エルサが大切な人達を守る手段でもある彼女の魔法の力。なぜ、エルサだけが魔法の力を手に入れたのか、そして、その力はどうして身についたのか。美しい映像と共に描き出される魔法の数々に注目。そして、果たして再び『アナと雪の女王』の代名詞といってもいい、『Let it go』も聞くこともできるのか。

以上、 半端ない この面白くも情報量の多さは、時間を忘れて見入ってしまうこと必至!

最後に3番目の「 優れた検索機能! 」だが、これについても、サイト内のその機能が分かる部分を以下見てみよう!

映画を探す【全7000作品】

MARVEL・DC【全作品】

以上、 実際にサイトを訪れて検索してほしいのだが、時間が有れば、映画の夢のような世界にどっぷり耽ることができること必至!

最後にもう一度!

映画好きは勿論、映画通と自負している方まで必見の「映画サイト」  “MIHOシネマ”

サイトへはこちらから『MIHOシネマ
https://mihocinema.com/

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2020 No.11「AI崩壊」

2020 No.11「AI崩壊」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

2020年 日 配給:ワーナー・ブラザース映画

近未来において国民各個人の住所、性別、年齢、家族構成、職業、年収、健康状態、病歴、犯罪歴等の情報が一元管理されるのではという危惧をもって、様々な議論が始まっている現代であるが、本作品はそういった近未来、すなわち個人情報を一元管理するシステムが重要なインフラとして組み込まれている社会を具現化しているところが斬新であった。システムの開発者である主人公を大沢たかお、共演者に賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、松嶋菜々子、三浦友和らを迎え、脚本・監督の入江悠が映画化。スケールの大きな社会問題を映画の尺約130分で解決させるのであるから、都合の良すぎるある得ない展開や、矛盾や無理のある内容で、ツッコミどころ満載だが、心を大きくして臨めば面白いこと請け合い。ただ、少し気付きが良ければ、真の犯人が登場と同時に目星がつき、その後の捻りがなく分かりやすい伏線によって早い段階で確信してしまう点は、作品の緊張感を奪ってしまった。脚本家が違えば、尚一層のサスペンス感溢れる娯楽性の高い作品になっていたであろう。

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2020 No.10「嘘八百 京町ロワイヤル」

2020 No.10「嘘八百 京町ロワイヤル」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2020年 日 配給:ギャガ

弁が立つ古物商・則夫役の中井貴一と、腕が立つ陶芸家・佐輔役の佐々木蔵之介コンビに、二人を惑わすマドンナ志野役の広末涼子を新たに加え、騙し合いを繰り広げるコメディシリーズの第2作を、前作と同様、脚本・足立紳、監督・武正晴で映画化。共演者には、前作からの友近、森川葵らに、新たに加藤雅也、竜雷太、山田裕貴らが加わった。堺の茶人・千利休の弟子であった武将茶人・古田織部の幻の茶器「はたかけ」を巡っての騒動劇であり、その形の“歪み”を肯定する古田織部の心に想いを馳せながら、現代を生きる私達や、人間関係の歪みの面白さや必要性をテーマにした上手い脚本であると感じた。ロケ地も京都が大部分であったが、前作でも使われた堺市内の居酒屋が再び使われ、また窯で土を焼く所は同市内のハーベストの丘も利用されたようで、堺・京都と文化と歴史の香りを残す趣であった。個人的に“映画作品”として思うところは2点。一つは、観賞前情報により、低予算製作の背景で撮影期間はほぼ20日間程度と聞いていたが、実際に映画らしい凝りようやスケールの大きさ等が感じられず、映画館プライスに値するかなと感じたこと。主要役の3人は日本映画界を代表する演技派であり、その好演により見応え娯楽性は保たれていたとはいえ、作品全体はやはりチープな感じが否めなかった。(因みに前作の撮影期間は16日間であったとのこと!)二つ目は志野役のキャストのことであるが、広末涼子については少女時代から大ファンであるも、やはり高知県出身の本人の醸し出すキャラは、見かけ大人しそうだが実は地はやんちゃお転婆というイメージが強い。その為、京都の女《はんなり、物腰柔らかだが、中身は実に芯が強い》というイメージにそぐわない気がした。例えば「古都」(2016年)で京都の女を演じた松雪泰子などは、イメージ通り。ただこの二つ目の点について、作中の志野には別の顔があり、実は、、、ていうところには嵌っていたかも(笑)

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2020 No.9「ラストレター」

2020 No.9「ラストレター」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)

2020年 日 配給:東宝

宮城県出身の岩井俊二が、宮城県各所を舞台にした脚本を起こし、また監督として、男女の恋愛模様や、各登場人物がそれぞれの道を前を向いて進んでいけるよう成長する姿も重ねたラブストーリーを映画化。映画館の予告編程度しか前情報のない状態で映画館に足を運んだのであるが、唯一の懸念は、福山雅治演じる作家乙坂鏡史郎と、高校生時代から先輩の鏡史郎に想いを寄せていた裕里役の松たか子とが、恋愛関係になるのかというものであった。というのは、私個人、昔から松たか子には女性の魅力を感じず、ひたすら山崎製パンの食パンを食べているイメージしか、、、(決して悪口ではございません)。なのでそれはちょっと見づらいな、、、というものであったが、冒頭しばらくして杞憂に終わり胸を撫でおろした(笑)。冗談はさておき、お涙頂戴ではなく前向きに心温まり、深い感動を覚える作品に、久しぶりに巡りあえた。脚本と、俳優陣の演技力の高さがとにかく良かった。主人公・裕里役の松たか子は勿論、鏡史郎役の福山雅治、鏡史郎の高校生時代を演じる神木隆之介、主人公裕里の姉・未咲の高校生時代と現在の未咲の娘の二役を演じた天才若手女優の広瀬すず、この4人が主要な役を演じれば、自ずと感動作品になるのは必然で、おまけに主人公・裕里の高校生時代を演じた森七菜の好演も光った。深い感動を伝えたく、あれこれ書きたいところだが、ネタバレになるので我慢するとして、郷愁誘う宮城県各所の風光明媚な景色の中、ハートフルな人間模様が描かれ、また「拝啓 ○○様」と始まる文通の趣も心地よく、きっと初恋の時代を思い出すこと請け合いの、観賞おすすめの作品。スクリーン上の広瀬すずは、演技力・魅力とも天才級であることを改めて確認もできるよ!

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2020 No.8「シグナル100」

2020 No.8「シグナル100」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

2020年 日 配給:東映

宮月新、近藤しぐれによる同名コミックを、橋本環奈主演で、竹葉リサ監督が実写映画化。担任教師の下部を中村獅童が演じているが、ラストシーンでその正体が明らかになるのだが、問題は怖くないこと。この下部教師に「自殺催眠」をかけられた36人の高校生が、催眠を解いて普通の生活に戻るには「最後の一人」になるまで自分以外が全員「自殺」で死ぬことが必要との展開。これについては、主演の橋本環奈演じる女子校生がその「最後の一人」になるのは必然だろうと容易に想像できる点も緊張感を失うことに。また、「スマホを使う」「泣く」「あくびをする」等の日常の行動が、自殺行動を起こすシグナルになるのだが、全部で100あるという設定の中、とても笑えないくだらないものも含まれ、興醒め感も誘う。原作コミックを読んでいないので、本作の脚本が原作に比べどうなのか分からないが、内容が薄いのだ。これまでにも「悪の教典」(2012)や「バトルロワイアル」(2000)で、学校を舞台にしたスリラー(ホラー)で楽しませてもらったが、その時代の風潮を反映させているのか、本作では、学生どうしが徹底して戦わないところも違和感あり。どこか仲良し主義、平和主義、お友達としての気遣いが前面に出ているようで、題材と実際の運用との間で矛盾が起きているようにも思え、結果として娯楽作品としては突き抜けていないのだ。若い世代なら、本作の感想もまた違ったものになるであろう、、、。

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2020 No.2「カイジ ファイナルゲーム」

2020 No.2「カイジ ファイナルゲーム」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

2020年 日 配給:東宝

福本伸行のコミックを藤原竜也主演、佐藤東弥監督で三度目の実写映画化。シリーズ最終作らしいが、やはりここにきてギャンブルゲームの内容、脚本ともネタ切れ感を否めなかった。本作では、「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」という新たなギャンブルゲームが登場したが、「本シリーズらしい」ギャンブルは、「ゴールドジャンケン」くらいのものか!?「バベルの塔」は、高校時代の体育祭で熱く盛り上がった「棒倒し」ですか?みたいな趣で、「最後の審判」は尺が長すぎで、「ドリームジャンプ」は何の捻りもないもの。脚本(題材)も「預金封鎖」だの「カネによる政治家買収」だのと、専門外の素人が中途半端に書いたような趣。福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎らシリーズ初登場の面々はキャラがたつ好演であり、またクズを演じる藤原竜也の面白キャラのおかげで娯楽性は確保できたが、ホントこれでシリーズを終わらせないとと強く思うほどの内容破綻ぶり、、、。

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2020 No.1「屍人荘の殺人」

2020 No.1「屍人荘の殺人」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 日 配給:東宝

ミステリー小説として幾つか受賞もした今村昌弘による同名小説を、神木隆之介、浜辺美波、中村倫也の共演で、木村ひさし監督が映画化。私は日頃から前評判はおろか、概ねどのような作品なのかもなるべく情報を入れないようにして映画館に足を運ぶのだが、その結果として、当然観て初めて!?ということもよくある。本作品は正にそれ。ミステリージャンルで「○○荘の殺人」とくれば面白いかもしれないと、また「君の膵臓をたべたい」(2017)以来すっかりはまった可愛くてしかたない浜辺美波ちゃん、今を時めく神木隆之介、中村倫也が共演ともなれば、迷わずウキウキと観始めたのだが、、、。序盤で「ああこれは本格ミステリーではないな」と感じだしたのも束の間、まさかのゾ〇〇゛映画!ネタバレしないように表現すれば、ある登場人物の復讐が根幹にあり、その動機・背景はたいへん重いものなのだが、、、ただただゾ〇〇゛続出!そして戦い!このせいで、とても面白いという感想と、中途半端感が否めないという感想に分かれていそうである。

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2020 No.7「キャッツ」

2020 No.7「キャッツ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 英・米合作 Cats

1981年ロンドンでの初演以来、世界中で大ヒットを続けるミュージカル「キャッツ」を、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮、トム・フーパー監督により、先端のCGを駆使しての実写映画化。英国ロイヤルバレエ団プリンシパルのフランチェスカ・ヘイワードが白猫のヴィクトリアを、また「ドリームガールズ」(2007年)でアカデミー助演女優賞受賞のジェニファー・ハドソンがグリザベラを演じ、グラミー賞10度受賞しているテイラー・スウィフトや大御所女優ジュディ・デンチ、他にジェームズ・コーデン、イアン・マッケランらが共演する豪華出演陣!前評判や前情報を一切遮断して観賞したのだが、人間丸出しの顔面や、全裸かと見紛う毛足の短いコスチューム等がとても気持ち悪く(気味悪く)感じ、時間の経過とともに見慣れることを期待したのだが、最後まで違和感があった。唯一フランチェスカ・ヘイワード演じる白猫ヴィクトリアのみ可愛いと思ったが、他のキャラは際物にしか、、、。私は「キャッツ」を含めて舞台ミュージカルを数多く観てきたが、本作品のようにほぼ全編がミュージカル仕立ての映画作品は、やはり舞台のものに比べ、感動や迫力が伝わらないように思う。それにしても、「キャッツ」がロングセラーであり続ける最大の魅力の「メモリー」は、本作品においても、何故か心が震えるほどの感動を呼び起こした!ジェニファー・ハドソン演じるグリザベラの「メモリー」は撮影現場での生歌が採用されたらしいが、彼女は子どもの頃から教会のゴスペル隊に参加していたらしく、その歌唱力は独特かつ圧巻であった。観賞後にさまざまな評価を見ると、賛否両論分かれていて、特に悪評が目立っていることに驚いた。もう少し面白くするため、映画ならではのドラマ仕立ての脚色があっても良かったのかなと思う。

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2020 No.3「フォードvsフェラーリ」

2020 No.3「フォードvsフェラーリ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 Ford v. Ferrari

1966年のル・マン24時間耐久レースで、常勝フェラーリに挑戦するフォード側の男たちを描いた実話ドラマを、マット・デイモンとクリスチャン・ベールの2大スターが主演を務め、ジェームズ・マンゴールド監督が映画化。元レーサーであるがフォードチームのマネジメント側に軸足をおくカーデザイナー、キャロル・シェルビー(マット・デイモン)と、破天荒で職人気質のレーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)が困難や葛藤を乗り越え、常勝フェラーリチームに打ち勝つべくマシン開発とレースに臨み、熱く燃えながら同じゴールを目指す「バディ映画」である。エンジン回転数7000rpm超の迫力や、主演二人の激しくぶつかり合うところは見応えがあるも、邦題の『フォードvsフェラーリ』に見られるVS(対決)の構造はほぼなく、開発陣営の思惑と現場のレーサーという同チーム内での人間模様を題材にしていた。確かに原題をみれば、 Ford v Ferrari で、この「v」は victory を表しているともとれる。本作品を「バディ映画」として振り返った時、正直、よくありがちな陳腐なレベルであると思わざるを得ず、例えば邦画「海猿」シリーズの「バディ映画」のドラマチック性には及ばない。そこを本作品では、演技派2大スターのオーラで陳腐さを補い、演出を高めていた。題材が似ていることから『ラッシュ プライドと友情』(2013年)を思い起こすのだが、1976年のF1世界選手権におけるジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)とニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)のライバル二人の激突の面白さには及ばなかった。本作品における2大スターの活用と過剰な演出、前評判を含む好感度の異常に高い世論、そして極めつけは、次回アカデミー作品賞などにノミネートされていることからして、お商売上手なディズニーの配給作品の為せる業か、、、

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2020 No.4「パラサイト 半地下の家族」

2020 No.4「パラサイト 半地下の家族」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 韓 Parasite

私にとっても久々の衝撃的作品であった!感動するわけではないが、上手く作られた娯楽作品として十分に堪能できるものであった。前評判から、富裕層と貧民層との経済格差からくる悲喜劇を描いているものだと知った上での観賞であったが、その対極性や格差を様々な手法で魅力的に表現していたことと、コミカルな展開から、ある描写(作品の中での新事実登場)を境にして一気に戦慄が走る展開に幕が変わる演出など、映画好きにはたまらないほどの毒の効いた魅力ある作品であった。ポン・ジュノ監督と、韓国の人気俳優ソン・ガンホのコンビは4度目と聞くが、第72回カンヌ国際映画祭で、韓国映画としては初となるパルムドール受賞の栄冠をつかみ、間もなく開催されるアカデミー賞の作品賞に、外国作品としては異例のノミネートされるなど、世界でも高評価を得ているようだ。ネタバレになるので詳しくは書けないが、上から下(または下から上)という視覚的・概念的な表現が至る所にあり見事。それぞれの住宅街を結ぶ階段であったり坂道であったり、大雨の際の水の流れ方(大水の影響具合)であったり、リビング内でのソファの上とソファテーブルの下であったり、邸宅内の地下室であったりと、これでもかというくらい上下を表現していた。富裕層の上から目線と、もしかしたらその富裕層に近づけるのではないかという少しの希望をもちつつも、ややもすれば完全に地下の果てに堕ちるであろう際どい立ち位置で暮らす貧民層の目線とが、終始一貫、上手く演出されていた。もう一つ憎い演出として、富裕層家族の主人の「私は一線を越えてしまう人が、、、」との価値観を表す台詞があるのだが、なんか伏線臭いなと頭の隅に置いていたところ、ラストに近いガーデンパーティの時、主人自身が、地下から出てきた男を目の前にして、匂いを嫌悪して指で鼻をつまむところ。これこそ正に一線を越えてしまう行動になり、その直後に!!!韓国作品にありがちなグロいシーンは万人受けしないだろうが、この作品は映画通を唸らせるだけの内容だと思う。

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2020 No.5「男はつらいよ お帰り 寅さん」

2020 No.5「男はつらいよ お帰り 寅さん」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:松竹

本作は「男はつらいよ」シリーズの50周年記念で50作目としての作品。1969年の第1作目から始まり、1997年の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来、22年ぶりに山田洋次監督が映画化。また、23年ぶりに女優復帰のゴクミこと後藤久美子こそが「お帰り ゴクミちゃん」といったところだろう!倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、浅丘ルリ子らお馴染みのキャストが揃う。96年に亡くなった渥美清も、全編いたるところで生前撮った各シーンが散りばめられている。「あのとき伯父さん(寅次郎)はこんなだった」「こんなとき伯父さんならどうするだろう」といった感じで、現在の満男(吉岡秀隆)達にとって、懐かしく思い出され、そして勇気づけられる存在となっていた。実は、過去にマドンナ泉役としてゴクミちゃんが4作品ほど出演していたことを、私はその当時によく知っていて、(ゴクミちゃんを)観にいきたいと思ったものだが、不思議と縁がなく、テレビで見るくらいで映画館ではこのシリーズを一度も観たことがなく、本作品が初めての映画館での観賞となった。宮﨑あおいちゃんが私の中では別格であるくらいのお気に入り女優であることは、お友達に広く知られているが、実はゴクミちゃんが国民的美少女と芸能界で注目された頃から、今日のいままでずっと、私にとってもう一人の別格的お気に入り女優(女性)だったのだ。当時はお世辞にも演技も歌も?レベルであったが、とにかくその顔立ち(外国人っぽい顔立ち)が超好みで、今回もゴクミちゃんを拝顔する為、足をはこんだようなもの。写真にあるこの空港でのお別れのシーンは、心の中で泣いたほどの感動を覚えた。

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2020 No.6「記憶屋 あなたを忘れない」

2020 No.6「記憶屋 あなたを忘れない」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2020年 日本 配給:松竹

特殊能力とか非現実的なものを題材にしているものは、私としては大抵心に響きにくい結果になることが多いが、作品テーマにある人間ドラマの部分が感動的なものであれば、非現実的な要素を打ち消して記憶に残る作品になる。最近では「フォルトゥナの瞳」(2019年)なんかがそうだ。本作は、第22回日本ホラー小説大賞で「読者賞」を受賞した織守きょうやの小説を、山田涼介主演、平川雄一朗監督で映画化。芳根京子や佐々木蔵之介らが共演。私はこの小説を読んでいないし前情報もなく、本作を観たのだが、佐々木蔵之介の演技はやはり秀逸で、主演の山田涼介は並みで、重要なヒロイン・真希役の芳根京子の演技は?ということぐらいが記憶に残っている。館内では号泣している方も相応にいたが、私はほとんど感動することなく、数日が経ってこの文章を書いている私は、まさしく記憶屋に映画内容を消されてしまったかのような気分に陥っている。ネタバレをしてはいけないが、作品最後のほうで明らかにされる、主人公の婚約者の消された記憶について、、、のところで一気に白けた感を覚えた。依頼者であるその女性の懇願により、忌まわしい記憶を消してあげて前に進んでいけるように、の部分は同意できるのだが、記憶屋が更にもう一つ大事なことを記憶から消してしまうでしょう?その匙加減が記憶屋の方で出来てしまうこと、その判断は記憶屋の良識?に任されていることが、私に白けた感じを与え、しかもその動機が恋愛感情によるものだから、作品全体をチープなものにした感を否めなかった。同監督作品の「ツナグ」(2012年)や「僕だけがいない街」(2016年)は感動したのだが、、、。

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2019 No.12「女王陛下のお気に入り」

2019 No.12「女王陛下のお気に入り」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 愛・英・米合作 The Favourite 

18世紀初頭、仏国と戦争中にあった英国の王室を舞台に、女王アン(オリビア・コールマン)と、彼女の寵愛を受けて権力の座につこうとする女王に仕える二人の女性の愛憎劇をヨルゴス・ランティモス監督が映画化。女王アンに仕える幼なじみレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)は冷酷ながらも情に脆いタイプで、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイル(エマ・ストーン)は純真そうに見えて実は狡猾極まりないタイプであり、この二人のディスり合いやら化かし合いのドロドロとした女の戦いで展開。日本でいうところの江戸時代の大奥における女の戦いか。煌びやかな宮殿と、衣装を楽しみながらも、内容はまったくもって、喜劇ともいうべきドロドロドラマ。女性観客には大うけかもしれない。第91回アカデミー賞で、作品賞を含む9部門10ノミネートを受け、女王役のコールマンが主演女優賞を受賞している。3人とも演技派女優ならではの好演。しかしだ!私は「男」だからか、この手の女性のドロドロドラマは全く響かず、、、大好き女優であるエマ・ストーンの、妖艶なる個性発揮された〇〇を拝めたのが幸い(笑)

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2019 No.13「フォルトゥナの瞳」

2019 No.13「フォルトゥナの瞳」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 日本 配給:東宝

百田尚樹の同名小説を、神木隆之介と有村架純の主演に迎え、三木孝浩監督により映画化。幼少期に飛行機事故で家族を失い、他人の死が見えてしまうという不思議な力をもつようになった木山慎一郎(神木)が、孤独と苦悩の日々を送る中、携帯ショップで店員として働く桐生葵(有村)と出会いお互いに惹かれあっていくところから始まる物語。私の愛する架純ちゃん(宮﨑あおいちゃんは別格ね)が主演、神戸市内をはじめ関西各地をロケ地とした本作品、胸の高まりを抑えながら鑑賞したのだが、ラストシーンでは「心の中の」涙腺崩壊!どうして、葵も●●●を同じくもつ身なのに、黙っていたのか?思いやりから黙っていたのかな?と少し分かりかねる部分があるも、二人のはまった役としての好演と、可愛すぎる架純ちゃんと、馴染み深いロケ地の数々のおかげで、ラストシーンの衝撃から立ち直れた次第であった。2019年2月に公開された当時は、本作品を観に行くといいよと、かなり周囲に差し出がましく宣伝していたが、皆さんはご覧になったでしょうか?私はこの小説を読んでおらず、また題材も奇想天外なものであるが、本作品はなかなか美しい「悲恋(ネタバレですが、、、)」の物語であり、いまだにオススメ。時任三郎、斉藤由貴、北村有起哉、志尊淳、DAIGO、松井愛莉らが共演。因みにラストのクライマックスシーンのロケ地は、近鉄南大阪線古市駅近くの操車場で、撮影時期、私は仕事で近くを通りかかっていたはずなのだが、、、

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2019 No.61「マチネの終わりに」

2019 No.61「マチネの終わりに」
6点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性4点/5点)

2019年 日本 配給:東宝

芥川賞作家 平野啓一郎の同名小説を福山雅治、石田ゆり子主演、西谷弘監督で映画化。世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史を福山が、パリの通信社で働くジャーナリスト小峰洋子を石田がそれぞれ演じるのだが、熟された魅力あふれる二人の個性がよく光り、また東京に加え、パリ、ニューヨークを舞台にしていることから、上質な気品も漂う大人の恋愛物語に仕上がっていた。伊勢谷友介、桜井ユキ、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行ら共演者も好演。さて作品の中身だが、それはもう私の超好みのもので、恋愛ものの王道ともいえる“起承転結”の展開が鮮やかに描かれていた。恋愛ものには当然「喜劇」的なところがあり、本作品もご多分に漏れずその要素を含むも、大人の二人が主演だけあって、あまりはしゃがず、しっとりとした優しさの中で、静かな愛情が育まれていく「起承」、そして“ジョーカー”が暗躍する「転」、そして「結」は、、、と、原作が小説だけあって、一つの小説を読み終えた時の感動と余韻を楽しめる良作であった。本作品と同じく私が心で涙した『僕等がいた』(前篇/後篇 2012年 生田斗真 吉高由里子主演)とも展開が似ている。この秋まだまだ話題の公開作品多く、観ていないものも多いが、個人的にはオススメの作品!

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2019 No.60「ジェミニマン」

2019 No.60「ジェミニマン」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 米国 Gemini Man

政府からミッションを依頼される最強スナイパーのヘンリー(51歳)と、クローンとして生み出された若き日のヘンリー(23歳)の二役を主演のウィル・スミスが務め、「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」でCGトラに命を吹き込んだ名匠アン・リー監督が映画化。ハリウッド映画の主流となっている黒人・白人・アジア人の多様性(チーム)と、それら多様性を否定しクローンで分断化を図る連中との戦いの構図で、舞台が世界を駆け巡るあたりも含め、特殊作戦を遂行する展開は「ミッション・インポッシブル」さながらでテンポも良い。本作品の最大の目玉は、クローンキャラクターの技術!23歳の若きウィル・スミスは、頭のてっぺんからつま先までまで実写に見えるが、実はCG技術を駆使したアニメキャラみたいなものである。顔面はパフォーマンス・キャプチャーで彼の演技を忠実に再現しているので、実写そのもの!鑑賞後に詳しく調べてみると、このHFR(High Frame Rate)3Dという技術は、毎秒120コマの4K3Dカメラで撮影されているらしく、従来の毎秒24コマカメラではブレブレになるような高速カメラワークも可能としたらしい。その結果、新感覚のアクションシーンとして特に見応えがあったのは、23歳のクローンとのバイクチェイス(バトル)のシーンと、ガトリングガンで攻撃される終盤の逃亡シーン!観る者の瞬きも許さないほどの凄みを体感できること必至。関西では梅田ブルク7の館内設備が、その技術をより体感できるらしい。(他はMOVIXさいたま、T・ジョイ博多)映像革命とも評価される本作品、記憶に残ること請け合いで、大切な方と観るに値するだろう(笑)

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2019 No.59「楽園」

2019 No.59「楽園」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 日本 配給:KADOKAWA

著作が「悪人」(2010年)や「怒り」(2016年)に映画化された作家・吉田修一の短編集「犯罪小説集」からの二編を軸にして瀬々敬久監督が映画化。綾野剛、杉咲花、佐藤浩市ら本格派俳優陣により、まっとうな人間が壊れる様、そこに至るまでの痛みや苦しみをリアルに描き、観る者に陰鬱な気分にさせるものの、人間のダークサイド面と、人間が形成する社会の恐ろしさに踏み込んだ作品。地方の集落で少女が行方不明になる事件が起き、集落で孤立する青年豪士(綾野剛)に疑惑が向かう話と、愛妻を病気で失った後も集落内で一人愛犬と暮らす養蜂家の善次郎(佐藤浩市)が、村おこし事業を巡る話のこじれから村八分にされて生活を追い込まれていく話の二つが展開し、差別や疑心暗鬼に満ちた集落(集団社会)に対し、其々追い詰められた人間がどういう行動に出たのかが見応えの大きい人間ドラマで、俳優の演技も秀逸であった!ただ、二つの話をつなげようとした結果、不自然な点が現れ、描かれていない大事な所や伝わってこない所が多く、演技が秀逸だけにとても残念に感じた。要は脚本・演出含めた映画作品そのものに対し、素人の私でも駄目だししたくなる所が多く、残念ながら駄作と断じざるを得ない。奇しくもホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」と公開時期が重なっており、人間がダークサイドに堕ちるドラマとして共通するものがあるが、作品としての出来不出来の差は歴然!本意ではないが、“駄作”と感じた理由を少し具体的に列挙したい。ここからは“ネタバレ”も含むので、ご注意を!本作品をご覧になった方は、私の感じたことを、どのように感じられたのか大いに関心があるので、良ければ感想を聞かせて欲しい!①まずは杉咲花演じる紡に行為を抱く同級生の青年との関係。紡も、最後には彼に好意を抱く過程がないので違和感大有り。また電車の音でかきけされた台詞が「お前の楽園を作れ」という言葉も、作品タイトルを作るためなのか唐突!②次に佐藤浩市演じる善次郎に好意を寄せる集落の久子(片岡礼子)との関係。好意を寄せる過程がほとんど描かれていないのに、不要なシーンとも思える濡れ場も含め描写が長い。混浴風呂に誘った側の久子が、善次郎から迫まられたキスを本気で嫌がる演出も意味不明?③亡くした妻の洋服をマネキンに着せ飾ったり、植栽を続けたり、妻がきっかけで飼いだした犬と触れ合ったりする姿から偏執的・猟奇的な亡き妻への愛情は伝わるも、基本的に穏やかで優しい性格の善次郎が、村八分にされ土地権利のトラブルも重なった暁に、集落の人々を憎み復讐するその変貌ぶりについて描き方が足らず、突飛なものに映った。④最後に、綾野剛演じる青年豪士の立ち位置について、「彼が限りなく怪しいものの、真の少女誘拐犯は分からないまま」でこの作品は十分だと思うのだが、豪士の母親が警察での取調べで、豪士のアリバイの為に本人と口裏を合わせて嘘をついたことや、「思い出してみたらそうだった、、、」と杉咲花演じる紡の回想シーンをラストに入れたことで、「彼が犯人でした」かのような断定的表現になっており、作品の締めとしてもチープな感が否めず、2時間スペシャルテレビドラマにも脚本として劣る感じがした。
繰り返しになるが主要3人の演技が秀逸だっただけに、作品そのものの脚本・演出のレベルの低さが極めて残念に思えた。

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2019 No.14「グリーンブック」

2019 No.14「グリーンブック」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2018年 米国 Green Book

1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と、イタリア系白人雇われ運転手トニー・リップ(ビゴ・モーテンセン)の2人が、南部でのコンサートツアーを続ける中で、お互いを理解し友情を深めていく実話をピーター・ファレリー監督が映画化。第91回アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞。当時は勿論のこと、現代社会でも色濃く残る人種差別の問題、そしてその問題を背景に人間ドラマを作るところは米国ならではか。黒人用旅行ガイド「グリーンブック」とはいかなるもので、そのようなものが存在すること自体の意味などを本作品を通じて考えさせられる。ロード・ムービーならではのテンポの良さとメリハリが効いており、主演二人のキャラの違いとぶつかり合いをユーモラスに描いてもいた。美しいピアノの奏でる音から、孤独や葛藤と闘いながらも、前向きに進んでいこうとするドクターの意思を強く感じさせられ、たいへん良作であった。

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2019 No.15「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章『 新星篇』」

2019 No.15「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章『新星篇』」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 日本 配給:松竹メディア事業部

「宇宙戦艦ヤマト2199」の続編であるテレビシリーズ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の劇場上映版は、今回最終章になる第7章を迎えた。羽原信義監督による一連の劇場版は、脚本も登場人物も「見事に」「今風」にアレンジしており、松本零士の初代ヤマトから親しんできた40~50代以上の「オールドファン」にはもうなかなか付いていくことが難しい趣に。脚本(内容)をみれば、「大きな行間を皆さんが自由に想像して楽しんでくださいね」と言わんばかりの抽象的かつ難解な要素を盛り込んでいる。精緻に振り返れば説明のつかない「矛盾」が散見されるが、雰囲気で楽しめば目くじらを立てる必要もないということか(笑)登場人物に目を向ければ、凡そ宇宙戦艦に搭乗する戦士とは思えない、ピチピチ戦闘服に身を包むロリ顔巨乳の美少女があちこちに(笑)昔の、以前のヤマトの世界観は、、、と愚痴を並べても、また新たなシリーズが世に出れば、勿論足を運ぶ我らがヤマトファン、、、悲しい性かも(笑)兎にも角にも少年時代に涙した「さらば~愛の戦士たち」から40年の時を経た今、また楽しませてもらったことには大いに感謝!

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2019 No.16「運び屋」

2019 No.16「運び屋」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2018年 米国 The Mule

87歳の老人が大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をヒントに、巨匠クリント・イーストウッド監督が主演も兼ねて映画化。家族をないがしろに商売一筋で生きてきたが、晩年になって失敗して自宅を差し押さえられ、今やプライドと頑固さで何とか体面を保っている孤独な90歳の老人が、メキシコの麻薬カルテル組織の一味から、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられ、最初は運んでいるのが「コカイン」と知らずに、、、という展開。人と出会い、自身の存在意義や、家族のことなどを想うようになり、愛妻の死も迎え、娘たち家族と向き合い、謙虚さをもった生き方に変化していく様が見どころ。ブラッドリー・クーパーや、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシアら大物実力派俳優が共演する中、実娘であるアリソン・イーストウッドも劇中の娘役として出演。題材は非合法なものに変わりなく、ややはちゃめちゃな演出もあるも、イーストウッド自身の円熟味と、ほぼ完成したといっていい人生観そのものの演じ振りと、魅力あふれる脚本・演出は、さすがは映画人イーストウッドと感嘆せざるを得ない。本作品が彼の遺作にならんことを祈るのみ。

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2019 No.58「エンテベ空港の7日間」

2019 No.58「エンテベ空港の7日間」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 英・米合作 7 Days in Entebbe

1976年6月~7月に実際に起きた、イスラエル/テルアビブ発フランス/パリ行きのエールフランス機が乗っ取られたハイジャック事件が題材で、ダニエル・ブリュール、ロザムンド・パイクがドイツ(当時の西ドイツ)人革命家を演じ、ジョゼ・パジーリャ監督が映画化。題材となったこの事件は、これまで「エンテベの勝利」「特攻サンダーボルト作戦」「サンダーボルト救出作戦」と3度も映画化されただけあって、ウガンダの空港で最後まで人質になっていた106名の内の102名が救出されたイスラエル軍の特殊部隊による奇襲攻撃はドラマチック。本作品は、ハイジャック犯やウガンダ現地で合流したパレスチナ解放人民戦線のメンバーら犯人側の目線でも描き、革命行為なのか非人道的テロ行為なのか迷い悩む面なども表現されていた。テロリスト犯は最終的に8名になるが、その内の2名のドイツ人に対し「そもそもドイツ人にされたことをユダヤ人はパレスチナ人にしているんだ」「君たち(ドイツ人)は故国を憎むためここにいるが、我々は故国を愛するためここにいる」とアラブ人が言ったことが印象的。ただ、判断に揺れるイスラエル政府の首相と国防大臣、ドイツ人革命家の信念、パレスチナ解放人民戦線のメンバーの思い、ウガンダのアミン大統領の狂気、人質たちの恐怖と、色々な視点で描いているが、どれもが中途半端な感が否めなかった。また本作品を駄作にしてしまいかねないお粗末な演出として、ダンスパフォーマンスを取り入れたことは甚だ疑問。奇襲攻撃をかけるイスラエル軍特殊部隊の一人の若者を待つ立場の恋人が(すなわち本作品の中では単なる一般人)、そのダンサーの一人の役となっており、序盤からパフォーマンスの練習風景が時々差し挿まれる。何かの伏線かと観ている者は当然思うわけで、なんと奇襲攻撃のクライマックスシーンに、このダンスパフォーマンスの本番の演武が交互に映し出されるという顛末。演出家(監督?)の拘りなのか、遊びなのかは知らないが、ダンスパフォーマンス自体が斬新で引き込まれるようなものであっただけに、たいへん気が散り、結果としてあの演出は本作品に何をもたらそうとしているのか理解が出来なかった。

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2019 No.57「最高の人生の見つけ方」

2019 No.57「最高の人生の見つけ方」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:ワーナー・ブラザース映画

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの主演でロブ・ライナー監督による同名映画(2007年)が原案で、この日本版では吉永小百合と天海祐希が共演し犬童一心監督が映画化。人生の殆どを家庭の為に捧げてきた主婦の北原幸枝(吉永小百合)と、同じく人生の殆どを仕事に捧げてきたチェーンホテルのオーナー社長の剛田マ子(天海祐希)が、共に余命宣告を受け、入院していた先で偶然出会う。途方に暮れる彼女たちが、入院中の少女の書いた「死ぬまでにやりたいことリスト」を偶然手にし、残された時間の中でこのリストに書かれた全てのことを実行する。冒険旅行が中心となるが、その道程で、生きる楽しさと人の幸せを願う気持ち、自身が殻に閉じこもっていたこと等、今まで気付けなかったことと向き合うハートウォームな展開。温かく観るものを幸せにする、文句のない素敵な内容の作品であるも、この作品でもまた吉永小百合の大根役者ぶりは健在!天海祐希や共演者の満島ひかりら演技派俳優たちで十分にカバーが出来ており、全体としては安定した娯楽良作品となっていたが、吉永小百合の場面によっては全く相応しくない穏やかな笑顔、状況からはすっとんきょうな演技振りは苦笑を通り越して目を覆うばかり(笑)まあ、彼女の絶対的なオーラやカリスマ性により、“サユリスト”だけではなく作る側や観る側の全てが許してしまうのであろう(笑)ただシビアに言えば、この役をより演技ができる女性が務めれば、また感動の大きさも違っていたであろうと思う。

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2019 No.17「ウトヤ島、7月22日」

2019 No.17「ウトヤ島、7月22日」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 諾威 Utoya 22. juli

2011年7月22日、ノルウェーのウトヤ島で実際に起こった無差別テロの銃乱射事件を、生存者の証言に基づきエリック・ポッペ監督が映画化。犯人は当時32歳のノルウェー人アンネシュ・ベーリング・ブレイビクで、極右思想を持ち政府の移民政策に不満を抱いていることからテロを決行。政府庁舎で爆弾を使用し8人、ウトヤ島の銃乱射で労働党青年部のサマーキャンプに参加してた10~20代の若者たち69人と、単独犯としては史上最多の77人の命を奪う。この犯人は現在首都オスロ近郊の刑務所で服役中とのこと。この恐ろすぎるテロ事件を風化させないという意味では本作品の意義も大きいと思うのだが、個人的には主に次の二つの理由で、(たとえお金をもらってでも)二度とこの映画作品は観たくない。一つ目は本作品が「売り」にしているウトヤ島におけるテロ発生から犯人の逮捕による収束までの72分間をワンカット撮影している部分。犯人の姿が見えず銃声と逃げ惑う人々の光景は緊迫感と恐怖を煽るのに十分であるが、その他の冗長な場面の方が緊張する場面よりも長く思われ、結果としてワンカットに拘った効果はどれほどのものだろうかと感じた。それどころか主人公の少女カヤの目線でカメラが動くため、映像が上下左右に振れることが多く正直体調を悪くするほど不快であった。二つ目は、本作品は生存者の証言に基づき製作しているが、ドキュメントではなくフィクションとしていること。事実に近い言動にはその実際のモデルがいるはずであるが、クレジットでよく有る『モデルとなった誰それは、、、』という様な説明がなく、実際の犯人の名前も出てこない。ネタバレになるので伏せるが、主人公カヤのラストシーンから推察しても、主人公を含めて誰がモデルで誰がフィクションなのかが全く分からないものになっており、本作品はテロ遂行シーンで緊迫感と恐怖を与えるホラー映画みたいで、登場人物にたいして共鳴できない仕上がりになっていた。つまり映画作品としてどうなの?という思いに至った。

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2019 No.18「THE GUILTY ギルティ」

2019 No.18「THE GUILTY ギルティ」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 丁抹 Den skyldige

緊急通報を受けるオペレーターの警察官アスガー(ヤコブ・セーダーグレン)が、伝えられる情報の他、電話の向こう側から聞こえてくる様々な「音」だけで想像を巡らして判断し、各所に連絡を取りながらの連携で、誘拐事件の解決に挑む展開。本作を観る我々には音だけの「情報」という状況の為、主人公と同じく集中力と想像力を刺激され、かなりの緊迫感をもった。過去のある事件をきっかけに現場の第一線を退いた警察官アスガーを、以前は第一線で活躍していたことへのプライドと、今ではしがないオペレーターに成り下がっていることへの劣等感とが混じりあった役にしており、日頃の投げやり的な仕事ぶりから、本作での誘拐事件をなんとか解決しようとする内に本来の正義感からくる熱い仕事ぶりへと変化していく様が上手く演出されていた。その事件の衝撃的な展開(着地)とともに、主人公の人間ドラマが重厚に描かれたことは秀逸。タイトルの「罪」をいやおうなく考えさせられるそのオチは、映画ファンを唸らせるに十分で、見応えある作品としてオススメ。

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2019 No.19「キャプテン・マーベル」

2019 No.19「キャプテン・マーベル」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 米国 Captain Marvel

アベンジャーズ結成以前の1990年代を舞台に、過去の記憶を失った女性キャプテン・マーベルの戦いを描いたもので、「ルーム」(2015年)でアカデミー主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン主演、マーベル映画では初の女性であるアンナ・ボーデン監督と、ライアン・フレック監督で映画化。ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンのほか、ジュード・ロウらも共演。宇宙から地球に落ちてきた彼女は過去の記憶がなく、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされつつも驚異的な力をもっていた。その彼女を利用しようとする謎の敵に襲われるなどスリルやサスペンスに満ちており、アベンジャーズ誕生のこと等このシリーズのファンなら関心の高い内容であるも、次の理由から個人的には今一つの感が否めなかった。それは、時間が行ったり来たりの内容になっており分かりづらい面があること(個人的に大の苦手)、今回初登場のキャプテン・マーベルが半端なく圧倒的に強いので、これまでのシリーズの他の人間臭いヒーローたちを凌駕しすぎるのではないかと思ったこと(強いキャラを出せばナンデモアリに)、自分探しの女性・自分を解放する女性を軸に描いていることへの個人的感覚のズレ(凡そマーベルシリーズには似つかわしくない)からくるものだと思う。ただいずれにせよ、これからもこのシリーズを楽しむ予定なら、本作品の観賞はマスト!かもしれない(笑)

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2019 No.20「翔んで埼玉」

2019 No.20「翔んで埼玉」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:東映

埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画を30年以上ぶりに復刊させた漫画家魔夜峰央「翔んで埼玉」を、二階堂ふみとGACKTの主演で実写映画化。これまでも数多くのコメディ作品で手腕を発揮した武内英樹が監督。超一流レベルの天才演技派女優の二階堂ふみが男性である百美役を、何事に対しても一流を極めることを信条とするGACKTが麻実役を、それぞれ演じているのだが、この二人によるキャラクターの作り込みは賞賛に値し、この2人なくして「翔んで埼玉」は成り得なかったと強く思った。東京都民からひどい迫害を受ける埼玉県民という構図で、埼玉をディすればディスるほど面白くなるという展開であるが、最後の着地は逆転ゴールのようになるので、後味が決して悪くない娯楽性に富んだ作品に仕上がっていた。

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2019 No.56「ジョーカー」

2019 No.56「ジョーカー」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 Joker

「バットマン」の宿敵で、道化師の不気味なメイクを施し、狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマ「ジョーカー」の誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演、トッド・フィリップス監督で映画化。名優ロバート・デ・ニーロも共演。心を病んでいても優しく純粋な性格で、人々に笑いを提供する貧しい大道芸人アーサーが、世間から蔑まれ次第に孤立し、貧富格差の不満の鬱積もあって、ついに暗黒面に身を寄せていく姿を、ホアキン・フェニックスが熱演。ダークヒーローの誕生起源を描いている為、愉快な気持ちになれるはずもないが、そのあまりにも悲哀に満ちたところから悪のカリスマへ到達する姿は、観ている者の心を鷲掴みにするものであった。「人間」そのものの一面を堪能できるオススメの作品。

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2019 No.55「惡の華」

2019 No.55「惡の華」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:ファントム・フィルム

テレビアニメにもなった押見修造の同名コミックを、伊藤健太郎と玉城ティナ共演で、井口昇監督が実写映画化。思春期の少年少女の心の葛藤や行き場のないモヤモヤ感、特にダークサイドの情動部分を濃縮させたワールドを展開。性的な衝動についても直接的な卑猥なシーンを使うことなく上手く演出していたと思う。SMプレーかと思わせるような主従関係や変態を意識した言動は、個人的に好まないものであるが、主人公を演じた伊藤健太郎と玉城ティナの熱演で、なんとか娯楽性を感じながら鑑賞できた。玉城ティナが出演した映画作品をこれまで何本か観ており、彼女の演技力について「?」の感をもっていたが、本作品でここまで演じ切れば、頑張った演技と認めざるを得ない。私は原作のコミックもアニメ化されたものも見ていないので、実写の本作品と比較することなくストレートに観れたわけだが、主人公二人は嵌り役であったと思う。

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2019 No.54「ホテル・ムンバイ」

2019 No.54「ホテル・ムンバイ」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 豪・米・印合作 Hotel Mumbai

2008年11月インド・ムンバイで実際に起きた同時多発テロで、特に多くの犠牲者を出したタージマハル・パレス・ホテルを舞台に、デブ・パテル主演、豪州出身のアンソニー・マラス監督で映画化。私の趣味で、鑑賞した映画作品に自分なりの評点、すなわち斬新さ部分で5点満点、娯楽性(エンターテイメント性)部分で5点満点の、合計10点満点で点数をつけている。実は今回の映画を観ているさなか、「とても評点を付けることが出来ない」と強く感じ、特別に「本作品は評点不能」にしようかと考えた。鑑賞して数日経ち、ようやく「衝撃」を受けた感が薄れ(人間は勝手で冷たいものだ)、鑑賞して有意義だったか(目新しくて、感受できるものだったか)と振り返れるようになり、以上のように評点を付けた。それほどまでに、テロ行為そのものの描写が無慈悲で、緊張感の高いものであった。同事件のテロリスト達は、心理的・経済的弱みに付け込まれ、洗脳され訓練された少年たちであり、その彼らの目線で描いた部分、心情にも触れている部分は、本作品の特徴。テロリストたちに立ち向かい、宿泊客を守ろうとするホテルマン達の勇気ある行動が主軸に描かれているが、様々な立場での人物を丁寧に描いている為、焦点がぼやけている感もある。ただ、脚色されているとはいえ凡そドキュメンタリー風に製作された本作品を鑑賞することで、約10年ほど前にこのような恐ろしい事件が起きたことを思い起こし、そしてその極限状況下で人間がどのように行動したのかについて知ることは、とても有意義であると思う。因みに同事件はインドが舞台で、主人公もインド系の英国人であるが、豪州出身の監督であるこの作品、インド映画とは明らかに違い、オーストラリア(白人世界)の映画であったことを付け加えておく。

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2019 No.53「大脱出3」

2019 No.53「大脱出3」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 米国 Escape Plan: The Extractors

脱出不能とされる監獄を舞台としたシルベスター・スタローン主演によるサスペンスアクションシリーズの第3弾。ここにきてさすがにネタ切れ感大ありの超B級脚本と、アクションに衰えを認めざるを得ないスタローン主演の両方について、ジョン・ハーツフェルド監督をはじめとした製作陣が打った手は、今回重要な役で出演したマックス・チャン!今の香港映画界で最も人気のあるマックス・チャンは45歳でやや遅咲きであるが、本格的な格闘家としてのベースからくるキレのあるアクションと、細身でイケメンの容貌で、これからもまだまだブレイクするであろう。感情移入のしようのない稚拙な脚本と演出に驚かされたが、一方でマックス・チャンの好演は見応えがあった。

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2019 No.21「ラストタンゴ・イン・パリ 4Kデジタルリマスター版」

2019 No.21「ラストタンゴ・イン・パリ 4Kデジタルリマスター版」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

1972年 伊・仏合作 Last Tango in Paris

イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督が1972年に映画化した本作品は、当時故国イタリアで上映禁止処分になった他、アメリカなどでは一部シーンがカットされる等、生々しく過激な性愛描写の為、世界中で問題視された。45年以上時を経た2018年11月に、ベルトルッチ監督が死去したことを受け、追悼企画として4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開となったもの。妻が自殺したことで人生に絶望し悲哀に暮れていた中年男のポール役をゴッドファーザーのドン・コルレオーネ役で有名なマーロン・ブランドが、そのポールと愛なきセックスに耽る20歳前の純真な娘のジャンヌ役をマリア・シュナイダーが演じた。物語は退廃的で、ねっとりと絡みつくようなガトー・バルビエリのサックス音楽も絡み合う。脚本的にはまったく面白みはなく、オヤジ目線でマーロン・ブランド演じるポールに感情移入をしてみたが、物悲しさ、人間らしい憐れな性(さが)しか感じられなかった。

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2019 No.22「多十郎殉愛記」

2019 No.22「多十郎殉愛記」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 日本 配給:東映、よしもとクリエイティブ・エージェンシー

幕末の京都が舞台。居酒屋の用心棒でなんとか生計を立てていた主人公の清川多十郎(高良健吾)は、長州藩の脱藩志士であることから、新撰組や見廻り組との抗争に巻き込まれ命を狙われるようになる。同じく巻き込まれた、多十郎に思いを寄せるおとよ(多部未華子)と、兄を頼り京都へやって来た腹違いの弟の数馬(木村了)を守ることにもなり、、、といったストーリー自体はものすごく単純かつ淡々と進む内容で、中島貞夫が監督を務めた。生々しい迫力の殺陣に圧倒され、魅力的な俳優・女優の演技を楽しめるも、脚本・演出がこなれていないせいか単純かつ淡々と進み、登場人物達の背景もさほど描かれていない為、感情移入が出来ず、面白みのない作品であった。殺陣は迫力こそあるも、剣を振り下ろした後、静止せずそのまま惰性で動き続ける感もあり、研ぎ澄まされたようなキレは感じられなかったことも残念。

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2019 No.52「アド・アストラ」

2019 No.52「アド・アストラ」
4点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 米 Ad Astra

地球外生命体の探索に旅立ってから16年後、地球から43億キロ離れた太陽系外縁で消息不明になった父を、同じく宇宙飛行士になった息子が宇宙軍上層部から特命を受けて捜索の旅に出る、という脚本を起こしたジェームズ・グレイ監督が映画化。味のある存在感を発揮するトミー・リー・ジョーンズが父親役を、そして名優ブラッド・ピットがが息子役を演じるのだが、表面的には感情を制御し冷静で従順な軍人でありながらも、困惑・苦悩・怒りの感情を心の内にもつ奥行きのある役を演じたブラピは、天才的!宇宙を舞台にした一般的な作品とは明らかに違う世界観をもつ本作品は、戦争もロマンスもなく、ただ父子の間の情、家族愛を描いている点や、ともすれば単調な映像(展開)である点で、娯楽性に欠けるとも言えるが、ブラピの秀逸な演技は必見の価値あり。「彼方の無だけを見てそばにあるものを見なかった」とのブラピの台詞も強く印象に残った。

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2019 No.51「フリーソロ」

2019 No.51「フリーソロ」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 米 Free Solo

実在のロッククライマーであるアレックス・オノルドが、2017年6月に、米国加州のヨセミテ国立公園にある花崗岩の一枚岩「エル・キャピタン」で、フリーソロ・クライミングに挑戦する。その様子をドキュメンタリー作品として、山岳カメラマンでもあるエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィとジミー・チン夫妻が、同じく山岳ドキュメンタリー作品「MERU メルー(2015年・米)」に続き監督を務め映画化。「フリーソロ」と呼ばれるクライミングは、ロープなど安全装置を使わず、素手とシューズ、チョークバッグのみで、滑落したら間違いなく死亡するようなほぼ垂直に聳え立つ岩壁を登る命懸けのスポーツであり、その臨場感や緊張感を伝えるカメラワークは本作品の醍醐味!第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したのも頷ける。本番のフリーソロ挑戦までに、実際にロープを使って何度も登ったり、ポイントにチョークで印をつけたり、草を抜いてキレイにしたりといった綿密な準備やルートの確定に充分な時間をかけ、クライミング中の体の動かし方をイメージトレーニングするなど、普段見れないものに関心が向く作品であったが、本人や彼を支える人たちの描きこみが少なく、人間ドラマとしてはやや物足りなさも感じた。

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2019 No.23「アベンジャーズ エンドゲーム」

2019 No.23「アベンジャーズ エンドゲーム」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 米 Avengers: Endgame

「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」が中核として据えるシリーズ「アベンジャーズ」の第4作で、引き続きアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が監督を務めた。前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、最強の敵サノスの指パッチンにて、ヒーロー達を含めた全人類の半分を一瞬で消し去られる。サノスを倒して世界や仲間を救う史上最大の戦いの迫力は醍醐味であるとともに、残されたメンバーたちが結集し、ホークアイ、アントマン、キャプテン・マーベルも新たに加わり、豪華共演も楽しめるお祭りエンターテイメントでもあった。アイアンマン=ロバート・ダウニー・Jrをはじめとした俳優陣が、愛する者たちを奪われた喪失感や無力感から這い上がり、絆・友情そして愛の上の犠牲を見事なまでに演じており、3時間超の作品であるも、血の通った人間ドラマにもなっていた。過去のシリーズ作品を見てから本作品に臨めば、大切なヒーローを失う悲しさと集大成としての感動が大きいこと間違いなしのオススメ作品!

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2019 No.50「人間失格 太宰治と3人の女たち」

2019 No.50「人間失格 太宰治と3人の女たち」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:松竹、アスミック・エース

生誕110年を超える人気作家太宰治を小栗旬が、彼をとりまく3人の女性、すなわち妻の美知子を宮沢りえ、「斜陽」を生み出すきっかけとなった愛人の静子を沢尻エリカ、入水自殺を一緒に遂げた愛人の富栄を二階堂ふみが其々演じ、蜷川実花監督が映画化。藤原竜也、高良健吾、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史ら豪華キャストが脇を固め、色鮮やかな映像美と音楽に特徴のある蜷川ワールドで展開。天才肌であるも生活者としては全く自堕落な太宰を小栗旬が好演。R15+の制限があるように、性描写の回数が多く女優陣の脱ぎっぷりも見応えがあったが、ストーリーそのものは、3人の女性を描いたからか、太宰治自身の描き方にもう一つ深堀りがなかったように感じた。青森県内の屈指の大地主で国会議員も擁する実家に生まれたものの、終戦をはさんで経済的に没落していく背景や、学生時代から左翼運動、女性関係、薬中毒で問題を起こしていたこと等に触れておらず伏線が無いことから、本作品中の太宰がどうしてこうにも自堕落なのか分かりにくく、単なるダメダメ男にしか見えないところは、太宰ファンからしたら不満に思うのではないだろうか?私も高校1年生の時に、毎月1冊以上の読書感想文提出という国語授業の課題に乗じて、太宰の主要小説を殆ど全て読破した経験があるが、それら作品を生み出した太宰本人の内面をもっと描いている内容が観たかったのが正直なところ。もう一つは蜷川監督の以前の作品「ヘルタースケルター」にも使われた沢尻エリカだが、私は彼女の演技力は?と思っており、本作品の重要な静子役には違和感があった。静子は「斜陽」創作のきっかけとなった日記を残すほどの才能の持ち主であったようだが、沢尻エリカには申し訳ないけれど知的さを感じない。むしろ二階堂ふみと配役を入れ替えた方が、、、?と個人的には思った。ただ、天才女優二階堂ふみならではで、本作品のラストシーン(入水自殺シーン)の台詞とその表情は秀逸!そりゃ、最後まで「生」に執着した太宰も、あのように言われたら観念するしか、、、(笑)

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2019 No.24「轢き逃げ 最高の最悪な日」

2019 No.24「轢き逃げ 最高の最悪な日」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:東映

俳優・水谷豊がオリジナル脚本を起こし、2作目となる監督として出したもので、水谷の得意とするワールドで真骨頂をみせた感のある作品であった。タイトルの通り、若き女性が轢き逃げされ亡くなる事件から始まる人間ドラマで、ほぼ加害者側の状況や心情の描写から始まり、被害者の両親(水谷豊、檀ふみ)が登場するのは中盤に差し掛かってからという珍しい展開。私は結構すぐに真の悪人(サイコパス的な役)を見抜いたが、クライマックスにかけてミステリー風、サイコスリラー風になっていくも、ラストシーンにみられる加害者の贖罪、被害者遺族のグリーフケアなどの問題を丁寧に扱った脚本・演出に水谷豊の人柄を感じた。中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、岸部一徳らが共演。ロケ地はほぼ全て神戸市内であり、私の母校の建物や、六甲アイランドにあるお気に入りレストラン「feel」や小磯記念美術館が映し出された時にはさすがにテンションが上がった。轢き逃げ現場は東灘区の山手の住宅街で、他にも三宮駅高架下やハンター坂等々よく分かる風景にも楽しませてもらった。

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2019 No.49「ヒンディー・ミディアム」

2019 No.49「ヒンディー・ミディアム」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2017年 印 Hindi Medium 

現代インドのお受験事情を題材に、多種多様の階級、文化、宗教を内包したインド社会の中での経済格差や不平等を風刺した内容で、サケート・チョードリー監督が映画化。イルファン・カーン演じる父親とパキスタンのトップ女優サバー・カマル演じる母親は商売の経営者夫妻でリッチであるも、私立の学校が低所得者層の為に入学の特別枠を設けているという情報から、娘を何としてでも入学させる為、貧民街へ引っ越して低所得者を装い入学の審査に備えるといった不正行為からくる喜劇は笑いを誘う。当然バレルこととなり、隣人から「金持ちは、貧乏人から何でも奪う」と出た言葉は印象的だった。新たな境地を見せてくれたインド映画であるが、子どもの心情などディテールがおざなりになっており、感動するほどの娯楽性には欠けていた。

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2019 No.48「引っ越し大名!」

2019 No.48「引っ越し大名!」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 日本 配給:松竹

土橋章宏の時代小説「引っ越し大名三千里」を、星野源主演、高橋一生、高畑充希の共演、犬童一心監督で映画化。星野源演じる姫路藩書庫番で「カタツムリ」と揶揄された主人公片桐春之介が、「引っ越し奉行」に任じられた後、真心からくる本人の言動や、その春之介を応援する周囲の人たちの中で、徐々に成長していく姿が面白く爽やかに描かれていた。また当時の国替え命令で、どのような影響を受けるのかについて興味深かった。最近の「超高速~」シリーズに似て既視感は否めないものの、笑いやほろっと来るシーンもあり、穏やかに安心して楽しめる作品。心優しくもオラオラ粗野系である侍を、高橋一生が演じたことについては、他に適任キャストがいなかったのかなと、個人的にかなり違和感があった。

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2019 No.25「空母いぶき」

2019 No.25「空母いぶき」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:キノフィルムズ

かわぐちかいじ原作のコミック「空母いぶき」を、西島秀俊と佐々木蔵之介の共演、伊藤和典と長谷川康夫の脚本、若松節朗監督で実写映画化。20XX年、国籍不明の勢力により日本最南端沖の領土の一部が占拠され、海上保安庁の隊員も拘束される事態が発生し、政府が航空機搭載型護衛艦「いぶき」を中心に艦隊を現場に派遣する展開の作品。今日現在のわが国で、憲法9条の改正や「専守防衛」からもう一歩踏み込んだ自衛隊の在り方等が議論されている中で、重いテーマに取り組んだ点や、豪華俳優陣、自衛隊協力の下での迫力ある戦闘シーン等のスケールの大きさは、見応えあり。ただ、自衛隊・政府・マスコミ・一般人といった“4つの視点”で描かれるも、そのどれもが中途半端な掘り下げになっているところ、またリアリティからかけ離れているところが、演出力不足なのか脚本の弱さなのか製作費低予算のせいなのか、も一つ面白さ、娯楽性に欠ける作品であった。

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2019 No.47「記憶にございません!」

2019 No.47「記憶にございません!」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 日本 配給:東宝

三谷幸喜監督による、記憶をなくした総理大臣が主人公の政界コメディ作品。骨となるような題材がない為、脚本が雑である感が否めず、映画作品というより舞台劇コメディといった風情であった。素で恍けれて、温かみを出しながら臭い演技が出来る俳優としては、本作品で主人公の総理大臣を演じた中井貴一の右に出る者はいないだろう。ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、斉藤由貴、木村佳乃、吉田羊、ら豪華キャストが脇を固め、夫々が個性を活かした好演で、キャラがたっており演技そのものは見応えがあった為、笑えて楽しめるシーンも多かった。内容そのものが浮世離れしており、登場人物たちにリアリティもない為、グッと入っての感動は出来なかったが、エンターテイメント性の高い作品としてオススメ!

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2019 No.26「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

2019 No.26「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 米国 Godzilla: King of the Monsters

ハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」(2014)のシリーズ第2作で、前作に続き芹沢博士役の渡辺謙、他カイル・チャンドラー、ベラ・ファーミガ、サリー・ホーキンス、ミリー・ボビー・ブラウンらが共演し、マイケル・ドハティ監督が映画化。モスラ、ラドン、キングギドラら復活した怪獣たちとゴジラが、世界の覇権をかけた戦いを展開し、そのパワーバランスを見極めようとする未確認生物特務機関「モナーク」の人々が奮闘する内容で、迫力十分の怪獣大暴れシーンは文句なくワクワクでき、映画だからこういうものが観れるんだという満足感は高かった。その分、人間ドラマは少々粗々になったり、邦画のゴジラとは趣が違うので「ゴジラはこうであるべき」と違和感あったりと、賛否両論出るかもしれないが、大スクリーンで楽しめること間違いなしのオススメ作品!

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2019 No.46「荒野の誓い」

2019 No.46「荒野の誓い」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2017年 米国 Hostiles 

西部開拓が終焉を迎えるころの米国が舞台。開拓時代のインディアン戦争でネイティブ・アメリカンを多数殺害した英雄ジョー・ブロッカーが、かつての宿敵であるシャイアン族の酋長イエロー・ホークとその家族を故郷に無事に返す大統領命令の任に就き、苦難を乗り越えていく物語をスコット・クーパー監督が映画化。主人公ジョー・ブロッカー大尉演じるクリスチャン・ベールの演技は秀逸。友を多く殺したかつての宿敵を護送する任を引き受ける前の葛藤の中、銃を前に叫ぶシーン(演出上、無音声)や、その宿敵と苦難の旅の中でついに心を通わせ過去を赦す「人としての成長」を言葉少なげに演じるところなど、その存在感の大きさを含めて他に例をみない好演だと思った。ロザムンド・パイク、ウェス・ステューディら共演者の好演も、作品に深みを加えていた。ただ個人的に2点気になったところもあり。一つはロザムンド・パイク演じる未亡人が、夫と子どもをインディアンのある一族に斬殺されて間もないのに、護送中のインディアン酋長とその家族に心を通わせるところに無理を感じたことと、もう一つは、登場人物があまりにも多く死ぬところで、人間同士の殺しの虚しさを演出したかったのだろうが、重要人物の死のインパクトが小さくなるように感じた。

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2019 No.27「キングダム」

2019 No.27「キングダム」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)

2019年 日本 配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

原泰久のコミックを原作として、紀元前245年、中国春秋戦国時代の西方の秦の国を舞台に、そこで戦い生きる人々のドラマを、山崎賢人主演で、佐藤信介監督が実写映画化。吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、高嶋政宏、要潤、大沢たかおらが脇を固め、アクションと演技が音楽に合わせて進行。私は原作コミックを読んだことはないが、悲しみ、憎しみ、喜び、友情、愛情が押し寄せてくるような、スケールの大きさと迫力があり、これぞ映画!というほどの娯楽性の高い内容であった。続編も早く観たい衝動に駆られるオススメの作品!

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2019 No.28「X-MEN:ダーク・フェニックス」

2019 No.28「X-MEN:ダーク・フェニックス」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米国 Dark Phoenix

「X-MEN」シリーズの7作目でラストとも言われる。プロフェッサーXの右腕で優等生のジーン・グレイが、宇宙空間でフレアを浴びる事故のきっかけでダークサイドに転身する役をソフィー・ターナーが前作に続き演じ、長編映画監督デビューのサイモン・キンバーグにより映画化。ジェームズ・マカボイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ジェシカ・チャスティンら豪華キャストも出演し、ヒーロー達がスーパーパワーだけでなく、演技力でもぶつかり合っていた。本作は、アクションの派手さに加え、エモーショナルな人間関係も描いており、特徴をもたせていた。シリーズの他作品との繋がりに矛盾があり、違和感あるも、これもシリーズ・ラストなら許せるか、、、

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2019 No.29「ザ・ファブル」

2019 No.29「ザ・ファブル」
6点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性4点/5点)

2019年 日本 配給:松竹

南勝久原作の同名コミックを、岡田准一主演、渡辺雄介脚本、江口カン監督で実写映画化。私はコミックを読んでおらず、先入観なしで観たが、2017年度講談社漫画賞を受賞しただけあって、エンターテイメント性の高い作品であった。超人的殺人能力を持つ「殺し屋」のファブル(岡田准一)は、育ての親から、今後1年間は「殺し屋稼業」を休業して「普通の人間」として生活するよう命じられる。大阪が舞台で、主演の岡田も大阪生まれであることから、日常生活に悪戦苦闘する姿は様になっていたとも言えるし、演技の質がどちらかというと大袈裟な俳優なので「普通の人を普通に演じる」姿に違和感ありとも言える、なんともユーモア溢れる展開であった。相棒ヨウコを木村文乃、育ての親を佐藤浩市が演じるほか、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理ら艶のある俳優陣が脇を固め、作品に華を添えていた。娯楽性の高い作品として、強くオススメ!

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2019 No.45「タロウのバカ」

2019 No.45「タロウのバカ」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 日本 配給:東京テアトル

大森立嗣が監督・脚本を手がけ、3人の少年の自棄で刹那的な暴力性に満ち満ちた日常を、現代社会の問題も風刺しながら描いた物語。観る前にある程度予想をしていたものの、無力感と苛立ちがヒリヒリと観る者に伝わり、終始いたたまれない気持ちに襲われた。偶然手に入れた1丁の拳銃がもたらした感情の吐露、「好きって何?」と繰り返される台詞、主演3人組の一人で16歳のYOSHIの神がかった演技は物凄かった。彼は、香港人の父と日本人の母をもち、ハイストリートブランド「OFF-WHITE(オフ-ホワイト)」のモデルとして風靡しているようだが、タロウの役は彼の他では務まらなかったであろう。私は俳優としての菅田将暉の大ファンで、期待通りの個性が嵌った演技であったが、彼に負けず劣らずのYOSHIには驚かされた。また計算のうえでの演出だと理解できるのだが、小学生っぽい太っててブサイクな女の子が超音痴で歌い続けるシーンなど、不快指数200%!いやはや、いろいろな意味でとても疲れた鑑賞であった。

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2019 No.30「パージ:エクスペリメント」

2019 No.30「パージ:エクスペリメント」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

2018年 米国 The First Purge

ジェイソン・ブラムとマイケル・ベイの共同製作、ジェラード・マクマリー監督で、「パージ」シリーズの第4作目。1年に一晩、18時から翌朝6時の12時間、殺人を含む全ての犯罪が合法化される法律=「パージ法」が米国で施行されているのだが、本作では、犯罪率を1%以下に抑えて治安回復に寄与させる目的等、「パージ」の原点を描いていた。裏側にある研究者の思惑や、それを利用する政治家の暗躍もさることながら、露になる人間の本性の怖さの演出は、ホラー映画さながらであった。ただ4作目ともなると新鮮味は衰えるものだと感じた。

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2019 No.31「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」

2019 No.31「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米国 Spider-Man: Far From Home

「スパイダーマン ホームカミング」の続編で、「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、スパイダーマンこと高校生ピーター・パーカーの新たな戦いと成長を、引き続きジョン・ワッツ監督が映画化。師匠でもあるアイアンマンことトニー・スタークがピーターに教え、託した“ヒーローの生きざま”が、ピーター・パーカーにどのように受け継がれ、彼がどのように成長していくのかを物語の核としながらも、高校生としての葛藤や恋など、等身大のティーンのドラマとして描かれており、作品の中に馴染みやすい温かさがあった。ピーターをトム・ホランドが新たに演じ、サミュエル・L・ジャクソンやジェイク・ギレンホールらが脇を固めた。ミシェル・“MJ”・ジョーンズ役のゼンデイヤもキュートで、華を添える好演。スパイダーマンというヒーローものというより、ピーター・パーカーの青春ものといった趣であり、それはそれで好感の持てる作品であった。

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2019 No.32「Diner ダイナー」

2019 No.32「Diner ダイナー」
4点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性1点/5点)

2019年 日本 配給:ワーナー・ブラザース映画

平山夢明の小説「ダイナー」を、気鋭の蜷川実花監督が映画化。主人公の元殺し屋天才シェフ、ボンベロ役を藤原竜也、ヒロインのオオバカナコ役を玉城ティナが務めた。窪田正孝、斎藤工、小栗旬、土屋アンナ、奥田瑛二、武田真治、本郷奏多、佐藤江梨子、真琴つばさ、木村佳乃、真矢ミキら豪華キャスト陣が脇を固めた。蜷川実花監督らしく、花弁が散る色とりどりの鮮やかな映像美や、ややドギツイ音楽が特徴であり、藤原竜也の台詞(言葉数)がとても多いのも印象的だった。個人的には美少女玉城ティナのウエイトレス姿、ミニスカートから露出した太ももに目が釘付けに。(男性なら誰でもそうなるであろう)私は原作を見ていないが、キャスティングはどうだったんだろう?本作品に出てくる殺し屋は、どの誰もがあまりキャラがたってなく、つまり怖さとかのオーラもなく、それがこの作品のナンパな趣に繋がっていたと思う。

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2019 No.44「ロケットマン」

2019 No.44「ロケットマン」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

2019年 英・米合作 Rocketman

グラミー賞5度受賞のイギリス出身のミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝を、大ヒット作「ボヘミアン・ラプソディ」で途中から交代して完成させたデクスター・フレッチャー監督、エルトン・ジョン本人の製作総指揮により、タロン・エガートンを主演に迎え映画化。幼少のころから両親に愛されず、また同性愛者であり、孤独と茨の道を歩く中でアルコールやドラッグ依存など堕落した姿も描いているが、そこには被害者意識や自己憐憫の情は無く、自己再生の物語にしていた。「ユア・ソング」や「ロケット・マン」など数々のミュージカルシーンを交えているが、特筆すべきは主演のタロン・エガートンが、全ての歌について吹き替えなしでこなしたことにあろう。エルトン本人と思わせるようなその抜群の歌唱力は、エンターテイメント性を高めていた。「ボヘミアン・ラプソディ」に負けず劣らずの作品としてオススメ。

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2019 No.33「パピヨン」

2019 No.33「パピヨン」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2017年 米・セルビア・モンテネグロ・マルタ合作 Papillon

作家アンリ・シャリエールが無実の罪で投獄された実体験を描いた小説を原作に、1973年製作のオリジナル同名映画をマイケル・ノアー監督がリメイク。オリジナルでスティーブ・マックイーンが演じた主人公パピヨン役をチャーリー・ハナム、ダスティン・ホフマンが演じたドガ役を「ボヘミアン・ラプソディ」でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが夫々好演。金庫破り常習のパピヨンは、身に覚えのない殺人罪で終身刑を言い渡され、刑務所に投獄される。自由を強く渇望し幾度も脱獄を試みるパピヨンと、同じく服役中の偽札づくりの天才ドガが、利害関係から手を組み、やがて固い絆と友情を育んでいく展開なのだが、やはり過酷な強制労働と、横暴な看守たちからゴミのように扱われる日々の中で心折れそうになる姿が印象的。オリジナル作品は未鑑賞であり、名優マックイーンとホフマンの演技を是非観てみたい。

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2019 No.43「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

2019 No.43「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 Once Upon a Time… in Hollywood

クエンティン・タランティーノが監督としての9作目となる本作は、落ち目の俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、彼の専属スタントマンであるクリス・ブース(ブラッド・ピット)の友情を軸に、1969年頃のハリウッドの黄金期の光と闇を描いたもの。この二人は架空の人物であるが、当時気鋭の監督であったロマン・ポランスキーと、その妻で女優のシャロン・テート、スティーヴ・マックィーンやブルース・リーらハリウッドを賑わせていた実在の人物も絡めたフィクションであった。ポランスキー不在時の自宅で、妊娠中のシャロン・テートが殺害された実際の事件や、その背景にあるヒッピー族を利用したカルト教徒の教祖チャールズ・マンソンのこと、ベトナム戦争により若者の間で厭世観が広がっていた米国事情など、予め知識としてもっていないと本作品はチンプンカンプンに。美人女優マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートの可愛くも華やかな描写からは当時のハリウッドの黄金期を髣髴させ、落ち目の俳優とそれを支え励ますスタントマンを好演した主演二人からは、優しさや愛情を感じさせるものがあった。また監督作品の真骨頂ともいえるバイオレンスも健在。ただブルース・リーのイメージをかなり悪くする描写には疑問を呈する。知識を整理のうえ、2回以上鑑賞することをオススメ。

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2019 No.34「トイ・ストーリー4」

2019 No.34「トイ・ストーリー4」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 Toy Story 4

ピクサー・アニメーションの「トイ・ストーリー」シリーズの第4作。ジョシュ・クーリーが長編初監督を務めた。シリーズ3作までですっかり馴染んだおもちゃの世界観が踏襲されるも、本作はウッディに焦点を当て、おもちゃ自身の葛藤や選択・決断、成長の姿を描き、趣を変えていた。ディズニー配給・ピクサー・アニメとしてのエンターテイメント性は高いものであったが、内容や趣は大人向けになっており、小さな子供には深い心情は理解しきれないだろうかと。すなわち、おもちゃ自身が「自我」をもってしまうのだ。持ち主を持たない玩具になることを選ぶ=自らの幸せのために生きる ということを選ぶラストに!このラストについて、受け入れれる、受け入れられないと賛否両論出ると思われる。私個人は、子どもに扱われて輝くおもちゃ自身が、自我に目覚め成長するといった展開に対して、キャラが当然おもちゃであるが故、逆説的に子供っぽい作品に感じてしまった。

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2019 No.42「あなたの名前を呼べたなら」

2019 No.42「あなたの名前を呼べたなら」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2018年 印・仏合作 Sir

印度映画に毎度感じることであるが、実に映画作りが上手く、味わい深くかつ面白い作品が圧倒的に多い。脚本、技術、演出、キャスティングのレベルが高いからだろうが、私個人も印度映画界の研究をしてみたいという欲求がある。さて本作品は、厳しい階級や因習の根深さが残るインドを舞台に、都会のマンションに住む建設会社の御曹司アシュヴィンと、その御曹司宅に住み込みで働く田舎から出てきたメイドのラトナとの淡い想いを描いている。短時間の映画作品でこの設定であると、通常は一方的なシンデレラストーリーになりがちなものであるが、唐突な展開もなく、夫々の立場や想いに、お互いに関心を寄せて温かく接していく内に淡い想いへと発展していく様は、腕利きの女性監督ならではか!本作が長篇作品デビューとなるロヘナ・ゲラ監督は、’73年インド・プネ生まれで、米国スタンフォード大に学び、現在は欧州でも活躍する。主人公ラトナ役のティロタマ・ショーム、御曹司アシュヴィン役のビベーク・ゴーンバルとも表現力豊かに好演。現実では表沙汰になりにくい禁断の恋愛を題材に、愛する相手をどう見つけていくかという普遍のテーマの中で、インド独特の難しい社会もさらりと描いており、別れを選んだ二人がその厳しい現実に抗おうと、ラストシーンでみせる精一杯の勇気と愛情でとる行動と一言が、ほんのりと私たち観客に希望を抱かせる結末は秀逸であった。因みに原題の「Sir」は「旦那様」。

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2019 No.35「天気の子」

2019 No.35「天気の子」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 日本 配給:東宝

「君の名は。」の新海誠監督による長編アニメーション。天候のバランスが狂い地球規模で異変が起きる中、運命に翻弄されながらも意思を貫き、もがき走る少年少女の姿を描いていた。監督が作品発表の場で「賛否両論はあると思うが」と言っていたが、全ての作品で観る者によって感想が分かれるのは当たり前であるも、本作品は特に「否定的に感じる」方も多いかと思った。世間の価値観や周りの視線をまだ強く意識しない世代や、その世代であった頃を思い出せる人、または世間の価値観に抗うタイプの人には響いたであろう。物分かりの良い大人価値観で観れば、作品の展開・内容そのものが幼稚っぽいことも相まって、共感しづらいかも。話題作なので、自身がどう感じるかを試す意味では、機会があればオススメかな。主演二人の声は醍醐虎汰朗と森七菜の新鋭が抜擢され、他に小栗旬、本田翼、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子らが出演。また本作の魅力である音楽は、ロックバンド「RADWIMPS」が担当。主題歌には女性ボーカルとして、女優の三浦透子が参加。作品中の映像美は言うまでもなく魅力大。

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2019 No.36「さらば愛しきアウトロー」

2019 No.36「さらば愛しきアウトロー」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

2018年 米 The Old Man & the Gun

長年にわたり美男俳優として活躍してきた名優ロバート・レッドフォードが、引退作と公言した主演作。1980年代初頭、米国各地で銀行強盗を行い、逮捕と刑務所脱獄を繰り返した実在の人物フォレスト・タッカーの半生をデビッド・ロウリー監督が映画化。所有する銃を使った銀行強盗にもかかわらず、発砲もしなければ暴力も振るわないという非常に紳士的なスタイルを貫き、被害者からも「彼はとても紳士的だった」と言わしめる主人公タッカー役に、レッドフォードの個性が嵌っていたと思う。そのタッカーを追う刑事ジョン・ハント役をケイシー・アフレックが務めた。シシー・スペイセク演じる偶然出会った女性との枯れた恋路も見どころ。公開年のレッドフォードは齢82であるが、気障な男前振りは健在であった。

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2019 No.37「ワイルド・スピード スーパーコンボ」

2019 No.37「ワイルド・スピード スーパーコンボ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 Fast & Furious: Hobbs & Shaw

「ワイルド・スピード」シリーズ9作目となる本作は、ドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスと、ジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウがタッグを組み、かつての敵同士を越えて、テロリストからウィルス兵器を守る戦いに挑む展開。監督はデビッド・リーチ。バネッサ・カービーも華を添え、カーアクションこそ少なかったけれど、コメディタッチの作風で、かつアクションシーンも多く楽しめた。また家族愛のテーマも健在。シリーズの中でスピンオフの位置付けになるが、これはこれで続編につながるようであった。

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2019 No.38「アルキメデスの大戦」

2019 No.38「アルキメデスの大戦」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)

2019年 日本 配給:東宝

終戦手前、沖縄海域で撃沈された戦艦大和の建造を題材にした三田紀房による同名マンガを、今を時めく若手俳優の菅田将暉主演、山崎貴監督で実写映画化。公開前から幾度と見た本作の予告編により、巨大で勇壮な大和が横倒しになり沈没する様が頭に刷り込まれ、この沈没シーンがクライマックスに現れると思い込んでいたところ、冒頭いきなりこのシーンから始まったことには驚かされた。その後は、一般的な戦争映画とは趣向が異なり、軽快かつエンターテイメント性の高い人間ドラマが展開。魅力溢れるドラマを支えたのは、脇を固めた柄本佑、浜辺美波、舘ひろし、國村隼、橋爪功、小日向文世、田中泯ら豪華共演者ら。中でも造船中将役を演じた田中泯の渋く存在感の大きい演技は秀逸であった。「この戦艦を作ってはいけない」との合理的な思考と、大和の設計を美しいと感じて実現させたいという欲求との間で揺れる主人公の心象を上手く描いており、楽しめる作風であった。普段あまり映画鑑賞されない方にもオススメしたい作品。

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2019 No.39「世界の涯ての鼓動」

2019 No.39「世界の涯ての鼓動」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2017年 独・仏・西・米合作 Submergence

M・レッドガードの恋愛サスペンス小説『Submergence』を、美人女優アリシア・ビカンダー、「X-MEN」シリーズのジェームズ・マカボイ主演、巨匠ビム・ベンダース監督により映画化。フランス・ノルマンディーの海辺にあるホテルで偶然出会った二人は、わずか5日間で情熱的な恋に落ちる。生物数学者であるダニー(アリシア・ビカンダー)はグリーンランドの深海に潜り生命の起源を解明する調査へ、英国MI-6の諜報員であるジェームズ(ジェームズ・マカボイ)は南ソマリアに潜入し爆弾テロを阻止する任務へと、二人は別れるのだが、深海での調査船トラブル、テロリストによる拉致・拘束とそれぞれが窮地に立たされる展開。生と死、深海(水)とソマリアの地(土)の対比の中、世界の涯てで互いを想うといった大人の恋愛を、極上の俳優で描いているも、扱う題材をより魅力的にする演出力がもう少し欲しかった。

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2019 No.41 「ライオン・キング」

2019 No.41「ライオン・キング」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019年 米 The Lion King

ディズニー・アニメの名作「ライオン・キング」を、ジョン・ファブロー監督が実写に近いフルCGで映画化。シンバの声をグラミー賞ラッパーのドナルド・グローバーが、幼なじみナラ役をあのビヨンセが夫々担当。2人は歌唱にも参加しており、エルトン・ジョンによる「愛を感じて」の他、数々の名曲が全編を通じて流れ、ミュージカルそのものの趣になっていた。私も含め、以前のアニメ作品で多くの人がストーリーを熟知している中、本作品から得られる感動は個人差が出るものと感じた。ともあれ、映像美と名曲の華やかさには、ディズニー配給ならではの高いエンターテイメント性があった。

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2019 No.40 「火口のふたり」

2019 No.40 「火口のふたり」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2019 日本 ファントム・フィルム

直木賞作家・白石一文の小説「火口のふたり」を、柄本佑と瀧内公美の共演、荒井晴彦監督・脚本で実写映画化。本作品全編は、基本的に共演者二人のみで描き切っている特徴があり、また東日本大震災後の東北を舞台としている。従兄妹同士という背徳感の中で「体の言い分」に正直に従って没入する二人を描いている為、R18の制限が付いているが、「生きるとは」「愛するとは」といったテーマを演技派の二人が見事に演じていた。私は、実は作家白石一文の大ファンで、彼の作品は全て読んでいる。その殆どの作品には、「生と死」や「愛するということ」を深掘りしたテーマがあり、そういう意味で本作品の映画化に大きな興味をもったのだが、映画というエンターテイメント性にはやや不向きな小説であったかなと感じた。

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2017 No.7 「マグニフィセント・セブン」

2017 No.7 「マグニフィセント・セブン」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

2016年 米 The Magnificent Seven

「七人の侍」(1954)と西部開拓時代版としてリメイクした「荒野の七人」(1960)を元にして、本作はデンゼル・ワシントンを主演に迎え、アントワン・フークア監督が再びリメイクして映画化。
他主要な共演者は、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンといった豪華な顔ぶれ!
暴虐の限りを尽くす男に支配された街の中で、ヘイリー・ベネット演じるヒロインが、7人の腕の立つガンマンを雇い、連中との戦いへ突入する展開。
7人の個性的なキャラも魅力的で、実は復讐心を隠していたり、チャラチャラと軽くみえて実は男らしかったり、戦争のトラウマを抱えていたりと、人間臭さも少々描いている。
「七人のマイノリティたちが悪を成敗する」という基本的な構図が明確かつ爽やかで、それでいて銃撃戦の凄まじさ、男の友情の熱さもしっかり表現されていて、なかなかの娯楽大作であった。

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2017 No.6 「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」

2017 No.6 「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2015年 米 Maggie’s Plan

ニューヨークを舞台に三角関係を織りなす男女の結構ドロドロした話であるも、三人の俳優の個性がそれぞれにチャーミングであることも影響してか、ハートフルなコメディ作品であった。
グレタ・ガーウィグ、イーサン・ホーク、ジュリアン・ムーアが共演し、監督は女性のレベッカ・ミラー。
一人の男を巡る、現在妻と元妻の共謀というユニークな展開なのであるが、登場人物3人ともが、浮世離れした個性をもつキャラなので、男性の私からしたら感情移入しがたいものであり、いまいち娯楽性を感じなかった。
むしろ多くの女性にとっては楽しめる脚本ではないだろうか?
映画好きな女性の感想を是非聞いてみたいものである。

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2017 No.5 「アラビアの女王 愛と宿命の日々」

2017 No.5 「アラビアの女王 愛と宿命の日々」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2015年 米・摩洛哥合作 Queen of the Desert

「砂漠の女王」と呼ばれ実在したイギリス人女性ガートルード・ベルの半生を描いた伝記ドラマを、ニコール・キッドマン主演、ベルナー・ヘルツォーク監督により映画化。
20世紀初頭、イギリス鉄鋼王の家庭に生まれ、オックスフォード大学を卒業した上流階級の娘ガートルード・ベル(ニコール・キッドマン)は、上流階級の窮屈さに馴染めず、父の許しを得てイギリスの生活を捨て、元々関心の高かったアラビアへと渡る。
「アラビアのロレンス」で知られるT・E・ロレンスに比べ彼女の知名度は低いが、実際にはロレンスよりも十数年早くアラビアの地に赴き、イラン、ヨルダン、シリアなど約2,500キロにも及ぶ旅を続け、各地の主要な部族と交流して信頼関係を築き、「イラク建国の母」と称されるまでになったようである。
そのような冒険心に満ち、上流階級出ならではの気品に満ちた立ち居振る舞いをキッドマンが好演。
来年にも50歳を迎えるとは思えないほどの、透き通った肌と、吸い込まれるような美貌は健在!
それを拝める上で、本作は価値が高いものの(笑)、苦言を呈せば、あまりにもベタな「少女の初恋か?」と思わざるを得ないような「恋愛」が作品の前半で展開される。
キッドマンの年齢を知っている私にとっては、「そんな年齢で、そんなウブな恋愛に身を焦がされても、、、」とやや興醒めするしかなく、、、(笑)
前半の展開、そして愛する男性との別れ、、、この背景があってこそ、後半のまるで「未亡人」であるかのような彼女の生きる姿勢が、そのまま歴史に残る生き方につながったのかと考えると興味深いものがあった。
ジェームズ・フランコ、ロバート・パティンソン、ダミアン・ルイスらが共演。

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2017 No.4 「ザ・コンサルタント」

2017 No.4 「ザ・コンサルタント」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 The Accountant

表向きは敏腕会計士だが、その実は、世界中の極悪人たちの裏帳簿を仕切り巨額の収入を得、また命中率100%の殺し屋でもある裏の顔をもつ主人公クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)の活躍を描いたサスペンスアクション。
ギャビン・オコナーが監督。
自閉症の人間にありがちで、頭脳的にも肉体的にもテンポ良く繰り出される幾つもの特殊技能に秀でた側面と、自身の自閉症によるコミュニケーション障害に苦悩する側面を、主演のベン・アフレックが見事に好演!
幼少期の体験や親子関係、「生きる」為に鍛錬を重ねた経緯など、展開が進むにつれ明らかになるところも、観ていてすがすがしかった。
ヒロインのデイナ役を演じたアナ・ケンドリックもチャーミングで、恋愛の展開もほどよい感じで差し入れられており、脚本も上手く見応えのあるものであった。
意外と超オススメの一作!

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2017 No.3 「疾風スプリンター」

2017 No.3「疾風スプリンター」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 香港・中国合作 破風TotheFore

私好みのまったくもって、「ベタ」な(笑)青春もの作品。
韓国を中心としたアジア地域の自転車ロードレースの世界を舞台に、プロ選手たちの成功への夢や、ライバルとの友情を軸に、恋愛や自己成長など盛りだくさんの題材を取り入れた贅沢な内容のものであった。
人気K-POPグループ「SUPER JUNIOR」のチェ・シウォンも出演していることからアイドル色の強い面もあり娯楽性も高かった。
ロードバイクの面白さ、そのレースの裏舞台を垣間見れる興味深さ、バイクのスピード感は十分に魅力的に描かれているが、女優の低レベルな演技も影響し、恋愛模様の場面は、見てるこちらがこっぱずかしくなるような拙さが感じられた(笑)

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2017 No.2 「本能寺ホテル」

2017 No.2 「本能寺ホテル」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2017年 日 東宝

今年の2本目の鑑賞になったこの作品は、幅広の人たちにオススメできる娯楽作品であった!
2011年公開の「プリンセス トヨトミ」と同じく、綾瀬はるかと堤真一主演、鈴木雅之監督の組み合わせによるオリジナル脚本の歴史ミステリー。
奇想天外な設定であるも、本能寺ホテルのエレベーターで、戦国時代“本能寺の変”の前日にタイムスリップし、しかも舞台はまさしく“本能寺”!
信長演じる堤真一のダンディぶりは今や絶好調!
顔はともかく!?デカパイの綾瀬はるかをやたらと走らせるサービスシーンもしっかりと(笑)まさに“胸”が走っているかのような( ̄▽ ̄)
森蘭丸役を演じた濱田岳もまだまだ勢い衰えず!
個人的にぬぬぬぬぬ、、、と唸ったのは、謀反を起こした水色桔梗の光秀を打ち破った秀吉の大返し!
史実としても、中国の毛利攻めに苦しんでいた秀吉が、どうして大軍を速やかに京に戻し、光秀をすぐさま打ち滅ぼせたのかが謎とされているが、本作の脚本では「なるほど~~~」とニヤリとさせられる仕掛けが用意されている。
そのシーンは間違っても居眠りで見過ごさないように(笑)
この作品、ハラハラドキドキの歴史サスペンスの要素とクスクス笑えるようなコメディの要素とを背中合わせにした娯楽性の高い仕上がりになっている上に、なんと現代若者を励ますかのような「自分は何をやりたいの?」といった「自分探し」のテーマをしっかり描いてもおり、脚本の上手さには感心させられた。

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2017 No.1 「MERU メルー」

2017 No.1 「MERU メルー」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2015年 米 Meru

遅い映画始めになった今年1番目の観賞作品は、期待した以上に美しく臨場感のある映像、のめり込むのに十分なストーリー構成と、非常に秀作であった!
「世界一の壁」とも言われ、多くの一流クライマーの登頂を阻んできたヒマラヤ・メルー峰シャークスフィン(標高6,500m)が舞台。
なんとノンフィクションであり、登頂チャレンジの一部始終を記録したドキュメンタリー作品だったのだ!
とはいえ、狂人とも思えるクライマー達の熱い志や執念、人間ドラマも描けており、たいへん見応えのあるものでもあった。
昨年は「エベレスト」を舞台とした洋画及び邦画の作品が公開されたが、それらとはまた違った趣きの作風。
本作の監督を務めたのは、「ナショナル・ジオグラフィック」の山岳カメラマンであるジミー・チン。
彼もまた本作の中で登頂をチャレンジした3人の一人であり、彼が小型カメラで記録した映像は圧巻であった。

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2016 No.150 「バイオハザード ザ・ファイナル」

2016 No.150 「バイオハザード ザ・ファイナル」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 Resident Evil: The Final Chapter

「バイオハザード」シリーズの最終作を、お馴染みミラ・ジョボビッチ主演で、彼女の夫ポール・W・S・アンダーソン監督が映画化。
人類最後の希望となったアリスが、全ての始まりの場所であるラクーンシティのハイブへ戻り、アンブレラ社との最終決戦を迎える展開。
前半は、ドキッと飛び上がらんばかりのお約束の恐怖とスリルが味わえ、後半はスピード感・リズム感の程よいアクションの連続。
シリーズ通してのことであるが、心情の機微の表現はそこそこであるも、ジョボビッチのしなやかなアクションを初め、その暗めの独特な世界観は娯楽性の高いものであった。
シリーズ当初からの伏線を混ぜながら、謎が解けていくのはちょうどパズルの完成のような趣もあり、感慨深いものであった。
話題の「ローラ」には、活躍をあまり期待しないよう(笑)
本当にシリーズがこれで終わるのかと思うと寂しいものである、、、

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2016 No.149 「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」

2016 No.149 「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 Rogue One: A Star Wars Story

「スター・ウォーズ」シリーズの「エピソード3 シスの復讐」と「エピソード4 新たなる希望」との間の時代を背景に、シリーズ初のスピンオフ作品としてギャレス・エドワーズ監督が映画化。
恐怖をも利用し覇権を狙う帝国軍の最終兵器「デス・スター」の設計図奪還に挑む、反乱軍の戦闘部隊『ローグワン』の決死の姿を描いたもの。
設計図奪取というミッション遂行のアクションは、ファンタジックな要素を抑え、戦闘そのものや大義のための殉死を追求するスタイルで、「スター・ウォーズ」らしい興奮を感じれるところが本作の魅力であった!
勿論、ラスト近くのシーンで圧倒的な存在感を発揮するベイダーや、奪取した設計書データを受け取る「彼女」の登場に興奮マックス!
『アメイジング・スパイダーマン2』(2014年)や『博士と彼女のセオリー』(2014年)で有名になった主人公役のフェリシティ・ジョーンズをはじめ、共演者たちの戦う姿は、地味目であるもはまっていたと感じた。

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2016 No.148 「土竜の唄 香港狂騒曲」

2016 No.148 「土竜の唄 香港狂騒曲」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 東宝

高橋のぼるのコミック「土竜の唄」を実写映画化した「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」(2014)の続編を、生田斗真主演で三池崇史監督が映画化。
前作は斬新さも面白さも感じたのだが、今回はドタバタ騒動のレベルや、人間ドラマの要素低下で、かなりつまらなくなっていた。
新たに起用されたチャイニーズマフィアのヒットマン役の菜々緒の奮闘ぶりは良かったが、どの作品においても演技力のなさが目立つ本田翼は今回もダメ。
コミックは面白いのだから、実写映画化の場合は特に心して演技派俳優を使わないと、期待外れになること必至、、、
三池崇史監督に反省を促したい(笑)

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2016 No.147 「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」

2016 No.147 「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 蘭 Ants on a Shrimp

料理界をフランスのみが席巻する時代は去り、その地、その国の文化・素材を活かしての創造に富んだ料理が世界中に生まれてくるようになった今日、世界NO.1に4度輝いたデンマーク、コペンハーゲンの人気レストラン「NOMA(ノーマ)」を取り上げたのが本作!
2015年1月~2月の期間限定にて、マンダリン オリエンタル東京で「NOMA(ノーマ)」が出店したのであるが、そのオープンするまでの、食材探しやメニュー開発の舞台裏にカメラが密着したドキュメンタリー映画。
リーダーで天才シェフ レネ・レゼピの哲学ともいえる拘りの姿勢や、彼の姿勢に共鳴しながら必死に奔走するスタッフたちの姿から、緊張感と興奮を覚える作品になっていた。
デンマークの本店で成功を収めたにも関わらず、同じメニューとはせず、日本の食材に拘り、創造性に富んだ新レシピに取り組む姿勢や、生のエビに蟻を合わせたり熟れていないイチゴを使ったりの料理、芸術品のような盛りつけ等、まさに目を楽しませてくれるご馳走のようであった。

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2016 No.146 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

2016 No.146 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝

七月隆文の同名小説を、福士蒼汰と小松菜奈を主演に、東出昌大を親友役に迎え、数々の青春ラブストーリーを世に送り出した脚本家の吉田智子と三木孝浩監督が実写映画化。
私は原作を読んでいないが、元々青春ラブストーリーは大好きなジャンルであり、また本作は愛する京都の名所各地をロケしているとの前情報から楽しみにして観に行った。
先に読んだ小説から得た感動は、後から観る映画(映像)ではその大きさを中々越えられない場合が多いが、本作に関してはもしかしたら、小説をしっかり読んだ後の感動よりも、映画(映像)で感覚的に得る感動の方が大きいかもしれないと思った。
それは、話の設定が少々理解しづらく、主人公の男性と女性のそれぞれの時間の進み方が逆、すなわち男性の未来が、実は相対する女性にとっては過去であるという設定で(これ以上詳しく書くとネタバレになるので、、、)、小説ではもしかしたら、その辺りの事情を頭の中で整理してしまい、本来大きく感動する気持ちを、状況を把握する冷静さによって抑えてしまうのではないかと想像するからだ。
映画でも少し冷静になって状況を整理すると、時々「あれっ?」っと感じることもあったが、途中から「その辺りのことは適当でいいな。それより、切ない感情や掛け替えのない時間を大切にする二人の心情に移入した方が楽しめるな」と割り切った結果、感動して映画館を後にすることが出来た。
また世の感想を見ると、原作をご覧になった方にとっては、本作のキャストに違和感があるとの意見も多いようであるが、私は、今回の福士蒼汰と小松菜奈の細かな心情を上手に表現した演技はとても良かったと思う。
また親友でいい奴を演じた東出昌大も、いい味を出していた。
楽しみにしていた京都各地でのロケ風景、京都精華大学、華頂短期大学、鴨川の三条大橋、鴨川デルタ、三条大宮公園、伏見稲荷大社、下鴨神社、宝ヶ池公園、宝ヶ池駅、、、等、若者たちの情緒に沿う美しいものであった。

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2016 No.145「弁護人」

2016 No.145「弁護人」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2013年 韓 The Attorney

本作は、青年弁護士時代の盧 武鉉(ノ・ムヒョン)韓国元大統領(第16代目:2003年-2008年)が担当した釜林(プリム)事件を題材にして、実力派人気俳優ソン・ガンホを主人公役に迎え、ヤン・ウソク監督が映画化。
青年たちが不当に逮捕され人権を踏みにじられる事件を担当したことをきっかけに、元々不動産や税務を得意として稼いでいた主人公の弁護士ソン・ウソク(ソン・ガンホ)が、その理不尽な国家権力に対して戦う弁護士に転身する姿を描いている。
人権や国家の在り方を考えさせられる社会派ドラマであり、また同時に、主人公の奮闘ぶりが熱く描かれた見応えあるヒューマンドラマでもあり、少々ストーリー展開が粗いものの、たいへん娯楽性の高い作品であった。
作品鑑賞にR指定の制限はないものの、韓国映画の得意とするところか、拷問シーン等の暴力描写は迫力があった。
不当逮捕され拷問を受ける青年の一人を、k-pop界のアイドルグループ「ZE:A」のイム・シワンが好演。
ストーリー展開は、きれいな「起承転結」の構成かと思いきや、ラストでもう一度「転結」があり、大きな感動を呼び起こす上手い演出であり、そのラストシーンは、私も観たことがないタイプであったが、館内を一気に泣かせた。
現在の韓国では、朴大統領の弾劾騒動が旬であるが、この作品は韓国で2013年に公開され、2014年にかけての2年間の間に1,100万人の観客を呼び、大ヒット作になったようだ。
ちょうど朴政権下、不法逮捕や拷問等のような手荒いものはなかったものの、合法的手段でさまざまな統制と抑圧を行った背景があり、国民の民主主義に対する危機感や政権に対する失望感が大きくなったところで、本作が多くの国民に響いたのかもしれない、、、
隣国韓国の事情が垣間見える、そんな作品であった。

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2016 No.144 「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」

2016 No.144 「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2015年 米 Freeheld

第80回アカデミー賞で短編ドキュメンタリー映画賞を受賞した実話「フリーヘルド」(2007年)を元に、ゲイを公表したロン・ナイスワーナーが脚本を務め、ピーター・ソレット監督が長編映画化。
「アリスのままで」(2014年)の主演で、第87回アカデミー賞の主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーアが、本作では末期ガンにより余命僅かの中、自分が亡くなった後で同性のパートナーが遺族年金を受け取れるように権利を求めて闘う姿を熱演していた。
難病患者のなりきり役が続いた訳だが、衰弱していく様の演技は圧巻。
本作への参加を機にレズビアンであることを公表したエレン・ペイジ(同性パートナーのステイシー役)と共に、心のこもった演技であった。
LGBTの社会的問題を背景に、多種多様な価値観を認めてもらい権利の平等を求めるテーマに並行して、どのようにその人らしく生きていくか、守るべき大切なものは何かといった「愛」も大きなテーマとして描かれており、爽やかな感動を受ける作品であった。
ストーリー展開は、平凡なものであったが、共演のマイケル・シャノン、スティーブ・カレルを含め、俳優たちの好演が娯楽性を高めていた。

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2016 No.143「海賊とよばれた男」

2016 No.143「海賊とよばれた男」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)
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2016年 日 東宝

最高!最高!最高!最高!最高!
最近観た中で、私は最も感動した作品。
こんな作品を映画館で是非観てみたいという、個人的に好む要素を多く含んだ、これぞ!という作品であった。
私は12月10日の初日に観たこともあり、翌日の今、世間の評判を眺めてみると、2013年度本屋大賞第1位を獲得した百田尚樹氏のベストセラーを映画化しただけあり、多くの方が原作を読んだ上で鑑賞しており、概ねが「本で感動したことに比べ、物足りない、、、残念だ」「描き切れていない、、、」などネガティブなものが多かった。
それはそうであろう。
私は原作を読まず、映画館での予告編情報しかなく、かの石油業界大手・出光興産創業者・出光佐三氏をモデルにしての、あの時代の中での生き様を描いたものだという事前知識くらいで鑑賞したのであるが、145分があっという間に過ぎた。
確かに、主人公を含め、周囲の仲間たち一人ひとりの人間の掘り下げ方や、背景と心情の深堀りが十分でないとは感じる。
少なくとも2部構成にしても良かったんではないかという意見もあるようで、ヒット小説の映画化では避けて通れない宿命とも思うし、または小説で我々に与える感動について映画では中々それを越えられないとも思う。
もしこれから映画館で観ようと予定される方は、原作をまだ読んでいなくても、むしろ慌てず、読まずに鑑賞された方がいいかもしれない。
全然問題ないと思うし、鑑賞後に再びより感動することを期待して本をとることでいいかもしれない。
出光興産をモデルにした國岡商店の店主、すなわち出光の創業者出光佐三氏をモデルにした國岡鐵造を岡田准一が演じ、「永遠の0」(2013年)と同様、山崎貴監督が映画化。
戦前から戦中、そして戦後の急速な復興の時代を背景に、また「日本は石油を絶たれ、石油を求めて仕掛けた戦争に敗れ、そして戦敗国として石油業界の覇権を戦勝国群(メジャー)に牛耳られ、、、」という中で、日本という国を想い、そして我が家のような國岡商店をそして家族のような國岡商店の店員たちをいかに未来へ繋げていくかという強い情熱をもった主人公國岡鐵造とその仲間たちを熱く描いていた。
泥臭いというか油臭い(笑)体育会系的な「熱」をまざまざと感じ、再興に向けた情熱、紆余曲折する現況を打開するべく策を練りトライする知略と、人間ドラマを堪能できるものであり、また出光興産の歴史で実際にあった「日章丸事件」(1953年)にちなみ本作でもタンカー「日承丸」でイランに買付にいきメジャー支配に挑戦するといったドラマでは不可能なスペクタルな展開にも胸を躍らされた。
吉岡秀隆、染谷将太、綾瀬はるか、堤真一、近藤正臣、國村隼、小林薫ら演技派豪華キャストも共演し、壮大かつ娯楽性の高い作品で、映画館を出る時もしばらく心の震えが収まらなかった。

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2016 No.142「古都」

2016 No.142「古都」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 DLE

川端康成の同名小説を現代風にアレンジし、京都そのものや、歴史を重ねてきた文化・伝統の素敵さ、日本人の慣習や気質の素晴らしさを堪能できるドラマとして、新鋭のYuki Saito監督が映画化。
新山詩織が歌うエンディング曲「糸」のように、縦にも横にも紡がれるようなドラマ展開で、京都とフランス・パリの二つの古都、生き別れた双子の姉妹のそれぞれの人生、二組の親子と、上手く対比的に演出していた。
限られた約2時間の中で、それほど難しく深く掘り下げてはいなかったものの、文化や伝統を守っていく難しさ、親子間の情、若者の葛藤など人間ドラマがしっかり描かれており、また京都の町家、寺、桂川(保津川)をはじめとした素敵な景観も多く映し出され、またパリロケでのセーヌ川や街並みも対比的に挿入され、見応えがあった。
京都室町に先祖代々続く老舗の佐田呉服店女主人・千重子と、北山杉の里で林業を営んでいる苗子の二役を演じた松雪泰子の魅力も大きく、齢44で佐賀県出身であるが、生粋の京都人のような雰囲気を醸し出し、京都弁も自然で、たいへん良かった。
私の周囲では、生粋の大阪人であるにも関わらず「~~してはります」など妙に上品ぶる女性もおり、聞くにつれ文字として見るにつれこちらの調子も悪くなりがちだが(爆)、松雪泰子のは心地よかった。
やはり美女だからなのか?(爆)
松雪泰子が二役で演じた双子姉妹の、それぞれの娘に扮したキャスティングも良く、就職活動の中で生き方を迷う役の橋本愛と、美術を学ぶためフランスに留学するも自分の才能に自信をもてなくなる役の成海璃子であるが、なかなかの好演であった。
脇を固めた伊原剛志、奥田瑛二も渋く、千重子の夫役の伊原剛志が語った「京都の人間は、本物に囲まれているから目だけは肥えている。せやけど、自分で何ができる?、何がしたい? それが分からんようになる、、、」が印象的であった。
オススメの一作。

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2016 No.141 「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」

2016 No.141 「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 英 Florence Foster Jenkins

幾度もオスカー受賞した名女優メリル・ストリープだからこそ演じきれたであろう本作は、無類の音痴でありながらも人気を博した実在のソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンスの魅力や、彼女を支えた周囲の人たちとの温かい交流を描いたもので、スティーブン・フリアーズ監督が映画化。
本作の舞台は第二次世界大戦中の米国。
勝利がみえてきつつも厭世感や疲弊感に包まれた当時の米国社会だったからこそ、音程もリズムもなく、限られた声域しか出ないという全くの常識外れな歌唱であるも、歌への情熱や純真さを前面に出す彼女の姿に、民衆は癒しや元気をもらっていたのかと思う。
フローレンスを献身的に支えた内縁の夫シンクレアは、恐らく初めは財産目当てで彼女に近づいたのであろうが、長年彼女を支え、数々の批判の盾にもなり、愛情と良心をもって守り抜く、彼女にとって掛け替えのない男性へと変わっていくのであるが、名優ヒュー・グラントがこれらを絶妙に演じていた。
また、ピアノ伴奏で彼女の歌唱を支えたコズメを演じたサイモン・ヘルバークも、魅力たっぷりの演技をみせていた。
1944年10月25日、76歳のフローレンスはカーネギー・ホールの大舞台で熱唱するのであるが、本作もそこをクライマックスにもってきており、見応えは十分!
恐ろしくも音痴な歌いぶりを実現するため(笑)メリル・ストリープはかなりの努力とレッスンを積んだようであり、「歌」としては聴くに耐えられないくらいの酷いものであるが(笑)、そのパフォーマンスは圧巻!
実際のフローレンスは、その大舞台での公演の1ヵ月後、マンハッタンにあるホテルで亡くなったそうだが、幸せな人生であったかも、、、

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2016 No.140 「RANMARU 神の舌を持つ男」

2016 No.140 「RANMARU 神の舌を持つ男」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 東宝

堤幸彦監督ならではの独特のワールドの作品。
よほどの堤ファンでないと笑えないかも、、、(苦笑)
そういうことを理解して覚悟して(笑)観にいったのだが撃沈され、、、(苦笑)
「絶対舌感」という特殊能力を持つ主人公の朝永蘭丸をイケメン俳優向井理が演じるのだが、これがそもそもどうよ?
前髪下して丸眼鏡でペ・ヨンジュンの出来損ないみたいな幼顔の彼が、ペロッと舌を出してみせる姿を、果たして世間は望んでいるのか?
その姿や顔を可愛いという方もいるであろうが、後で調べてみるとTVドラマでのこのシリーズは低視聴率続きで、打ち切りかと思わせる早めの幕引きとのことではないか!
コミカル・ミステリーとしているようであるが、堤ワールド好きの方でないと、何がなんやら?の意見も非常に多いかと思う、、、
共演者は、木村文乃、佐藤二朗、木村多江、市原隼人らであり、私は木村文乃が結構好きであるが、本作での役はなかなかもってキツイ?役だな(苦笑)

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2016 No.139 「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

2016 No.139 「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
4点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 Fantastic Beasts and Where to Find Them

魔法動物が奇想天外な騒動を起こすファンタジーの世界と、魅力溢れる登場人物から、情緒豊かな趣で観る者を引き込む作品を、「ハリー・ポッター」シリーズの後継シリーズとして、デビッド・イェーツ監督が映画化。
未知の幻獣や魔法動物を求めて世界を旅する魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が繰り広げる冒険を描いたものであるが、ストーリーとしては特筆するようなものは無く平凡そのもので、疲れ気味の私は1回目の観賞で三分の一ほど寝てしまった。
全てを観ていない中での感想は作品に失礼であるし、ラスト30分の中で味わえるワクワク感と、ほっこりとする気持ちの良い着地が印象に残ったこともあり、個人的に一番苦手なジャンルの映画であるも、珍しく2回目の観賞に臨み、今度は一睡もせずしっかりと見届けてきた。
やはり斬新さはなく、ストーリーそのもので大人を感動させるほどのものではないと改めて感じたが、CG技術の高さと、主要な役の4人の大人の男女のキャラがたいへん良く、情緒あふれる世界観を出しており、そういう部分で娯楽性は高かった。
「博士と彼女のセオリー」でオスカー受賞のエディ・レッドメインは、うつむき加減でNY摩天楼をキョロキョロと見たり、魔法動物に接するときに慈愛に満ちた表情を見せたりと、オタクっぽさや純真無垢な少年の雰囲気も出して、これからも愛されるであろう魅力的な役を好演していた。
ヒロイン役のキャサリン・ウォーターストンをはじめ、コリン・ファレル、エズラ・ミラー、サマンサ・モートンらの共演者も、実社会を不器用に生きる大人を魅力的に演じており、作品の中に入り込んで応援したくもなり、ラストシーンではほっこりとした気持ちになれた。
そのような作品、、、

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2016 No.138 「ブルーに生まれついて」

2016 No.138 「ブルーに生まれついて」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米・加・英合作 Born to Be Blue

1950年代の黒人ミュージシャンが主流だった米国ジャズ界で、“ジャズ界のジェームズ・ディーン”と呼ばれた白人のトランペット奏者兼ボーカリストのチェット・ベイカー(イーサン・ホーク)の半生を、ロバート・バドロー監督が映画化。
栄光の時代の回想に始まり、麻薬常習で刑に処された日々から自伝映画に出演する機に復活かと思いきや、金銭トラブルから麻薬の売人に暴行を受けて顎を砕かれ前歯を全て失い、ミュージシャンとして終わってしまうのかというところからドラマは展開。
黒人の彼女ジェーン(カルメン・イジョゴ)の献身的な支えもあり、奇跡的なカムバックを遂げるまでの日々を、哀愁たっぷりに描いていた。
主演イーサン・ホークは本作出演のため半年におよぶトランペットの集中トレーニングを受けたようで、本人による演奏シーンも多く、見応えがあった。
またチェット・ベイカーの代表曲「マイ・ファニー・バレンタイン」で、ソフトな歌声も披露していた。
共演のカルメン・イジョゴの情緒溢れる好演もあり、娯楽性の高い作品であった。
実在したチェット・ベイカーは、奇跡のカムバック後その恋人を裏切り、再び麻薬に依存しながらジャズ界の表舞台に出ていったようである。
その人間性は、自己中心的で自堕落で精神的に弱いものであるだろうが、ひたむきに音楽を愛し、音楽で自己を表現し高めることへ執着する姿には哀愁めいた魅力があり、本作はそれらを十分に表現していた。

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2016 No.137 「疾風ロンド」

2016 No.137 「疾風ロンド」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東映

東野圭吾の同名サスペンス小説を、阿部寛主演で吉田照幸監督が映画化。
私は原作小説を読んでいないが、本作品の脚本はたいして面白くなかったのが正直なところ。
大学の研究所から違法な生物兵器が盗まれ、研究所所長のもとに「3億円を用意しろ」との脅迫メールが届く。
その盗まれた生物兵器を秘密裏に探すよう命じられた研究主任の栗林(阿部寛)のドタバタ騒動が始まる展開。
スタントマンがやっているのだろうが、スキーやスノボで、スピード上げて滑降するシーンは見応えがあったものの、展開にはあまりひねりもなく、軽いタッチの騒動劇レベルに映った。
ただ阿部寛の演技は定評通りで、共演の大島優子や関ジャニ∞の大倉忠義も好演しており、娯楽性は高めていた。、

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2016 No.136 「胸騒ぎのシチリア」

2016 No.136 「胸騒ぎのシチリア」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 伊・仏合作 A Bigger Splash

アラン・ドロン主演の「太陽が知っている」(1968年・仏)のリメイク版として、本作ではシチリアのパンテッレリーア島を舞台に、4人の男女の嫉妬や猜疑心、駆け引きを織り込んだ人間ドラマをルカ・グァダニーノ監督が映画化。
女性ロックスターのマリアン(ティルダ・スウィントン)は、痛めた声帯を治療した後の療養バカンスで、年下の恋人ポール(マティアス・スーナールツ)と、まったりと過ごしていた。
そのマリアンに復縁を迫る為、元彼のハリー(レイフ・ファインズ)が娘ペン(ダコタ・ジョンソン)を連れて、バカンス中の二人のところに押しかけてくることからドラマが展開。
今回劇場へ足を運ぶ前から、映画館での予告編や、リーフレット等での前情報で、俄然期待が大きくなっていたのだが、、、満足な部分より、不満に思った方が大きく、残念な気分が勝って、帰路につくことに、、、
まずは満足な部分(笑)だが、若い娘ペン役のダコタ・ジョンソンの魅力!
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(2015年・米)で女子大生アナ役をセクシーに務めた彼女は、本作でもヌードを披露し、エロチシズムを発揮しており見応えがあった(笑)
その満足感を打ち消してしまうほど、ドラマの展開はテンポが悪く、心情の機微の深堀りも足らず、間延び感を否めなかった。
更に主演マリアン役のティルダ・スウィントンであるが、かなり個性的な顔立ちとオーラの為、好みが分かれる気がするのだが、「二人の男が取り合うほどの魅力なのか?」と個人的には思う。
長身かつスリムなので、ブランド衣装を纏う姿は映えていた。
昔は、男中心の時代=アラン・ドロンを軸に展開していたものが、今は時代が変化し、女性中心の時代。
それ故に、主演には、絶対的かつマジョリティに支持される魅力大きい女優を使って欲しかった。

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2016 No.135 「溺れるナイフ」

2016 No.135 「溺れるナイフ」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 ギャガ

ジョージ朝倉の同名少女コミックを、小松菜奈と菅田将暉の旬の若手俳優を迎え、山戸結希監督が実写映画化。
東京で雑誌モデルをしていた中学生の夏芽(小松菜奈)は、父親が実家の家業を継ぐにあたり、田舎町に引っ越してくる。
周囲とは違う美しさをもつ彼女と、地元を仕切る神主一族の息子で不思議な魅力をもつコウ(菅田将暉)とが惹かれあうところから物語は展開。
この二人の俳優のキャスティングは良かったと思うし、魅力的な演技であった。
ところがである!
脚本、演出、カメラワーク・カメラアングルとどれもがあまりにも拙いのである!
言い換えれば「映画作りが下手!」
私はコミックを読んでいないが、恐らく一般的な青春ラブストーリーや少女コミックとは少し一線を画した魅力があるのだと推察するが、本作ではそれが十分に表現されていない気がしてならなかった。
意見が分かれるかもしれないが、作中の挿入歌やBGMも、その殆どが作品の世界観とかけ離れていたように感じたし、やたらと音が大きく台詞もが聞きづらくなるといった顛末であった、、、

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2016 No.134 「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」

2016 No.134 「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 英・米合作 Genius

20世紀初期のアメリカが舞台で、「天使よ故郷を見よ」の代表作を残した偉大な米国人小説家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)と、アメリカ文学の名作を数多く手がけた名編集者マックス・パーキンズ(コリン・ファース)の、複雑で屈曲に満ちた友情の実話を、マイケル・グランデージ監督が映画化。
野性味と純真さを併せ持ち、病気により37歳で生涯を閉じたトマス・ウルフをジュード・ロウがのびのびと演じており、その彼を温かくも堅物の父親のように支えるマックス・パーキンズ役のコリン・ファースと共に、その絶妙なキャスティングが本作の魅力・娯楽性を高めていた!
更にウルフのパトロン兼愛人であったアリーン役のニコール・キッドマンは、私の大好きな女優の一人であるが、間もなく50歳を迎えるとは思えない美しさと妖艶さを相変わらず発揮していた。
本作では若き天才を育て愛することで自身の生きる喜びをみる、少し狂気の交じった執着と愛情をみせる役であり、彼女の持つ美しい怖さの魅力は十分であった。
主要な役の3人ともが、俳優自身の本来の魅力・キャラと相まっており、人間の感情の展開を楽しめる作品であった。
多くの映画館で上映されていないのが不思議なのだが、かなりオススメの一作である!

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2016 No.133 「聖の青春」

2016 No.133 「聖の青春」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 KADOKAWA

幼少の頃から腎ネフローゼという難病と闘いながらプロ棋士となり、命を削りながらも将棋を指し、羽生善治(当時7冠)との対戦での勝利に執着した村山聖(サトシ)の、29歳で閉じた壮絶な一生を描いた大崎善生による同名小説を、森義隆が映画化。
短い生涯であることが分かっており脚本自体にそれほどの娯楽性はないものの、本作品の魅力は俳優の役作り!
羽生役の東出昌大の好演もあったが、何と言っても主演の松山ケンイチの役作りは目を見張るものがあった!
今回は体重を20キロほど増量し、実在した村山聖の雰囲気に近づけていた。
「将棋界でトップになりたい!名人になりたい!強い羽生善治に勝ちたい!」といったプロ意識の強さや、「恋愛して結婚して家族をつくりたい」といった病気で叶わない中での呻きが、その渾身の役作りの中で強く現れており、見応えはあった。
染谷将太、柄本時生、筒井道隆、竹下景子、リリー・フランキーら演技派俳優が脇を固めていた。

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2016 No.132 「ぼくのおじさん」

2016 No.132 「ぼくのおじさん」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東映

かの北杜夫が自分をモデルに書いた小学生向けユーモア小説を原作に、山下敦弘監督が映画化。
公開前の予告編情報から、なんてゆるそうな作風なのだろう、、、大スクリーンでわざわざ観る価値あるのか?とイメージを持ったものの、個性派実力俳優で大ファンの松田龍平が主演で、これまた我らがよう子ちゃあ~~~~~ん\(^o^)/の真木よう子が出演するとあって、私は当然ながら映画館に足を運んだ。
週末ではあるも、東地方の田舎映画館のレイトショータイム、本作のような地味目な作品にお金を払ったのは私一人、、、
そう一人貸切状態の観賞となったのだが、幸いにも終始クスクスケラケラ笑いながら110分を楽しめた(笑)
期待以上にめちゃめちゃ面白かったのだ!
この題名にもなっている「おじさん」という人物はというと、、、
大学の臨時講師として1週間に1コマのみ学生に哲学を教えているが、独身でカネも甲斐性もなく、実兄の家族のところで居候している。
ケチでぐうたら、子供っぽいくせに素直でなくずるく、理屈をこねたり平気で嘘をついたりと、プライド高く見栄も張るといった酷いレベルのダメダメ大人。
このおじさんを、無表情で力の抜けた演技の松田龍平が恐ろしく嵌っていたのがまず面白い!
それに加え、このおじさんのことを題材に作文を書いている相棒のような小学生の甥(実兄の子)春山雪男を演じた大西利空の好演が絶品級!
まったくどうしようもないおじさんに、いつも「やれやれ」と呆れながらツッコむ間合いや、軽蔑しながらも愛情を感じさせる演技がすごい!
さてそんなおじさんに見合い話が持ち上がり、そこで出会うハワイの日系4世の美女・稲葉エリー(注:よく登場する「エロ姐」のことではない)に一目ぼれし、ハワイへ追いかけていく展開。
このエリー(注:よく登場する「エロ姐」のことではない)を演じる真木よう子ちゃんの可愛いことっといったら、、、(笑)
大スクリーンで観るのは確かに贅沢かもしれないが、笑えてほっこりとしたいならば、この作品だな(笑)

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2016 No.131 「この世界の片隅に」

2016 No.131 「この世界の片隅に」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東京テアトル

太平洋戦争前から戦中、戦後間もなくの時代の広島市と呉市を舞台に、前向きに生きる主人公すずと周囲の人たちの日常生活を描いたこうの史代の同名コミックを片渕須直監督がアニメーション映画化。
今年もアニメーション映画を数本観たが、本作も本当に秀作であった!
美術や音楽の演出でその時代の息吹が感じられ、今回主人公すず役の声を務めた「のん」の雰囲気が実に嵌っており、観ている私が主人公すずとともに当時の時代を一緒に過ごしている感じであった。
鑑賞後に知ったのだが、事務所独立騒動やら洗脳問題やらの問題でもしや引退?とまで囁かれた能年玲奈(本名=芸名)が、今年7月に芸名を「のん」に改め再出発したとのこと。
天然キャライメージの彼女が、本作で明るく天然キャラのすず役を得れたのは良かったではないか!
私はコミックを読んではいないが、大賞を受賞したようであり、やはり素晴らしい内容のものであろう!
本作も戦争背景ではあるも、悲惨さをことさら強調するわけでもなく、お涙頂戴的なものでもない。その時代に生きた人々の日常生活の中で、戦争という特殊な状況下、身近な愛する人を失い、傷つき、食料苦、生活苦になり、それでも日々食べたり笑ったり、喜怒哀楽を感じながら暮らしていく様子を温かく丁寧に描いていた。
故郷の広島市江波から、軍港のある呉に18歳で嫁いできたすずと共に、人間らしくあの時代を過ごすかのような趣は絶品級!
軍港の町ならではの闇市の光景、空襲爆撃を受け続けた怖ろしい光景、呉市側から見れば山の向こうに立ち昇ったきのこ雲など、広島や呉にゆかりのある方が観れば、尚一層、郷愁に駆られるであろう、、、
上映館が少ない作品であることに驚くが、是非オススメする作品!

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2016 No.130 「ミュージアム」

2016 No.130 「ミュージアム」
2点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性0点/5点)
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2016年 日 ワーナー・ブラザース映画

超人気俳優小栗旬とヒット作を量産する大友啓史監督による今話題の本作を観てきたが、個人的に敢えて厳しく酷評したい(笑)
公開後すぐに観たのだが、酷評するには早すぎると1週間黙ってきた(笑)
でも、小栗旬大好きな特に女性の皆様は、観に行かれたらきっと楽しめるはず!
というのも、仕事の多忙を理由に家族の心を壊す夫(父)であり、本人もそのことを悩み、もがき、車に何度も引かれ、犯人にリンチされ、身も心もまさにボロボロになる彼の姿に、母性本能がくすぐられること必至だからである!
年に1、2度しかない娯楽性点数「0点/5点」にした理由を、、、と思うのだが、これから本作を観に行かれる方は、観に行く前に、この先を読まないで欲しい!
、、、、、、、、、、、
私が強く不満に思ったのは3点!
まず1点目、劇場公開前の公式プロモで発表されたので、私も観る前から知ることになったのだが、猟奇的犯人「カエル男」=「妻夫木聡」だと初めから分かっちゃってしまっている件。
髪も眉もない猟奇的犯人を、好青年役が比較的多いあの妻夫木聡が、普段の人相とはまるで別の雰囲気で演じていることへの「驚き」を得ることが出来なかった!
映画公開後はそういった情報が拡散され、個人的に情報をシャットアウトしない限り耳に入ってしまうことは仕方がないが、本作では映画館で観た時に「一体この俳優誰なんだ?」と思わせ、エンドロールで「エッ!!!ツマブキだったのかあ!!!」として欲しかった。
それくらい主人公刑事役を演じた小栗旬より、「カエル男」のキャラは特異で良かったのだが、サプライズ演出よりも「小栗旬に加えて、妻夫木聡も出てますよ!」と商業的宣伝を優先したのだろうか?
驚かせてもらえなかったことが残念で不満な点。
次に2点目、猟奇サスペンス映画としての宣伝と演出の件。
映画好きな方なら、観に行く前から本作の「予告編」を目にした方が多いと思うのだが、犯行内容を映像と文章でバラし、誰が真のターゲットになるかも明らかにし、肝心なところが早くからネタバレしていた!
ジャンルが猟奇的サスペンスなら、どのような不気味で怖い事件が起きるのか?誰が犯人で誰が追いつめられるのか?といったことを色々想像させるものだと思うのだが、本作では公開前のプロモ展開でそういった想像力を全て奪った点も真に残念で不満だった。
それなら中身のグロさに期待!!といったところだが、、、
最後の3点目はその「グロさ」が中途半端な件。
確かにそこそこグロい。
でもR指定にもなっていないレベル!
原作にかなり忠実な感じで映画化したらしいが、それが原因なのか、これまた中途半端な人間ドラマを混ぜている。
それが本作の狙い=テーマなのかもしれないが、私にとっては、グロさを軸に考えても不満足、人間ドラマを軸に考えてもまったく不満足となれば、娯楽性を感じることができなかった。
ましてや私は男性。
あまり好みでない尾野真千子が、本作では意外にも可愛く見えたことは収穫であったが、小栗旬や妻夫木聡にときめくことはない(笑)
偏見も含み勝手言うなら、暴力映画得意の韓国人監督に作ってもらいたかった。
恋人を猟奇的犯人(チェ・ミンシク)に惨殺された刑事(イ・ビョンホン)が壮絶な復讐を行う「悪魔を見た」(2010年)のグロさ・怖さを思い出してしまった。
公開間もないことや、また人気俳優出演の話題作であることに配慮して(笑)、「娯楽性無し」とした理由を丁寧に書かせていただいた。
二人の人気俳優の熱演は見応えあるので、斬新さは標準の「2点/5点」とさせていただいた。

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2016 No.129 「デスノート Light up the NEW world」

2016 No.129 「デスノート Light up the NEW world」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 ワーナー・ブラザース映画

名前を書かれた人間は必ず死ぬ「デスノート」によって世界中の悪党を次々と粛清し、世の平和を目指した「キラ」こと夜神月役を藤原竜也が、その「キラ」の行為を犯罪として止めるべく送り込まれた世界的名探偵「L」役を松山ケンイチが務めた「デスノート」(2006年)の続編を、東出昌大、池松壮亮、菅田将暉ら若手実力派を迎え、佐藤信介監督が映画化。
前作の壮絶な頭脳戦が記憶に残り、今回も趣向を変えて再び激しい頭脳戦が展開されるのかと思いきや、、、?
確かに東出昌大、池松壮亮は個性も実力もある俳優だが、私からすれば、天才的な藤原竜也や松山ケンイチを超えるほどではない、、、
脚本、演出、俳優、どれをとってもイマヒトツがことさら強調された作品であった、、、
前作に影響を受けて楽しみにしていた者ほど、がっかりしたのではないだろうか?

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2016 No.128 「ボクの妻と結婚してください。」

2016 No.128 「ボクの妻と結婚してください。」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝

放送作家樋口卓治による同名小説は2014年に舞台化、2015年にTVドラマ化され、今般、主人公の放送作家三村修治役に織田裕二を迎え、三宅喜重監督が映画化。
三村(織田裕二)は、これまで20年間ほどバラエティ番組の製作に携わってきたことから、世の中のさまざまなこと「楽しい」に変える少々破天荒で明るい生き方をしてきた。
その彼がすい臓がんで長くても余命は6か月と宣告され、自分が死んだ後も、愛する妻子が前向きに笑顔で暮らしていけるよう、妻の新たな結婚相手を探すという企画を思いつき、、、といった展開。
少々ベタな題名や、公開前に目に触れていた予告編から、何か違和感があるイメージをもっていたが、いい意味で期待が裏切られ、ハートフルな家族愛の物語であった。
主人公三村が、近づく死を前に、動揺や後悔、葛藤等の感情をもっと出しても良かったのではないかと思うくらいに、明るく元気に振舞ってはいたものの、さすがは名優織田裕二、その好演振りは圧巻であった。
妻の彩子役を演じた吉田羊、子役の込江海翔、新しい夫候補となる原田泰造、三村の友人役の高島礼子らの好演も良かった。
作品の前半はコミカル風に淡々と進むが、後半部分はお涙頂戴の演出ではないものの、表情や台詞の一つ一つがとても感動できるもので、涙なしでは観れない内容であった。
映画館内も後半はずっと嗚咽する声が聞こえ、こんなに客を泣かせる作品もあまりないなと感じた。
最後のシーンについて、いろいろな感想に分かれそうだが、私としてはそれもいい終わり方かなと思った。

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2016 No.127 「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」

2016 No.127 「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 Jack Reacher: Never Go Back

リー・チャイルド原作の小説「ジャック・リーチャー」をトム・クルーズ主演で映画化したサスペンスアクション「アウトロー」の続編で、エドワード・ズウィックが監督が映画化。
元米軍の少佐で数々の勲章を得たジャック・リーチャーは、今は軍を離れ一匹狼として放浪の旅を続けている。
今回はある騒動に巻き込まれたことがきっかけで、軍内部に不審な動きがあって、元同僚のターナー少佐(コビー・スマルダース)が命を狙われていることが分かり、その救出と真相解明に動き出し、そこにリーチャーの娘だと名乗る若い娘も現れ、、、といった展開。
娯楽性の高い展開であることやトム・クルーズが相変わらずスター性の高い華やかな俳優であることは期待通りだったのだが、どうしても気になってしまったのは、トム・クルーズの見た目の劣化、、、。
齢54となっても若々しいイメージ維持に努力するのは理解できるが、このたびの顔は、ボトックスかシリコンの注入のし過ぎではないかと思うほど、膨張していて不自然。
また作中に何度か上半身の裸が出るのだが、引き締まりが足らず、やはりアクションも「M.I.」当時に比べキレが感じられなかった。

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2016 No.126 「続・深夜食堂」

2016 No.126 「続・深夜食堂」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東映

安倍夜郎のコミックがテレビドラマになり、その映画版「深夜食堂」の続編を引き続き松岡錠司監督が映画化。
路地裏にある深夜12時頃から開ける食堂「めしや」に集う客たちの人間模様を、ハートフルにまたコミカルに描いた上質の大人のドラマ。
私はこの作品で初めて観たのだが、個性豊かな客たちが織り成す悲喜こもごもがとても面白く、大スクリーンで観るには贅沢かもしれないが、たいへん娯楽性の高い作品だと感じた。
「めしや」のマスターを演じる小林薫が、深く客の事情に立ち入らないながらもその温かさや懐の深さを感じさせてくれる絶妙な演技をみせる。
今回は「焼肉定食篇」で河井青葉と佐藤浩市が、「焼うどん篇」で池松壮亮とキムラ緑子、小島聖が、「豚汁定食篇」で渡辺美佐子と多部未華子が、それぞれ好演。
また余貴美子やオダギリジョーら名優らも脇を固めており、見応えのあるドラマであった。

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2016 No.125 「ジュリエッタ」

2016 No.125 「ジュリエッタ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 西 Julieta

ノーベル賞作家アリス・マンローの小説を原作に、孤独な女性が自分と、そして娘と向き合う姿を若い頃の回想シーンを織り交ぜながら描いた人生のメロドラマを、ペドロ・アルモドバル監督が映画化。
スペインのマドリードでひとり暮らすジュリエッタ(エマ・スアレス)は、漁に出た夫を海難事故で失い、その数年後、理由を語らず自分のもとを忽然と去って行方知らずとなった一人娘アンティア( 18歳時:ブランカ・パレス、幼少時:プリスシーリャ・デルガド)も失い、憂鬱で悲しみに暮れたまま初老を迎えていた。
愛してくれる男性に付き添い、人生の再出発をしようかと思い立ったその折、偶然再会した娘の昔のお友達から「あなたの娘を見かけた」と知らされ大きく心が揺るぎ、封印していた過去に想いを馳せ、自分や娘アンティアと向き合い始めるといった展開。
悲しさが全編漂う大人のドラマであり、プラチナブロンドの尖った短髪ヘアで若き日のジュリエッタを演じたアドリアーナ・ウガルテと、やや色褪せたブロンドで目の下に隈を作った表情で別人のように様変わりした現在のジュリエッタを演じたエマ・スアレスの二人を起用した演出は特徴的で良かった。

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2016 No.124 「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」

2016 No.124 「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 英 Bridget Jones’s Baby

ロマンティックコメディ「ブリジット・ジョーンズの日記」から11年ぶりとなるシリーズ第3作を、レニー・ゼルウィガー主演で、シリーズ第1作を手掛けたシャロン・マグワイア監督が映画化。
今回は、パーティで出会ったIT企業の社長ジャック(パトリック・デンプシー)と、元恋人マーク(コリン・ファース)の二人と約1週間の中で関係をもった後、妊娠するところからコミカルに展開!
果たして赤ん坊の父親は、、、というコメディタッチながらも、イケメン二人の間で揺れ動くシンデレラストーリー!
テレビ局プロデューサーとして活躍するも未だ独身のままアラフォーになったブリジットを演じるレニー・ゼルウィガーの顔だが、ちょっと年齢以上に老け込んでやいないか、、、とばかりが気になった(笑)

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2016 No.123 「湯を沸かすほどの熱い愛」

2016 No.123 「湯を沸かすほどの熱い愛」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 クロックワークス

1年前に夫が突然家出した後も持ち前の明るさと強さで娘の安澄(杉咲花)を育てる双葉(宮沢りえ)と、彼女に関わる人たちの人間ドラマを、本格映画デビューとなる中野量太監督が映画化。
この作品のあまりにもベタなタイトルに違和感ありながらも(笑)、演技派宮沢りえを観たく足を運んだ。
「紙の月」(2014年)以来の主演作となるが、彼の作品のように「女性ムンムン」な役よりも、本作のような「お母ちゃん」役のほうが魅力を発揮できる女優かもしれない、、、
双葉は、あと2~3か月との突然の余命宣告を受けるも、持ち前の明るさと強さで、周囲の人たちが前を向いて人生を歩めるように、愛情いっぱいに幾つかのことを実行していく。
ちょっと上手すぎる展開だと突っ込みを入れたくなる部分も多いが、しっかりと涙腺を緩めてくれる演出も複数あり、また娘役の杉咲花の好演も光り、オダギリジョー、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎らが脇を固めた娯楽性の高い作品であった。

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2016 No.122 「PK」

2016 No.122 「PK」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2014年 印 PK

世界的ヒットを記録したインド映画「きっと、うまくいく(3 Idiots)」(2009年)のラージクマール・ヒラーニ監督と、インド映画界の第1人者アーミル・カーンのコンビで世に出たこの作品、またもやインド映画興行成績を塗り替えたらしく、否が応でも期待に胸を膨らませて観に行った。
前作は学歴社会の問題点などを取り上げていたが、本作は宗教の矛盾点などの宗教観をテーマにし、国籍や人種、宗教の違いからくる価値観や行動を浮き彫りにしていた。
153分と長尺で、テンポも悪いので冗長に感じたのが、やや残念であった。
アーミル・カーン演じる空からやってきた宇宙人は、愚直なまでに真実を探求する性格で、先日読んだ「星の王子様」の小説を少し思い出した。
ヒロインのジャグー(アヌシュカ・シャルマ)に徐々に恋心をもつ演出は、真心のこもった趣で良かったが、個人的には「きっと、うまくいく(3 Idiots)」を観たときほどの大きな感動はなかった。
インド人の生活の中で宗教は大きな存在であり、この手の作品はタブーに挑戦するようなものでリスキーな感じもするが、国内で大ヒットしたところからして、彼らの心に響くものであったのだろう、、、

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2016 No.121 「インフェルノ」

2016 No.121 「インフェルノ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Inferno

本作は、ハーバード大学教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)が活躍するダン・ブラウン原作のシリーズ「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続く第3弾!
私は謎解きやミステリー色の強い作品は苦手な方で、今回もやや心配したのだが、意外にもその色は薄く、アクションとちょっぴり悲恋も織り交ぜられた娯楽作に仕上がっていた。
そういう意味で、前2作品のファンだった方には少々肩透かしの感があるかも、、、
人類の半分を一掃する死のウィルスを解き放ち、人口過剰の問題を解決しようとするバイオテロリストの策略を防ぐため、ラングドン教授に人類の未来が委ねられる展開。
ラングドン教授が何故か記憶を失って病院にいるところからスタートする本作は、女医シエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)と行動を共にするのだが、この女優フェリシティ・ジョーンズは「博士と彼女のセオリー」(2014年)でホーキング博士の元妻ジェーンを演じて、アカデミー主演女優賞にノミネートされただけあって、たいへん魅力的であった!

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2016 No.120 「ジェーン」

2016 No.120 「ジェーン」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米 Jane Got a Gun

ナタリー・ポートマンが主演・製作を務め、まさしくポートマンによるポートマンの為のポートマンの作品を、ギャビン・オコナー監督が映画化。
個人的に美人で可愛くて少々エロさも醸し出す大好きなポートマンちゃんの作品とあって、鼻の下を伸ばしながら映画館に足を運ぶも、その内容の貧弱さに悪い予感的中!
一時代も二時代も前から数えきれないほどの西部劇がこの世に誕生しているのだから、もっと何かに強くフォーカスした脚本にしないと見応えが全然ないと言える。
確かに現代を象徴するかのような「強い女性」「自立した女性」「逞しい女性」を描きたかったことは分かるが、それにしても作中彼女が演じるジェーンにそこまでの「女性」は見えなかった。
彼女の肌が露出する等のサービス・シーンもこれまた全く無く、ウェスタンハットを被り、ロングスカートにブーツ姿で颯爽と馬を操る彼女のプロモーション・ビデオの域を出なかったのが期待外れ。
負傷し追われて家に帰ってきたジェーンの夫役をノア・エメリッヒ、ジェーンがわらにもすがる思いで助けを求めた元恋人役をジョエル・エドガートン、そして夫の引き渡しを迫る敵役をユアン・マクレガーがそれぞれ演じ、主人公役のポートマンの脇を固めていたという感じ、、、

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2016 No.119 「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」

2016 No.119 「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 S・D・P

「闇金ウシジマくん」シリーズの最終章となる本作を山口雅俊監督が映画化。
10日で5割という違法な高金利で金を貸す闇金融業者の社長 丑嶋馨(ウシジマカオル)の生き様が描かれており、今回は債務者のダメっぷりや強烈な取り立てシーンの露出はウンと低くなっていたが、なかなか濃厚なヒューマンドラマ仕立てになっていた。
ウシジマの中学時代にも遡り、現在に至るまでの背景や、友情・確執を生んだ人間関係を丁寧に展開。
悲哀の中でも信念を貫くウシジマを山田孝之が好演し、永山絢斗、真飛聖、真野恵里菜、YOUNG DAIS、安藤政信、間宮祥太朗ら共演者が脇を固めていた。
個人的には「闇金」のタイトルに相応しいグロい取り立てシーンを期待したが、このファイナル作品は、これまで謎めかせていたウシジマの背景や心情にフォーカスされていたことが特徴であった。
男臭い人間ドラマを楽しむには十分!

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2016 No.118 「バースデーカード」

2016 No.118 「バースデーカード」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点+あおいちゃん5点!?)
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2016年 日 東映

舞台挨拶付公開初日の朝9時、新宿の映画館へ、あおいちゃんを、いや本作を観に行った。
そこのところはさておき、この作品ホントにヤバイほど良かった!
最近では珍しいオリジナル脚本であるも、事前にどうしても目や耳に入ってくる情報から、小さな我が子を遺して亡くなる母親の悲しさが前面に出るお涙頂戴系の作品かと思いきや、まったく違った作風であった。
ずばり、中学生や高校生の情操教育のため学校行事で是非観たらとも、また極端であるが日本国民全員が観たらとも思う、とても素敵な作品だった。
優しくて明るい母・芳恵(宮﨑あおい)は物語の序盤で亡くなるも、その死そのものが重く、悲しいものという風に描かれていない。
母と別れるまでの物語ではなく、引っ込み思案で臆病な娘紀子(子役:3人、高校生~:橋本愛)の成長の物語であり、亡くなった母といつまでも温かく繋がっていられるという前向きなメッセージを主題にし、本作主題歌でもある太陽に向かって真っすぐ咲く「向日葵(木村カエラ)」のような作品であった。
主人公紀子を演じた橋本愛だが、地味目なキャラクターで、以前から抜群な演技力とも感じない若手女優であるが、ピュアとも素朴ともいえるその世代の等身大の雰囲気やオーラを十分にもつ魅力があるので、本作のこの役も嵌っていた。
ストーリー展開としては、現在と過去とがシンクロする中でしっかり涙腺を緩めてくれるシーンもあれば、温かく家族を見守る父宗一郎(ユースケ・サンタマリア)や弟正男(須賀健太)らがしっかりと笑わせてくれるシーンもあり、とてもハートウォーミングなものである。
面白いのは、本作は朝日放送が協賛していることもあり、昨年40周年を迎えた「パネルクイズ アタック25」(朝日放送)が実際に劇中で扱われ、独り立ちしようとする紀子が出演を目指す物語も描かれている。
脚本を書き映画化した吉田康弘監督が、『普通に生活している人が、人生の中でスポットライトを浴びる瞬間といえば何だろう、、、』と考えた時に、視聴者参加型のクイズ番組に出ることがぴったりだと思ったかららしい。
最後に本日の舞台挨拶時のあおいちゃんであるが、柄模様のロングワンピース姿で、細く白く美しく佇んでいた。
舞台上のマイクでは決して上手くしゃべるタイプではないのだが、カメラの前では超一流の演技が出来る天才女優!
この前の「怒り」では体重を7キロも増やしての役作り、本作では若くして病死する青白く痩せっぽちな役作り、その女優魂は凄いものである!

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2016 No.117 「スター・トレック BEYOND」

2016 No.117 「スター・トレック BEYOND」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Star Trek Beyond

「スター・トレック」新シリーズの3作目は、J・J・エイブラムス制作、ジャスティン・リン監督により、宇宙空間、都市空間、戦闘シーン全てを圧倒的な映像美と迫力で楽しませてくれるものであった。
ストーリーはいたってシンプルであり、最近多くの作品で傾向化している「仲間」「絆」がクローズアップされていた。
キャプテンのカーク(クリス・パイン)とスポック(ザッカリー・クイント)の掛け合いも良く、その他共演のゾーイ・サルダナ、サイモン・ペッグ、カール・アーバン、ジェイ・チョウらも好演。
今年6月に自動車事故死したアントン・イェルチンも含め、お馴染みのキャストが終結していた。
独特の世界観に、レトロな乗り物や音楽も場面に挿入されていて、遊び心も十分な娯楽性のある作品であった。

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2016 No.116 「GANTZ:O(ガンツ:オー)」

2016 No.116 「GANTZ:O(ガンツ:オー)」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝映像事業部

奥浩哉のコミック「GANTZ」をフル3DCGで、さとうけいいち総監督、川村泰監督、黒岩勉脚本にて映画化。
集められた全員それぞれが病気か事故で死んだはずなのに、妖怪のような謎の星人との死闘を強制させられる立場になっての展開。
本作は、原作の中でも特に人気の高い「大阪篇」を基にしており、大阪のガンツチームも登場する。
劇場版の前作までは実写でありそれなりに迫力はあったが、フル3DCGでこそ表現できるアクションの更なる迫力と格好良さ、グロさ、際立った巨●のボディラインはたいへん魅力であった!
さて「いかにも大阪」の道頓堀やらひっかけ橋周辺、通天閣周辺が舞台になっており、東の地方地域の田舎もんが喜ぶような「the大阪」の演出も盛り沢山!
まあ、関西弁のレベルは及第点としておこう(笑)
シングルマザー山咲杏(声優:M.A.O)の「あんなあ~、うちなあ~(あのね、私ね)」の関西弁は、可愛くて心地よいもんだ(笑)

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2016 No.115 「何者」

2016 No.115 「何者」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 東宝

朝井リョウの直木賞受賞小説『何者』を原作とし、佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之といった主演級かつ旬な俳優陣を迎えて、三浦大輔監督が映画化。
就職活動を通して自分が「何者」であるかを模索する若者たちの姿を描いたドラマ。
やっかみや焦り、蔑み、等など、SNSを通した演出も交えながら若い世代での人間関係や心象風景を独特な暗い雰囲気で、リアルに表現していた。
私にとって女優宮﨑あおいちゃんは別格であるが、最近俄然注目している、有村架純ちゃんと二階堂ふみちゃんのダブル出演であることから、今回はめちゃくちゃ楽しみにして臨んだ!
役柄上、特にふみちゃんはかなりの?なキャラであり、その魂込められた、役に嵌っている演技がまた見もの!
出演者全員(相変わらず架純ちゃんの演技力はやや不十分)の個性や演技力が光る作品であった。

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2016 No.114 「永い言い訳」

2016 No.114 「永い言い訳」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 アスミック・エース

本作は、西川美和監督が、直木賞候補作にもなった自身の同名小説を、自ら脚本におろし映画化。
主人公の作家衣笠幸夫(本木雅弘:以下モックン)は、旅行道中の突然のバス事故で、関係の冷え切った妻を失う。
幸夫はその時に愛人と一緒に居たこともあり、本人なりの贖罪の念から、同じく事故死した妻の友人が残した子供二人の面倒を見始めるところからドラマは展開。
妻を失ったそれぞれ男二人と子供たちの内面や心象風景がしっかりと描かれ、それは時にブラックなものでもあるが、人間特有の愚かさや弱さを表現した、繊細な作風であった。
子役の二人や、共演者の竹原ピストルの好演も光ったが、なんといってもモックンのダメ男ぶりがあまりに自然であった。
ある意味「海よりもまだ深く」(2016年)のダメ男主人公を演じた阿部寛に匹敵するくらいの好演。
ただ作品の演出自体は大人し目であり、情事シーンの一部描写がPG12制限につながったみたいであるが、テレビドラマでは成しえないような、映画ならではの演出があればより娯楽性が高まったかな。

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2016 No.113 「ジェイソン・ボーン」

2016 No.113 「ジェイソン・ボーン」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Jason Bourne

暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)によるアクション・サスペンスシリーズも、本作は5作目になり、ポール・グリーングラス監督が9年ぶりに映画化。
かつて彼がCIAの暗殺者養成プログラム“トレッドストーン”に自ら志願した理由を解き明かす、まさに「アイデンティティ」を探す内容であった。
ボーンのことを、CIA組織に立ち向かってくるので消すべき存在と考える長官デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)と、愛国心に満ちているのでCIAに取り込もうと考える情報分析官のリー(アリシア・ビカンダー)と、ボーンとが、三者三様の立場でぶつかり合う展開で、謎解きも丁寧であり、順を追って観ているうちに色々なことが分かるようなシンプルなものであった。
それにしてもカー・アクションの凄まじさには魂消た!
また第88回アカデミー賞で助演女優賞を獲得したアリシア・ビカンダーはたいへん美しい!
次作が今から楽しみである!

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2016 No.112 「グッドモーニングショー」

2016 No.112 「グッドモーニングショー」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東映

朝のTVワイドショーで司会を務めるキャスター澄田真吾(中井貴一)は、ある日の出勤前に学生の息子から「彼女に赤ちゃんができたので結婚する」と一方的に言われ、出勤後にはプロデューサー(時任三郎)から次の番組再編での打ち切りを言われ、ぶっ飛んだキャラのサブキャスター圭子ちゃん(長澤まさみ)からは「番組中に私たちの交際を発表しようと思います」と宣言され、散々な状況で始まる一日を、君塚良一監督がオリジナル脚本にて映画化。
そのように始まった一日の生放送中に、都内のカフェで人質をとって立てこもる事件が発生!
その犯人「ニシタニソウタ」(濱田岳)が要求したのは、「キャスター澄田に会わせろ!話がしたい!」というもので、ぶっ飛んだ脚本、演技派の中井貴一と濱田岳との掛け合いと、かなり面白い!
共演者は吉田羊や志田未来らで個性を発揮していて良かった。
犯人濱田岳の好演と、大根役者ながらも可愛くてスタイル抜群なキャスターまさみちゃんの赤いワンピ姿を拝めて、娯楽性の高い作品であった(笑)

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2016 No.111 「少女」

2016 No.111 「少女」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東映

湊かなえによる同名小説を、本田翼と山本美月を主演に迎え、三島有紀子監督が映画化。
「告白」(2010年)の時の緊張感や俳優達の渾身の演技を期待して臨んだのは勿論。
本作は主演二人の演技力の不十分さと、それによる娯楽性のイマイチさを感じざるを得なかった。
特に本田翼について、これまで彼女が出演したいくつかの作品を観て思うのは、周囲から浮いた(KYっぽい)オーラが魅力なのかもしれないが、役に魂があまりこもっていないように感じるのだ。
脚本が良い作品に出るケースが多いだけに、彼女によって残念な気分を味わうことが正直多い。
さて本作の内容だが、さすがは売れっ子作家の作品だけあって、引き込まれた。
人間の心の暗闇を描いているので、9割方「小説でなら楽しめるものの、これを映像化する?」っていう気分になったが、残り(最後の)1割部分で大きく振り子が反対に振れるが如くの感動が実に良い!
家庭内の暴力や周囲からの虐め、大人の醜い社会から受ける傷など、心が痛くなるような題材を取り上げている中、主演二人の選定について他の選択肢はなかったのだろうか?

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2016 No.110 「世界一キライなあなたに」

2016 No.110 「世界一キライなあなたに」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Me Before You

英国人作家ジョジョ・モイーズによる恋愛小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」を同じく英国人舞台演出家のテア・シャロック監督が映画化。
なんでもこの原作小説は2012年に発表されて以降、英国中心に大ヒットしたらしい。
内容はというと、、、
実業家で超金持ちの家庭に育ったウィル(サム・クラフリン)は、バイクにひかれる事故で脊髄を損傷し、首から下が全く動かない車いすの生活になり、心を閉ざして毎日をただ生きている。
その彼の前に、彼の両親が6か月の期間限定で介護目的で雇った(何故6か月期間限定かはネタバレになるので伏せる)女性ルー(エミリア・クラーク)が現れる。
彼女の明るく素直な性格によって、ウィルも徐々に心を開き、、、といった、一見ベタな内容であるが、私は極力素直に鑑賞するよう努めたので、切なさの中にもチャーミングな魅力ある作風に感じ、それなりに楽しめた。
悲壮感を抑え、基本的に明るく前向きに展開するところや、ウィルがイケメンで金持ちという設定から、少しでも斜に構えて鑑賞すると、「そんなのあり得な~~い」「うそだろう~~」「ええ~~~」ということにもなりそうな、、、
「生きる」ということを考えさせてもくれる、なかなかの娯楽作品であった。

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2016 No.109 「SCOOP!」

2016 No.109 「SCOOP!」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

映画「盗写 1/250秒」(1985年)を原作に、芸能スキャンダルや社会事件等、様々なネタを追いかける写真週刊誌カメラマンや記者たちの姿を描いたドラマを大根仁監督が映画化。
主演は俳優としても一流と誰もが認めるであろう我らが“マシャ”こと福山雅治!
女好きで下品な中年パパラッチ役を、地で演じているのかと思わせる程の好演!
バラエティやラジオで、下ネタ大好きな一面を見せる彼をご存知の方も多いだろうが、本作ではその面全開の役!(笑)
クールな役もなんなくこなす彼とはまた違った魅力もあり、その役作りの努力も頭が下がる。
また本作は、共演する俳優も一流揃い!
福山扮するカメラマン静の相棒となる新米記者・野火を二階堂ふみちゃんが演じているのだが、これまで私が再三褒めている通り、彼女の演技は天才レベル!
脇を固める吉田羊、滝藤賢一も個性を発揮しており、ここ数年のスクリーン界で頻繁に起用されるリリー・フランキーの怪演振りは特に凄かった!
PG12の制限で本当に良いのかと疑うほど、R15でもいいようなエロ沢山の本作であるが、マシャ・ファンにとってはR18+になるような“シーン”も!?(笑)
ネタバレにならないよう、内容についてこれ以上のことは書かないが、衝撃や感動もしっかり味わえる娯楽大作である!
アンチ福山でない限り、皆さんにオススメ!!

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2016 No.108 「高慢と偏見とゾンビ」

2016 No.108 「高慢と偏見とゾンビ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Pride and Prejudice and Zombies

ジェーン・オースティンの小説「高慢と偏見」にゾンビ(ホラー)の要素を加えた、ロマンス・アクション作品をバー・スティアーズ監督が映画化。
原作のファンで映画化のきっかけを作ったナタリー・ポートマンもプロデューサーとして参加。
謎のウィルスが蔓延し、感染した者がゾンビ化して次々と人間を食べようと襲いかかる18世紀の英国が舞台。
片田舎に住み、財産の無いベネット家の5人姉妹は、母に促され玉の輿にのることを夢見ながら、生き残る為に得意の武術カンフーでゾンビと戦う毎日を送っていた。
そんな中、隣家に資産家の若い独身男性が引っ越してきて、その友人で大富豪の独身騎士ダーシー(サム・ライリー)も出入りするようになる。
5人姉妹の二女エリザベス(リリー・ジェームズ)は、ダーシーの高慢な態度に初めは嫌悪感を抱くも、ゾンビとの最終戦争で共に戦ううちに、互いに自らの中の偏見に気づき、、、といった展開で、ロマンス、ホラー、アクション、パロディの要素が上手く融合した、安心して楽しめる作品であった。
プリンプリンとした美女が、外出時はガーターにナイフを潜ませ、ゾンビと遭遇するや中国少林寺で仕込んだとされる武術を炸裂させる!
美しく強い女性主導の展開は、世の女性の拍手喝さいを浴びること必至!(笑)

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2016 No.107 「聲の形」

2016 No.107 「聲の形」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 松竹

大今良時のコミック「聲の形」を吉田玲子が脚本、山田尚子が監督を務め、京都アニメーションにて映画化。
私はコミックをまったく読んでおらず、聴覚障害の少女が登場するもの位しか予備知識がない状態で観たのであるが、感情の濃度がただならぬ作品とすぐに分かり、動悸や眩暈が起きるのではないかと最後まで感じながらの観賞となった。
主人公の少年将也が小学生時代に、転校してきた聴覚障害をもつ少女・硝子へ好奇心を抱きながらも上手くコミュニケーションをとれず、彼女を苛め抜いてしまう。
作品冒頭にこのシーンが続く時点から、何か居心地の悪さが起こり、少女が再び転校して年月が経ち、高校3年生の時に再会するところから、本格的な贖罪のドラマが展開。
少年は中学生以降、同級生から手のひらを返され苛められる側になり、心を閉ざし下を向いたまま毎日を送るのであるが、彼女との再会を機に、自己嫌悪やトラウマと向き合い贖罪の日々を送ることに。
二人を取り巻く同級生たちの描き方がかなり省略されていて、関係性が分かりにくいところも多く、原作コミックには及ばない部分もきっと多いのかと想像するが、本作で伝えたかったテーマは、何とか2時間の中で描かれていたのではないかと思う。
切なさや悲しみ、後悔を切実に描いている中にも、「ごめん」「ありがとう」「友だちになりたい」「好き」といった自分の気持ちを伝えることの難しさ、分かり合えない間柄でも何とか分かろうとする気持ちの尊さや愛おしさを訴えてくる作品であった。
現実の影と格闘する、心が傷ついた少年少女たちの感情の重さとは対比的に、桜や川面の美しさ、キャラクターの可愛さも演出されていて、「面白い」とは違う娯楽性の高さもあり、これほどまで原作コミックを読んでみたいと思う作品も久々であった。
そういう意味では「君の名は。」を個人的には超えたかな!?

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2016 No.106 「ハドソン川の奇跡」

2016 No.106 「ハドソン川の奇跡」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点+)
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2016年 米 Sully

2009年、エアバスA320旅客機がニューヨークのハドソン川に不時着水したものの155人の乗客乗員全員が無事生還した事故を題材にした、機長のチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー手記「機長、究極の決断 『ハドソン川』の奇跡」をもとに、トム・ハンクスを主演に迎え、クリント・イーストウッド監督が映画化。
サリー機長は国民的英雄として称賛されるが、その判断が果たして正しかったのかどうか、国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われる中で、機長のことを熟練した操縦技術と強い責任感を持つ人物として描いていた。
機長のフラッシュバックによって事故の記憶を呼び起こす演出など、結末は分かっているはずなのに、観客に緊張感を与えるところはさすが!

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2016 No.105 「メカニック ワールドミッション」

2016 No.105 「メカニック ワールドミッション」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点+)
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2016年 米 Mechanic: Resurrection

ジェイソン・ステイサム主演「メカニック」(2011年)の続編。
鍛え上げられた肉体だけでなく、明晰な頭脳をも駆使し、依頼を受けた暗殺をクールに遂行する「メカニック」と呼ばれる殺し屋ビショップ(ジェイソン・ステイサム)の活躍を描いたアクション作品。
今回はデニス・ガンゼルが監督を務め、舞台はリオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)、バンコク/プーケット(タイ)、シドニー(オーストラリア)、ヴァルナ/ソフィア(ブルガリア)とワールドワイドになり、共演者もトミー・リー・ジョーンズ、ジェシカ・アルバ、ミシェル・ヨーと豪華!
内容はシンプルであるが、テンポよくスマートに暗殺を遂行するアクションは娯楽性の高いものであった。
おまけに本作の大サービスはジェシカ・アルバ!
ビショップの恋人役として登場し、どぎついシーンはなかったものの、ビキニシーンはしっかりと用意され、目がクギヅケに!?
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2016 No.104 「闇金ウシジマくん Part3」

2016 No.104 「闇金ウシジマくん Part3」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点+)
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2016年 日 S・D・P(スターダストピクチャーズ)

真鍋昌平のコミック「闇金ウシジマくん」の実写映画シリーズ第3作で、お馴染みの山田孝之主演で、山口雅俊監督。
綾野剛、やべきょうすけ、崎本大海らレギュラー陣も健在。
今回は、ネット長者の天生祥(浜野謙太)が主宰する「誰でも稼げる」という胡散臭いセミナーに参加した青年(本郷奏多)や、妻がいながらキャバクラで散在するサラリーマン(藤森慎吾)らが、ウシジマ社長(山田孝之)経営するトゴ(10日で5割)の金貸し屋「カウカウファイナンス」から金をつまむという展開。
取立がややソフトだったのが気になったが、それは10月22日公開予定の「闇金ウシジマくん the Final」でハードな取り立てを楽しみにしよう(笑)
それにしても白石麻衣(乃木坂46)の可愛いことといったら!(笑)
麻衣ちゃ~~~~~~ん\(^o^)/

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2016 No.103 「真田十勇士」

2016 No.103 「真田十勇士」 6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点+) 2016年 日 松竹・日活

堤幸彦監督と中村勘九郎主演の組み合わせで舞台「真田十勇士」(2014年)となった作品を映画化。
関ケ原の戦いの後、九度山で蟄居となった真田幸村(加藤雅也)のもとに抜け忍の猿飛佐助(中村勘九郎)や同じく抜け忍の霧隠才蔵(松坂桃李)ら仲間が集まり「真田十勇士」が結成される。
その後の「大坂冬の陣」「大坂夏の陣」を題材に、娯楽エンターテイメントとして愉快な中にも熱いドラマが展開されていた。
史実を捻っているところもあり、好みは分かれるかと思うが、見どころは何といっても合戦の迫力!
延べ1万人を超す合戦エキストラが主に和歌山市内や友が島(ここは私の磯釣りの聖地)でロケ撮影に臨み、主要なキャストは実際の鎧兜や甲冑とほぼ同じ15キロ程の重装備で全力疾走したそうだ。
CGやカット割撮影も駆使した合戦シーンは、大スクリーンで十分に楽しめるものであった。
幸村を慕う淀殿役に大竹しのぶ、才蔵を慕う女忍び・火垂役に大島優子の露出度も高く、堤幸彦監督の遊びの部分も目立った。
NHK大河ドラマ「真田丸」とは趣の異なる本作も、娯楽ものとして楽しめること請け合い。

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2016 No.102 「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2016 No.102 「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点+)
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2016年 米 The BFG

ロアルド・ダールの児童文学「オ・ヤサシ巨人BFG」を、ディズニーとスティーブン・スピルバーグ監督がついに最強コンビを組み映画化。
ロンドンの児童養護施設で暮らす少女ソフィー(ルビー・バーンヒル)と、心優しい巨人BFG(マーク・ライランス)との、心温まる友情と奇想天外な冒険を描いたファンタジー。
二人は英国女王の力を借りてフレンドリーではない巨人族の退治を企てるという展開であり、同監督の永遠の名作「E.T.」(1982年)に立ち返るようなクラシックな趣があった。
また同監督の「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015年)でアカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランス(BFG役)の存在感が圧倒的に凄かったのも印象的だった。
子供から老人まで安心して期待通り楽しめる作品。

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2016 No.101 「レッドタートル ある島の物語」

2016 No.101 「レッドタートル ある島の物語」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点+)
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2016年 仏・日合作 東宝 La tortue rouge

マイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督が脚本を起こし、スタジオジブリが製作に関わり高畑勲氏がアーティステックプロデューサーとして絵コンテ作り等で参加した作品。
無台詞であり確かに絵本のような風情であったが、シンプルな線描に彩色、顔のアップもなく目は小さな黒点で表しており、感情を豊かに表現しない等の特徴があった。
内容的にも描写としても、「感動してください」というものではなく「皆さんで何かを感じてください、考えてください」みたいなもので、大人向け・哲学的な作品であった。
個人的にまったく好まないタイプであるが、不思議と穏やかな気持ちになり、眠気も起きなかった。(大好きなカメが出てくるからか?)

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2016 No.100 「怒り」

2016 No.100 「怒り」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点+)+あおいちゃん5点!?
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2016年 日 東宝

「悪人」(2010年)と同様、吉田修一の原作を李相日監督が映画化。
主演の渡辺謙をはじめ、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮﨑あおい、広瀬すず、妻夫木聡、三浦貴大、佐久本宝、高畑充希、原日出子、池脇千鶴、ピエール瀧といった超豪華俳優陣が、「信じる」とは「愛する」とはどういうことかを考えさせ、心の葛藤を抉り出すドラマを展開。
「沖縄編」では、親の事情で沖縄に転校してきた女子高生の泉(広瀬すず)が無人島で田中と名乗るバックパッカーの男(森山未來)と友達になり、「千葉編」では漁業を営む洋平(渡辺謙)のもとに素性の分からない田代と名乗る男(松山ケンイチ)がバイトで転がり込み、新宿歌舞伎町の風俗店から洋平に連れ戻された娘(宮﨑あおい)と恋仲に落ち、「東京編」ではゲイの大手企業サラリーマン優馬(妻夫木聡)が、ゲイの集うサウナで知り合った素性の分からない直人と名乗る男(綾野剛)と意気投合し同棲を始める。
こういった3つのドラマが並行して展開するのだが、全く交差しない演出。
それぞれのドラマで素性の分からない男が、東京八王子で起きた夫婦殺人事件の犯人の疑いをかけられ、観る側も目を離せないような展開であった。
またどのドラマも「親子の関係」を絡めており、更に「沖縄編」では沖縄基地問題(米兵による性暴行事件)、「千葉編」では知的障害をもつ娘、「東京編」ではゲイの二人と題材も豊富で内容的に盛り沢山である為、142分という長尺も苦にならない。
ラスト部分で3つのドラマとも、素性の分からない点が明らかにされ、結局殺人犯はサイコパスであるも、心が救われないまたは大きく傷つく登場人物だらけであり、非常に重い。
観賞中ややむせび泣きも聞こえたが、見終わった後も誰も言葉が出ないのか、館内は水を打ったかのような静けさであった。
こと「怒り」という題名に込められた主題について皆思いを馳せるはずだが、私は正直分かりにくかった。
「愛すること」や「信じること」の根拠がいかに脆いものであるかを残酷に突きつけられるものであったが、一流俳優陣の演技は見事。
心の葛藤を演じた渡辺謙、知的障害をもちながらも一生懸命信じようとする役の宮﨑あおい、ゲイを熱演した妻夫木聡と綾野剛は特に印象深かった。
殺人現場のシーン、性暴行のシーンなどR12の制限でいいのかと思うほど残酷かつエグく、監督ならではの演出に否定的な意見も出ると思うが、「悪人」(2010年)と同様、今後も強く記憶に残るような作品であった。

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2016 No.99 「キング・オブ・エジプト」

2016 No.99 「キング・オブ・エジプト」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Gods of Egypt

神と人間が共存する古代エジプトを舞台として、そのエジプトの王座をめぐってクーデターが起こるところから展開。
弟セト(ジェラルド・バトラー)に謀殺されたオシリス王。
その息子ホルス(ニコライ・コスター=ワルドウ)が、主人公のコソ泥青年ベック(ブレントン・スウェイツ)と組み、エジプト王に新たに君臨する為に必要な「神の眼」を奪う冒険アクションを、アレックス・プロヤス監督が映画化。
暴君を演じたジェラルド・バトラーの存在感が大きく、CGによる戦いなどのアクションシーンは迫力があり見ごたえあり!
ストーリーも分かりやすくテンポも良いのであるが、「神」が人間とそう変わらず、心情の描き方も浅く、内容的にはやや安っぽさを感じた。

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2016 No.98 「超高速!参勤交代 リターンズ」

2016 No.98 「超高速!参勤交代 リターンズ」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 松竹

幕府から突然の参勤交代を命じられ、奮闘する弱小の湯長谷藩を描いたコメディ「超高速!参勤交代」(2014年)の続編で、今回も本木克英監督が映画化。
またしても宿敵の老中松平信祝(ノブトキ)の陰謀で湯長谷藩は大ピンチに!
前作は知恵を使ってピンチを乗り切るところに面白さがあったが、本作は圧倒的に殺陣シーンが増え、勧善懲悪をテーマにしたよくある時代劇の風情であった。
多勢に無勢の中、秀でた武芸で活躍する場面は見応え十分であったが、前作のようなユニークさが欲しかった。

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2016 No.97 「スーサイド・スクワッド」

2016 No.97 「スーサイド・スクワッド」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Suicide Squad

もしスーパーマンのような超人が人類にとって「悪人」であれば、「悪」は「悪」をもって倒すしかないと政府は考え、服役している極悪人達を集めて特殊チーム「スーサイド・スクワット」を結成。
ご褒美は減刑、逃亡や反逆に出た場合は即死刑(首に埋めた爆弾の起動)といった設定で、危険なミッションを強制させられるのは、デッドショット(ウィル・スミス)やジョーカー(ジャレッド・レト)、ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)ら、メンバー総勢9人のお馴染みの悪党!
軽いノリだが、分かりやすい展開で、それなりに楽しめるアクションとしてデビッド・エアー監督が映画化。
キャラもたっていて、特にハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーの魅力は大きかった。
ジョーカーの露出度が低かったのだが、もしかして続編あるのかなとも思える。
キワモノ作品かもしれないが、ウィル・スミス演じるデッドショットがヒーロー的な存在であり、予想のハチャメチャさは低く、意外にも真面目でまとまった内容であった(笑)

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2016 No.96 「四月は君の嘘」

2016 No.96 「四月は君の嘘」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

TVアニメにもなった新川直司の漫画「四月は君の嘘」を原作に、今を時めく広瀬すずと山崎賢人の共演で、新城毅彦監督が実写映画化。
私は漫画もアニメもまったく見ておらず、先入観なしで映画館に足を運んだので、切なくもの悲しい娯楽作品として十分に楽しめた。
漫画やアニメでファンになった方は、きっと物足りなさや、キャストに対する不満も多かろうが、やはり約2時間で収める上で、端折ったり、カットしたりした部分も多かったはずで、時間をもっとかければ、より深く感動の大きな作品になっただろうと想像はつく。
主演二人の脇を固めた石井杏奈、中川大志を含め、若手俳優たちの演技は良かった。
丁寧に伏線を出してくれるので、予想の範囲内で展開するのであるが、それでも愛の悲しみのラストシーンは衝撃を与えるものであった。

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2016 No.95 「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」

2016 No.95 「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2014年 米 Little Boy

太平洋戦争勃発の頃を背景に、米国西海岸のとある町に暮らす8歳の男の子ペッパー(ジェイコブ・サルバーティ)が、戦地に赴いた大好きな父親が帰ってくるように、健気に頑張る姿をアレハンドロ・モンテベルデ監督が映画化。
ペッパーは町の中で特に背が低いことから「リトル・ボーイ」と周囲に揶揄われていたわけだが、このあだ名について、私がピンと予感したことが的中した作品でもあった。
人種差別、貧困、いじめ、等の社会問題を題材にしているが、優しくて明るい父親(マイケル・ラパポート)、愛情深い母親(エミリー・ワトソン)、現地住民から厳しくバッシングを受けながらも毅然としペッパーに優しく接する日本人(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)ら共演者の役柄や演出で、全体的に温かな作風であった。
「Little Boy」が爆発したニュースに対するアメリカの町の人々の反応と、爆発後の悲惨な映像が映し出された対比は、「戦争の現実」を静かに訴えていた。
米国人目線で展開しているので仕方のないことではあるが、日本人の私にとっては、正直やや抵抗を感じる部分も多かった。

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2016 No.94 「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)」

2016 No.94 「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2015年 仏 Un + une

フランス恋愛映画の傑作「男と女」(1966)を手がけたクロード・ルルーシュ監督と、同監督の作品の多くの音楽を担当したフランシス・レイが再びコンビを組み、情愛に満ちた大人の恋愛ドラマを映画化。
ヒンドゥー教の聖地バラナシやケララ州などインドが舞台で、在印フランス大使館大使の妻アンナ(エルザ・ジルベルスタイン)が、夫との間に子どもを授かりたいとの思いで伝説の聖母アンマに会う二日間の旅に出る。
その彼女を追って旅に同行するのは、フランス人映画音楽作曲家のアントワーヌ(ジャン・デュジャルダン)。
ドロドロとした不倫としてではなく、親密な距離が近づく愛情を、静かに軽やかに描いていた。
抱きしめることで癒しと希望を与える実在の聖母アンマを「愛」の象徴として登場させることや、インド各地の風景を挿入することで、スピリチュアルな雰囲気を十分に出しているところも本作の魅力。
アントワーヌ役のジャン・デュジャルダンは「アーティスト」(2011年)でアカデミー主演男優賞を受賞した俳優だけあって、演技の魅力は大きかった。
ガンジス川での沐浴や街の中の喧騒など、欧米や日本の人が一般的に「インド」に抱くイメージそのもの、すなわち「いかにもインドらしい、、、」もののみを映画の中で扱っているところは、実際に4度訪印した私からすれば「なんだかなあ」という思いにはなった。

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2016 No.93 「後妻業の女」

2016 No.93 「後妻業の女」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

黒川博行の同名小説を、大竹しのぶと豊川悦司の共演で、鶴橋康夫監督が映画化。
資産を持つ独身男性の後妻に手練手管で収まり、財産を奪う「モンスター女」小夜子を演じた大竹しのぶは、さすがは天才女優だけあって、超面白い演技で光っていた。
但し、背後で糸を引く柏木役のトヨエツと同様、大阪弁が全然ダメ(笑)
一昔前のVシネマを豪華俳優陣で描き直したような作風で、少々エロく、かなり下品であるが、この手の物語は決まって「大阪」「北新地」が舞台になっており、ありきたりな設定であった部分は逆につまらなかった。
「大阪」を売りとしている鶴瓶や鶴光を出演させているところも、個人的には興醒め、、、
それらのことを補って余りあるほどの尾野真千子、永瀬正敏ら共演者らの演技!
父親を殺され財産を奪い取られたと考える気の強い娘役の尾野真千子と、開き直る大竹しのぶとの、罵倒しあい、掴み合いの喧嘩をするシーンは最高!

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2016 No.92 「君の名は。」

2016 No.92 「君の名は。」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

高校生の男女が時折入れ替わるというコミカルかつファンタジーな世界観と、ある日突然世界が終わるかのような災害に襲われて絶望に直面しても、失われた人々の想いは時を超えて今を生きる我々とつながっているというレクイエムの世界観とを、繊細なアニメーションで注目を集めている新海誠監督が映画化。
実写と見紛う、いや実写以上の美しい風景描写とRADWIMPSの主題歌を絶妙に絡ませて魅力ある作品になっていた。
男女が入れ替わる設定や、隕石の落下による街の壊滅、時を超えて交わる超現象などこれまでも使い古された題材を組み合わせている内容ではあるが、新海誠監督の技なのか、終始美しく、また観る人の心を掴む演出で、まったく退屈させられなかった。
これまでの歴史の中で様々な大災害により大事な人を失った方は多いが、悲しみを背負って今を生きる方へエールを送るというテーマが分かりやすく伝わり、感動するものであるので、男女が入れ替わっての、、、軽いラブコメディだと思い込まず、機会あれば是非にと勧めたい一作。

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2016 No.91 「青空エール」

2016 No.91 「青空エール」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝

河原和音の人気コミックを土屋太鳳と竹内涼真の共演で、三木孝浩監督が映画化。
数々の漫画を映画化した監督だけあって、構成・演出とも自然で、それなりに娯楽性のある上手く出来た作品だと感じた。
「恋愛もの」というよりは「仲間」や「一生懸命諦めない」をテーマにした、実に爽やかな青春ドラマであった。
共演役も皆それぞれが輝いていており、吹奏楽部顧問役の上野樹里をはじめ、吹奏楽部仲間の葉山奨之や小島藤子、志田未来、野球部仲間の堀井新太、平祐奈、山田裕貴、チアガール役の松井愛莉ら、全員がとても魅力的であった。
ただあまりにも爽やかさが前面に出ていて、都合のよい展開も重なり、これが現代の若者に受ける作風なのかなと個人的にはやや違和感があった。
何よりも主人公の捕手山田を演じた竹内涼真が、まだオボコく控え目な時代の松岡修造に見え、バッテリーを組んだ投手城戸を演じた堀井新太が、まだ世擦れしていない時代の木村拓哉に見えたのは、私だけだろうか?
この二人がスクリーンに大写しになるたび、変な笑いがこみ上げてくるのを抑えることが出来なかった、、、( ̄▽ ̄)

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2016 No.90 「帰ってきたヒトラー」

2016 No.90 「帰ってきたヒトラー」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 独 Er ist wieder da

1945年から現代へタイムトリップしてきたナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーと、彼を物まね芸人だと信じて疑わないリストラ寸前のテレビ放送局カメラマンによる、風刺が利いた人間ドラマが展開されるベストセラー小説を、デビッド・ベンド監督が映画化。
服装も顔も体形もヒトラーに恐らくそっくりの男を演じたのは、舞台俳優のオリバー・マスッチ。
劇中の「彼」は、TVカメラの前でTVの番組内容やマスコミの低俗さを糾弾し、YouTubeやFacebookをすぐに使いこなし、政治家としての自説を唱えるプロパガンダに利用してしまう。
SNS等現代風のものを取り入れたところ、またドイツ国内を行脚するロードムービー的な要素やドキュメンタリー風の要素を取り入れたところは、演出が非常に上手いと感じた。
「ドイツの問題は何だと思う?」との街角インタビューで、国民の政治不信をキャッチし、「私に任せてくれ!」と巧みな話術で人々を魅了してしまう、そのオーラは、恐らく大衆を一気に掌握した当時と同じで、その恐ろしさを彷彿とさせられた。
外国人流入により自国民の雇用状況が逼迫している状況や閉塞感から、ドイツ国民の不満が増大している問題は周知だろうが、ドイツ国民でないと分かりにくいドイツ国内諸問題に対する風刺は、全てを理解できず、やむを得ないが勿体ないとも感じた。

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2016 No.89 「ゴーストバスターズ」

2016 No.89 「ゴーストバスターズ」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Ghostbusters

「ゴーストバスターズ」(1984年)、「ゴーストバスターズ2」(1989年)と当時一世風靡した幽霊退治のアクション・コメディを、このたび女性をメインキャラクターにして、オリジナルを尊重しながらも現代風にしたリブートとして、ポール・フェイグ監督により復活。
幽霊退治の専門会社「ゴーストバスターズ」を立ち上げる4人の女性は、クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズ。
疎遠だった元親友が再会し、幽霊退治を通じて絆を取り戻すといった役を演じている。
特筆すべきは、人気俳優クリス・ヘムズワースが「おバカすぎるイケメン」を演じており、娯楽性を高めていたこと!
超おバカ男性が、主役4人の女性に救われ愛されるところ等は、今風だと感じた。
内容的には気楽に楽しめる作風、、、

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2016 No.88 「秘密 THE TOP SECRET」

2016 No.88 「秘密 THE TOP SECRET」
4点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 日 松竹

清水玲子の同名ミステリーコミックを生田斗真を主演に迎え、大友啓史監督が映画化。
岡田将生、栗山千明、大森南朋、吉川晃司、松坂桃李、リリー・フランキー、椎名桔平ら個性派俳優が豪華に脇を固めていた。
私は原作を読んでいないが、きっと原作の方が深みがあって面白いんだろうなということと、このような斬新な題材なのに娯楽性のある映画作品として昇華できなかった邦画界の力の無さを感じた。
連続殺人やサイコパス、過去の因縁や心に抱えたトラウマなど、それなりに描いていたとは思うが、ホラーなのか、踏み込んではならない「秘密」「人権」といったものなのか、テーマがいまいち定まっていないようで、各登場人物のキャラもイマイチ立っていない。
要するに分かりにくく、あまり面白くないものであった。
演技派俳優が揃う中、重要な役の絹子を演じた織田梨沙の見た目と(主観だが、あまりに不細工(;’∀’))、台詞の棒読みに違和感があり、このことも娯楽性を低めたかな?(;´・ω・) こういう役に二階堂ふみとか使えばよかったのに、、、
期待のわりに少々残念なものを感じた作品であった、、、

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2016 No.87 「ルドルフとイッパイアッテナ」

2016 No.87 「ルドルフとイッパイアッテナ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝

1987年に講談社から出版された斉藤洋の同名児童文学作品が原作。
1991年にはNHK教育テレビの『母と子のテレビ絵本』(現『てれび絵本』)でTVアニメ化もされた心温まる作品。
今回、「ポケットモンスター」シリーズの湯山邦彦と、3DCGアニメで日本を代表する榊原幹典が共同監督を務め、劇場版としてフル3DCGアニメーションで映画化。
榊原幹典が代表を務め米国ロスに拠点を置くSprite Animation Studiosが制作しているのだが、美しくまた娯楽性を高める映像になっていた!
子供向け文学が原作なだけにあり得ない内容や展開であるが、夢と感動で楽しませてくれ、猫好きには感情移入もしやすい可愛らしい作品。
飼い猫である子猫ルドルフが、長距離トラックに乗り込んでしまい、故郷から遠く離れた東京に行ってしまい、そこで逞しく生きる野良猫のイッパイアッテナに出会う。
イッパイアッテナに学び、前向きに行動し、故郷の大好きな飼い主のところに戻ったシーンでは心で泣いた。
ルドルフとイッパイアッテナの声優は井上真央と鈴木亮平が担当。
特に鈴木亮平は嵌っており、イッパイアッテナがより擬人化していたと思う。
子供連れて観にいく作品には、とても良い!

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2016 No.86 「X-MEN:アポカリプス」

2016 No.86 「X-MEN:アポカリプス」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 X-Men: Apocalypse

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(2011年)、「X-MEN:フューチャー&パスト」(2014年)のシリーズ続編で、新3部作から旧3部作へとつなぐ本作を、続投のブライアン・シンガーが監督が映画化。
人類の文明誕生以前からミュータントの力を使い、神として世界を支配していたアポカリプスが、数千年の眠りから目を覚まし、堕落した地球上の世界を嘆き、一旦全てを壊滅させることを企てる。
その企みをX-MENたちが阻止する戦いの内容であるが、その壮絶さ、迫力は見応え十分!
シリーズの全容をしっかりと理解していたほうがより深く楽しめること間違いないのだが、間が空いての公開なので、どうも忘れがちな中、理解が追い付かないところもありで、、、好きな方は復習を兼ねてこれまでの作品を見直したほうがいいかも、、、

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2016 No.85 「ジャングル・ブック」

2016 No.85 「ジャングル・ブック」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 The Jungle Book

ルドヤード・キプリングの同名小説を原作にしたディズニーアニメーションをジョン・ファブロー監督が実写映画化。
主人公の人間モーグリを可愛らしくも逞しく演じたのは、12歳の新人ニール・セディ君で、2,000人程のオーディションから選ばれたインド系米国人。
表情豊かな彼の目の輝きはとても魅力的であった。
また彼以外の動物やジャングルなどの背景は全てCG技術で生み出したもので、ロスのスタジオ内で全てを撮影したというその技術は圧巻!
ジャングル内の木漏れ日や風、動物の表情や筋肉の動き、重量感などをリアルに表現し、本物と見間違いスクリーンに引き込まれること必至!
ベン・キングズレー、ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、クリストファー・ウォーケンら豪華キャストが動物たちの声を個性的に演じており、ミュージカル風な要素も入って娯楽性はかなり高かった!
子供から大人まで、それぞれが相応に十分楽しめる本作品は、かなり質が高く超オススメ、、、なんといっても私、珍しくこの作品に2回、映画館に足を運んだのであった:(笑)

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2016 No.84 「ターザン:REBORN」

2016 No.84 「ターザン:REBORN」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 The Legend of Tarzan

エドガー・ライス・バローズの小説「ターザン」を原作にデビッド・イェーツ監督がアクションアドベンチャーとして映画化。
“野人”ではなく、気品に満ちた英国貴族ジョンとして登場しており、過去にジャングルで出会った妻ジェーンと共にロンドンへ移り住んでいる。
そんな中、コンゴの植民地政策の策略に利用されようと罠にはめられ、ターザンとして故郷コンゴのジャングルに舞い戻るという展開。
ターザン役のアレクサンダー・スカルスガルドは、筋肉隆々としているが、しなやかな体つきと身のこなしで、気品あるターザンを上手く演出していた。
一方、ヒロインのジェーン役マーゴット・ロビーも可愛らしさの中に気の強さをもつ女性を演じており、本作の悪役を務めたクリストフ・ワルツとともにしっかり脇を固めていた。
空撮とCGの技術が凄く、リアルな動物がジャングルを飛び交うシーンが満載で、動物好きには堪えられない娯楽性あり!
和解や勧善懲悪をテーマに内容はシンプルであるが、大スクリーンで楽しめる娯楽大作としてオススメ。

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2016 No.83 「シン・ゴジラ」

2016 No.83 「シン・ゴジラ」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)
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2016年 日 東宝

「ゴジラ FINAL WARS」(2004年)以来12年ぶりとなる本作品は、庵野秀明が総監督・脚本を、樋口真嗣が監督を、特撮に強い尾上克郎が准監督をそれぞれ務め、ハリウッド版「GODZILLA」を凌ぐような大作になっていた!
ゴジラの体長は120メートル近い設定で、すべてがCGによるものだそうだ。
エンドロールで「野村萬斎」の名前を見たとき、「えっ!どこに出ていたんだろう?分からなかった!」と慌てたが、後で調べてみるとゴジラの動きを定めるにあたって、狂言師としての身のこなしを参考にしたらしい。
いわゆるモーションキャプチャーアクターというもので、本人が直接出演したものではないことが分かり、ややほっとした(笑)。
さて主人公役は、今をときめく長谷川博己が務め、他の共演者として竹野内豊や石原さとみ、高良健吾ら大勢の俳優が参加していたのも迫力があった。
ゴジラをめぐって、政府(防衛省)が武力行使か人命尊重かの決断を迫られる緊迫した展開や、官僚を含め組織で動く日本的な人間模様もしっかり描かれており、娯楽性の高い内容であった。
日頃の映画鑑賞で、「アメリカ万歳」「アメリカが一番強い」的なものによく接するが、本作は「日本万歳」「日本も(危機に瀕したら)まだまだ捨てたものではない」的な主張も強く、たいへん痛快であった!
総理大臣が首都を離れる際にゴジラの襲撃で行方不明(恐らく命を落としたとの設定)になり、すぐさま農水大臣が首相代行となる件があるのだが、その際に「次のリーダーがすぐに決まるのが強みだな」という皮肉めいた台詞がある。
米国映画にありがちな「強い個」「強いリーダー」の存在に対して、日本の強みともいえる「強い組織」「強い人間集団」を浮き彫りにしているところは、日本の本質を上手く表現した秀作であると感じた!
またゴジラの尻尾がやたらと長くて猫の尻尾を思い出したり、ゴジラの最初の上陸時のまだあどけない顔から亀の顔を思い出したりと、動物好きな人にとっては、「ゴジラ、可愛そう」と思わずにはいられないオマケつき、、、(笑)

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2016 No.82 「ロスト・バケーション」

2016 No.82 「ロスト・バケーション」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 The Shallows

シンプルなサメ恐怖映画だが、主演のブレイク・ライブリー効果と、工夫された演出でとても娯楽性の高い作品であった!
監督はジャウム・コレット=セラ。
巨大なサメの突然の襲撃で足を負傷し、なんとか海上に僅かに顔を出す岩場に難を逃れるも、そのサメが執拗に岩場を周回する恐怖。
またその岩場も満潮に向け沈んでいくといった演出も良かった。
しかしなんといっても、ブレイク・ライブリーの魅力が凄い!
「アデライン、100年目の恋 」(2015年)において、上品な顔立ちで魅力を発揮していたが、本作品ではビキニ姿でそのグラマラスなボディを披露!
(下ネタには無縁の私であるが)
プリリっとしたおちりに、ウェットスーツから覗く半ちち(;’∀’)、鮮血したたる太腿(;´Д`)、、、ビーチまで凡そ200メートルなのに誰も気づかない孤立感、岩場の周囲を虎視眈々と周遊し美味しそうな「お肉」に執着するサメ、もう男性目線とも言えるカメラワークと演出にまんまと嵌り、目が離せない展開なのであった(笑)
連日の暑さを吹き飛ばせそうなこの作品、オススメ(;´Д`)

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2016 No.81 「疑惑のチャンピオン」

2016 No.81 「疑惑のチャンピオン」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 英・仏合作 The Program

ドーピング問題で、「ツール・ド・フランス」7連覇(1999年~2005年)などの記録がすべて取り消されたロードバイク・レース選手ランス・アームストロングの栄光と転落の人生を、ベン・フォスターを主人公役に迎え、スティーブン・フリアーズ監督が映画化。
アームストロングのドーピング疑惑を徹底追求し、薬物投与の実態を暴いたジャーナリストの著書に基づく展開。
自らガンを克服してレース界に復帰し、ガンで苦しむ多くの人々に勇気を与え続けたヒーローでありながら、その実はアスリート本人のモラルと人間性に大きな問題があったことを示唆する骨太の内容であった。
主人公役のベン・フォスターの玉虫色の表情が、ヒーローの面と、ダークな面とを上手く表現しており見応えは十分!
ドーピングで疑問視されていた事態の詳細を私は知らなかったので、連覇を重ねている時期は、かなりヒーロー視していただけに、本作で改めてショックを受けた。
リオ五輪を目前に、またロシアの同問題も注目されている中で、旬なテーマを取り扱った興味深いものであった。

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2016 No.80 「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」

2016 No.80 「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 蘭 De Surprise

題名通りの“サプライズ”をスパイスにして、尊厳死の幇助を裏稼業とする謎の「代理店」を訪れ自殺しようとするオランダ貴族で大富豪の主人公(イェルーン・ファン・コーニングスブリュッヘ)と、「代理店」で出会った女性との間で巻き起こる騒動で展開する。
マイケ・ファン・ディム監督が脚本も務めており、単純なラブ・コメディではなく、ブラック・ユーモアたっぷりに描いていた。
尊厳死を合法化したベルギーを舞台にしており、同じく合法化したオランダの映画でもあって、日本人の死生観とは異なっており、その違いについてさほどの違和感を覚えなければ(気にしなければ)、リラックスして楽しめること請け合いである。
尊厳死の幇助を裏稼業とする謎の「代理店」をインド人ファミリーが行っている点も、なんとなくおかしかった。
ストーリーとしては少々雑なところもあるが、お洒落風に展開し、超高級車を色々と堪能できるオマケ付きで、見終わったあと幸せな気分になれる作品であった。

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2016 No.79 「二重生活」

2016 No.79 「二重生活」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 日 スターサンズ

小池真理子の同名小説を岸善幸監督が映画化。
哲学科を専攻する大学院生の主人公珠(門脇麦)が研究論文作成の為に、教授の勧めで、ひとりの人物を対象として気づかれないように生活や行動を記録する「尾行」を実践することに。
この禁断の香り漂う「尾行」が、その対象者(長谷川博己)の2面性を、そして「尾行」する主人公自身の2面性を浮き彫りにし、本作を観ている側も、主人公の視点を淡々と追体験しながら、人間の本性を垣間見るかのようなハラハラする面白さがあった。
論文作成に「尾行」を勧めた教授自身の生活(人生)にも二重性をもたす演出もあり、少々難解な展開をしているところもあるが、門脇麦と長谷川博己の好演が光り、ワンシーン・ワンカットの撮影効果も相まって、色気や生々しい趣のある作風になっていた。
小説を楽しむような感覚が好きな方には嵌るかも、、、

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2016 No.78 「ファインディング・ドリー」

2016 No.78 「ファインディング・ドリー」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 米 Finding Dory

「ファインディング・ニモ」(2003年)の続編。
マーリンとニモ親子の親友でナンヨウハギのドリーが、家族を探すために繰り広げる冒険の旅を、前作と同様アンドリュー・スタントン監督が映画化。
ピクサー・アニメーション・スタジオならではの素敵な作品に仕上がっていた。
記憶障害のドリーだからこそ、旅の中でのハラハラ・ドキドキの感動が味わえ、フラッシュバックを効果的に使った演出は流石だなと思った。
様々な海洋生物キャラが登場し、自分好みのキャラを探してみるのも面白いと思う。
今回大活躍のタコのハンクのキャラがとても格好良かった。
ハンディがあるなど社会的に弱い立場にあっても、可能性を開いていくことの尊さや、家族・仲間の尊さを考えさせてくれるテーマも描きこまれており、多くの方が楽しめる秀作には違いないが、、、自分がさらに年を重ねたせいか、個人的には「子供向け」だなあと思った次第、、、

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2016 N0.77 「ふきげんな過去」

2016 N0.77 「ふきげんな過去」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東京テアトル

平凡な毎日を不機嫌に暮らす高校3年生の果子(二階堂ふみ)が、遠い昔に死んだと思われていたのに突然目の前に現れた伯母・未来子(小泉今日子)の自由奔放さに触れ、少しずつ閉塞的な日々を変えていくドラマを、劇作家でもある前田司郎監督がオリジナル脚本を書いて映画化。
コミカルなシーンが至るところに出てくるが、どれもこれもかなりシュールで、物静かな場面も非常に多く、好みが分かれる作品だと思う。将来が楽しみで、個人的にも天才女優だと思う二階堂ふみの演技がとても良い!
独りであっても家族と一緒にいても、人間ってのは孤独で寂しいものだという作中の台詞がそのままテーマにもなっており、かなりユニークな作風であった。

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2016 No.76 「インデペンデンス・デイ リサージェンス」

2016 No.76 「インデペンデンス・デイ リサージェンス」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 米 Independence Day: Resurgence

「インデペンデンス・デイ」(1996年)の20年ぶりの続編で、前作と同様、ローランド・エメリッヒが監督を務めた。
主人公をリアム・ヘムズワースが演じ、前作のキャストも一部続投していた。
さて前作に味わって記憶に残った圧倒的な破壊力をもつエイリアンが、今回はどのようにパワーアップしたのかという期待で観に行ったわけだが、実は驚いたことに、、、竜頭蛇尾を否めなかった。
この作品にして、睡魔に襲われる始末(笑)
確かに予告編やポスターでも出ていた大陸が浮き上がり、、、というシーンはスケールの大きいものであったが、そのあとが続かない。
エイリアンの攻撃が甘く(どうしてそんなに弱いの?)、観ている側に「絶望感」や「悲壮感」をそれほど与えないのだ。
しかも地球側の武器や戦闘機が、前作で捕えたエイリアンから技術を盗んでコピーしたようなものが使われているためか、地球の人類の結集だとか米軍万歳とかいった昂揚感が今回はあまり感じることが出来ず、演出にかなり問題有りとみた。
どうも「次」がまたあるような伏線を感じたのだが、3作目制作がやはり決まったようである。
相当馬力を入れ、演出を根本から見直さないと、恐らく次作はそれこそ悲惨なことになる予感、、、

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2016 No.75 「シング・ストリート 未来へのうた」

2016 No.75 「シング・ストリート 未来へのうた」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2015年 愛・英・米合作      Sing Street

「ONCE ダブリンの街角で」(2007年)「はじまりのうた」(2013年)を世に出したアイルランド・ダブリン生まれのジョン・カーニー監督が、自伝的作品として、バンドを組んだ少年の恋と友情を、家族愛や兄弟愛も交えて描いた作品。
不況にあえぐ85年のアイルランド、ダブリンが舞台。
父親が失業し学費の安い荒れた公立校に転校を余儀なくされた14歳のコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、街で見かけた年上の少女ラフィーナ(ルーシー・ボーイントン)に惚れ、振り向かせようとの想いから慌てて仲間と共にバンドを結成する。
両親の喧嘩も絶えず崩壊しそうな家庭環境の中で、前向きに生きようとする少年が音楽とともに希望を育てていく姿が健気で何とも爽やか。
「ハッピー・サッド」という言葉が作中出てくるが、悲しみとともにある喜び、喜びとともにある悲しみを両方受け入れて、それを希望に変えていくことが、音楽であり生きることだと伝えてくる。
ジョン・カーニー監督も、80年代ブリティッシュサウンドに憧れた72年生まれ。
作中にもDuran Duranの「リオ」をはじめ、A-ha(アーハ)やザ・ジャム、ザ・キュアー、ダリル・ホール&ジョン・オーツらの名曲が流れノスタルジーたっぷり!
またオリジナル曲も秀逸!関西、関東ともミニシアター系列での上映であるが、是非!

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2016 No.74 「ブルックリン」

2016 No.74 「ブルックリン」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 愛・英・加合作 Brooklyn

仕事も出会いもない、因習深く閉鎖的なアイルランドの田舎町を後にして、ニューヨークのブルックリンへ移住した少女の揺れる心を描いた青春ドラマを、ジョン・クローリー監督が映画化。
第88回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネートされただけあって、主人公を演じたシアーシャ・ローナンの好演も、叙情詩的な作品の趣も心地よいものであった。
ブルックリンで出会った男性と、姉の訃報で故郷に戻った際に久しぶりに再会した男性との間で想いが揺れ、観ている(特に男性)側が、どちらを選択するのだろうとハラハラさせられる演出も面白く、アイルランド人の目で見た米国コニーアイランドのビーチでの場面と、米国の暮らしに慣れた後で見た故郷アイルランドの地元ビーチでの場面の対比等、上手く表現していた。

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2016 No.73 「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」

2016 No.73 「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 米 Alice Through the Looking Glass

「不思議の国のアリス」をもとに描いたファンタジー「アリス・イン・ワンダーランド」の続編で、前作同様ティム・バートンが制作に関わり、新たにジェームズ・ボビン監督が加わった。
ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム・カーターら前作のキャストが続投。
アリスが船長として大人になっており、未来だの自立した行動だのと主張しているが、単に身勝手な行動で不思議の国を混乱させているとしかみえず、特に倒すべき悪人も存在せず、勧善懲悪ストーリーでもないので、大人向きとも子供向きとも分かりにくく、個人的には非常に残念な内容であった。
前作もつまらなかったので期待せずして臨んだのだが、期待以上に?つまらなく、美しい美術に惑わされながらも、特に睡魔が襲う前半を乗り切って、最後までようやく見届けた(笑)。
美しいアン・ハサウェイが光っておらず、またアリス役のミア・ワシコウスカの老けぶりがやたらに目につき、ほとんど楽しみを得れない結果に、、、
それでも世間は、この作品に喝采を送っているようで、、、???

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2016 No.72 「日本で一番悪い奴ら」

2016 No.72 「日本で一番悪い奴ら」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東映・日活

「日本警察史上、最大の不祥事」と言われる「稲葉事件」(2002年・北海道警察)を題材に、捜査協力者で「S」と呼ばれる裏社会のスパイを使いながら、暴力団と密接に癒着して悪事に手を染め転落していく姿を描いたもの。
主人公の刑事諸星要一を演じる綾野剛があまりに嵌っており、荒んだ状況の中でキラリと光り、またピュアなものも感じさせる絶妙な演技は見応えが大きかった。
一方で、裏社会の中心として中村獅童が登場するが、彼の俳優としてのオーラが今ひとつ、もしかしたら演技力が今ひとつなのか、物足りなさを感じざるを得なかった。
彼の存在感がより大きく発揮されたものなら、この作品はより大きな名作となっていたかもしれないと思う。
風刺的かつコメディタッチの趣でこの「やくざ映画」を撮ったのは、2013年公開映画「凶悪」を出した白石和彌監督であり、今後もエンターテイメント性の高い作品を出してくれる期待が大きい。
警察の世界にも銃を押収したら何点とか、事細かくノルマや得点制を敷いているところなど、興味深かい内容であった。

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2016 No.71 「マネーモンスター」

2016 No.71 「マネーモンスター」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/3点)

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2016年 米 Money Monster

名女優ジョディ・フォスターが監督として世に出す4作目で、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが主演を務め、金融やTVショーを題材にしてのサスペンス。
司会者リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)の軽快なトークが売りの財テク情報番組「マネーモンスター」の生放送中に起きたテロまがいの事件から展開。
スタジオ内から建物外に舞台が移る演出や、番組ディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)とMC司会者ゲイツとの連携の様子、意図的な株価操作を行った裏の真実を暴く様など、テンポよく内容も面白いのであるが、例えば「刑事コロンボ」にあるような観客を唸らせるようなオチを用意していたら尚良かったものと思う。
ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの好演は良いものの、物語の展開をもっと掘り下げて欲しかったかな、、、

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2016 No.70 「10 クローバーフィールド・レーン」

2016 No.70 「10 クローバーフィールド・レーン」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 米 10 Cloverfield Lane

J・J・エイブラムス製作でダン・トラクテンバーグ監督によるSFサスペンス。
前半からの大部分は密室劇で心理戦の趣があるも、ラストの10数分はなかなかのビックリな展開。
特にこの作品、関心をもつ方にネタバレになるといけないので、内容には触れることが出来ないが、人間の本質として恐ろしい部分や疑心暗鬼に嵌っていく心理などが楽しめるものであった。
主人公の強い女性ミシェル役はメアリー・エリザベス・ウィンステッドが務め、ジョン・グッドマンやジョン・ギャラガー・Jr.が脇を固める。
観る人により娯楽性についての賛否が分かれそうであるが、B級ムービーとしてみれば中々の出来ではないかなと思う、、、

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2016 No.69 「夏美のホタル」

2016 No.69 「夏美のホタル」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点+かすみちゃんボーナス5点!?)
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2016年 日 イオンエンターテイメント

森沢明夫の同名小説を原作に、プロ写真家志望の学生夏美を有村架純が演じ、廣木隆一監督が映画化。
親子の愛情をテーマにしたヒューマンドラマで、風景や演出が邦画ならではの良い趣が出た作品であった。
共演は工藤阿須加、小林薫、光石研、吉行和子と演技派が揃い、脇を固めていたが、主演の有村架純の演技力はやはりまだまだ、、、
彼女の出演作品すべてを観てきているが、キラキラした可愛いオーラが強いので主演に抜擢されているが、もう少し演技力を磨かないと、女優として長生きできないかもしれない不安が、ファンの私の心をよぎる、、、(笑)

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2016 No.68 「トリプル9 裏切りのコード」

2016 No.68 「トリプル9 裏切りのコード」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 米 Triple 9

元軍人と悪徳警官で構成されたギャング団のクライム・アクションをジョン・ヒルコート監督が映画化。
警官が襲われた際の非常事態に発せられるコード「999(トリプルナイン)」を利用した襲撃作戦などリアリティさと緊張感あるアクションは見応えがあるも、人物の繋がりや背景の描かれ方が弱いまま一気に展開するので正直分かりづらくなっていたのが残念。
出演者はケイシー・アフレック、キウェテル・イジョフォー、ノーマン・リーダス、ウッディ・ハレルソン、ケイト・ウィンスレットら豪華な顔ぶれなだけに、B級チックな作品に終始したのは勿体ない。

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2016 No.67 「クリーピー 偽りの隣人」

2016 No.67 「クリーピー 偽りの隣人」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 松竹、アスミック・エース

前川裕の小説「クリーピー」のサスペンススリラーを黒沢清監督が実写映画化。
薄気味悪い隣人によって夫婦が暗闇の恐怖に引きずり込まれる内容であるが、とにかく天才香川照之が期待通りの怪演振り!
主人公の元刑事で犯罪心理学者を西島秀俊、その妻を竹内結子、元警察同僚を東出昌大が演じており、夏の季節に合ったスリラー作品として秀逸(~_~;)

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2016 No.66 「教授のおかしな妄想殺人」

2016 No.66 「教授のおかしな妄想殺人」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米 Irrational Man

思う通りにならない人生の不条理を、ウッディ・アレン監督ならではの、ゆるりとしながらも独特なブラックがかったユーモアセンスで描いたコメディ・サスペンス作品。
洋画に付けられる邦題は、大抵ナンセンスであるが、本作品の邦題は上手く表現したものと感じた。
妄想ってところが、なんとも本作品の趣を言い当てていて面白い!
さて見応えあるのは、主演の二人。
ホアキン・フェニックスの妄想から雰囲気が変わるところの味のある好演と、エマ・ストーンのちょっと小悪魔的で妖艶でありながらも知的で上品な学生を好演したところは非常に魅力的であった。

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2016 No.65 「二ツ星の料理人」

2016 No.65 「二ツ星の料理人」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米 Burnt

料理の腕は一流だが、トラブルを起こしてすべてを失ったシェフをブラッドリー・クーパーが好演するヒューマンドラマをジョン・ウェルズ監督が映画化。
一人では成し遂げられないことも、仲間と共有してチームワークを発揮すれば、、、という分かり易いテーマに、程よい挫折やら恋愛を交えてテンポよく展開するところは見やすかった。
過去のトラブルの中身を敢えて伏せた演出なのだが、それを描けばより深みのあるキャラクターになっていただろうと個人的には感じた。
主人公を支える仲間らに、シエナ・ミラー、ダニエル・ブリュール、オマール・シー、ユマ・サーマン、エマ・トンプソン、アリシア・ビカンダーら豪華キャストが共演。
出てくる料理も美味しそうに演出されていて、娯楽性を高めていた。

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2016 No.64 「64 ロクヨン 後編」

2016 No.64 「64 ロクヨン 後編」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

まずは本当に偶然のことであるが、今年映画館に足を運ぶこと第64回目は、なんと「64 ロクヨン」!
毎年100本以上観続けておれば、たまには面白い巡りあわせもあるということなのか(笑)
さて本作の「64 ロクヨン」は、昭和64年~天皇崩御の為たった7日間しかなかった64年を表わしており、その時期に起きて、未解決のまま時効が迫る身代金目的の誘拐殺人事件が題材。
人間の強さや弱さ、家族間や組織間での様々な人間関係・人間模様を重厚に描き出した横山秀夫の小説「64(ロクヨン)」を瀬々敬久監督が映画化。
主演の佐藤浩市をはじめ、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、永瀬正敏、三浦友和らが共演し、皆が好演しており、原作を変更したとも聞くが、十分に重厚な展開を楽しめる娯楽性の高い作品であった。
全篇通して、主演佐藤浩市の露出が高く、彼の代表作にもなるであろう演技振りであったが、その彼を超えるほどの存在感振りを発揮していたのは、誘拐され殺された娘の父親役を演じた永瀬正敏である!
ネタバレになるので詳しくは書けないが、台詞少ない中でここまで人間性や背負っているもの、執念を深く掘り下げて演じきったのはさすがとしかいいようがない!
正直、脚本はありきたりで、演出の細部に少し粗さも目立つが、俳優たちの迫真の演技は是非観る価値があるものと思う。

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2016 No.63 「高台家の人々」

2016 No.63 「高台家の人々」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

森本梢子の少女漫画「高台家の人々」を、綾瀬はるかと斎藤工の主演で、土方政人監督が実写映画化。
上流階級の高台家の御曹司(斎藤工)と、地味で妄想癖の強いOL木絵(綾瀬はるか)との、ピュアでハートフルなラブ・コメディ。
高台家直系の人々は、人の心を読むことが出来る能力が備わっているところから、それぞれが悩み、周囲の人たちと感情が交錯するところが実に面白い!
私は原作コミックを読んでいないが、主演の二人も、そして水原希子、間宮祥太朗、大地真央、市村正親ら脇を固めている共演者も、役にはまっていて違和感なく楽しめた。
また高台家自宅には神戸市垂水区塩屋にあるレストラン“ジェームス邸”が、木絵の実家には安曇野市がそれぞれロケ地となっており、個人的にたいへん嬉しい「絵」のような風景であった。
久しぶり、ほっこりとさせられる上品なラブ・コメディを観た。オススメ、、、

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2016 No.62 「サウスポー」

2016 No.62 「サウスポー」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Southpaw

怒りの感情をうまく抑えられない自身が起こした騒ぎの結果、重大な不幸を招き、落ちぶれてしまったボクシング元世界チャンピオンの再起と、父親と娘の絆を描いたドラマをアントワン・フークア監督が映画化。
主人公ビリー・ホープ役のジェイク・ギレンホールという俳優については、私もここ最近の作品「エベレスト 3D」を含め何本か観ているが、本作ではキレキレの鍛えられた肉体美に、納得感のあるアクションで魅せており、正直驚かされた。
ストーリーそのものは全くの定番で、妻役のレイチェル・マクアダムスの好演は良かったが、肝心な娘役の子どもの演技が私個人的には「?」のレベルであった為か、期待以上の感動には至らなかった。
主人公が再起を目指す中で登場するボクシング・トレーナー役として、名優フォレスト・ウィテカーが出演しているが、さすがは職人芸的な上手さ!本物のトレーナーのように感じさせるものであった!

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2016 No.61 「ヒメアノ~ル」

2016 No.61 「ヒメアノ~ル」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 日活

古谷実の同名コミックを、「V6」の森田剛主演で、吉田恵輔監督が実写映画化。
快楽連続殺人犯の森田正一役を見事なまでに森田剛が演じており、元高校の同級生で平凡な日常を送っていた岡田役に濱田岳、この二人を交錯させるきっかけとなったユカ役に佐津川愛美、安藤役にムロツヨシが共演。
これら出演者の体当たり演技は、見応えがあり記憶に残るレベル。
エグさ、グロさ、エロさが過激な為、R15+の制限付きであり、TVではなく映画でこそ楽しめる娯楽性の高い作品でった。
タイトルの「ヒメアノ~ル」は聞きなれない言葉だが、ヒメトカゲという小型トカゲの一種。つまり「基本的に被食者であること」を暗喩したものであるが、被食者が捕食者に変貌するその暴力の連鎖のような描き方が面白かった。
様々な「対照」を取り入れた演出や撮影法で、日常に潜む危険と恐怖がすぐそばにあるという感覚を浮き彫りにし、主人公森田の暗く深い心の闇をうまく描き出していた。
作中、タイトルの「ヒメアノ~ル」 を出してくる絶妙なタイミングも、ウ~ンと唸らせられた。
この作品、映画通な方、特にサイコ好きな方は必見かも。
私は原作コミックを見ていないが、ラストの趣が原作と映画とで異なっているそうで、原作を読まれた方も改めて楽しめるのではないだろうか、、、

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2016 No.60 「追憶の森」

2016 No.60 「追憶の森」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米 The Sea of Trees

自殺が多いとされる富士山の麓の青木ヶ原樹海を舞台に、マシュー・マコノヒーと渡辺謙の名優の共演で、死生観をテーマにした濃密な人間ドラマをガス・バン・サント監督が映画化。
アーサーの妻役としてナオミ・ワッツも共演。
あることから自殺を決意し死に場を青木ヶ原樹海を選んで来日した米国人男性アーサー(マシュー・マコノヒー)は、樹海の中で、ナカムラタクミと名乗る自殺を断念して樹海から抜け出ようとする男(渡辺謙)に出会う。
実際のロケは米国マサチューセッツ州の森や川の流域であったようだが、まるで富士山の麓の樹海であるかのように上手く演出されていて違和感はなかった。樹海の中での二人の会話がメインで、さすがは名優の二人だけあって表情を含めた演技合戦は見応えがあり、派手な展開はないものの全く退屈させない作品であった。
昨年のカンヌ映画祭で初上映の際、「なぜ、米国人が自殺する為、わざわざ日本に行くのだ?設定が不自然だ」という声が多く、酷評だったようだ。
作中に何故日本のそこなのかという件は描かれてはいるし、我々日本人が観る分にはそのあたりは大して気にならないと思う。
本作は地味であるが、なかなか心に響くものであった。

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2016 No.59 「エンド・オブ・キングダム」

2016 No.59 「エンド・オブ・キングダム」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 英・米・勃合作 London Has Fallen

米国大統領のシークレットサービスとテロリストとの戦いを描いたアクションサスペンス「エンド・オブ・ホワイトハウス」(2013年)の続編をババク・ナジャフィ監督が映画化。
主人公シークレットサービス役にジェラルド・バトラー、米国大統領役にアーロン・エッカート、同国副大統領役にモーガン・フリーマンと前作に引き続き豪華俳優が集結!
前作ではホワイトハウスがここまで壊すか!というほどめちゃくちゃに攻撃されたが、本作では「映画とはいえ、よく英国が了解したなあ」と余計な心配をするほど、また「一体、何を警備してたんですか?」と首を傾げたくなるほどのパーフェクトなテロ攻撃を受け、ロンドンが完膚なきまでに破壊される!
これだけでも娯楽性は高いのだが、殺される寸前までボコボコにされる米国大統領、圧倒的な強さをもつシークレットサービスと、有り得ないキャラがこれまた面白い!
ホワイトハウス、ロンドンに続いて、また新しいシリーズ最新作を観たくなること必至!

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2016 No.58 「オオカミ少女と黒王子」

2016 No.58 「オオカミ少女と黒王子」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 ワーナー・ブラザース映画

八田鮎子の同名コミックを二階堂ふみ、山崎賢人の主演で、廣木隆一監督が実写映画化。
恋愛経験ゼロなのに友だちの手前、架空の彼氏を語る「オオカミ少女」の篠原エリカ(二階堂ふみ)と、ひょんなことから彼氏のフリをすることを承諾するイケメン同級生・佐田恭也(山崎賢人)とのよくある青春物語であるが、恭也のキャラが素直に気持ちを表現できず心も開かない、見た目腹黒で超ドSの「黒王子」であるところが面白い!
さてヒロイン役の二階堂ふみであるが、私は彼女の数ある出演作全てを観てきて、将来性の高い天才演技派女優だと思っている。
現在の年齢が21歳と若い割に、これまで「大人の女」も演じてきたので、今回の女子高生役はどうなのかと思ったが、演技力抜群な上に童顔でもあるのでまったく違和感なかった。
もし演技力がイマイチの可愛い子ちゃんがこの役をやっていたなら、それなりの作品になっていたであろうが、演技力の高い二階堂ふみによって、娯楽性の高い良作の青春映画になったと感じた!
作中、研修旅行として神戸を訪れるので、ハーバーランドや防災センター、異人館街、南京町、ヴィーナス・ブリッジなど「The KOBE」的な各所ロケ風景も楽しめる!
余談ながら、、、ハーバーランド「モザイク」から全速力で走りだす山崎賢人が、多少息を切らせて着いたのが「ヴィーナス・テラス」というところで、「さすがに無理っしょ(笑)」とツッコミを入れたのは、私だけではないと思う、、、

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2016 No.57 「スノーホワイト 氷の王国」

2016 No.57 「スノーホワイト 氷の王国」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 The Huntsman: Winter’s War

グリム童話の「白雪姫」をアレンジした「スノーホワイト」(2012年)の続編であり、前作でスノーホワイトとエリックによって滅ぼされた邪悪な女王ラヴェンナの過去や、彼女の妹で「氷の女王」と呼ばれるフレイヤの存在を描いたもう一つの「白雪姫」ストーリーをセドリック・ニコラス=トロイヤン監督が映画化。。
エリック役のクリス・ヘムズワースやラヴェンナ役のシャーリーズ・セロンは前作同様登場し、。フレイヤ役のエミリー・ブラント、エリックの妻サラ役のジェシカ・チャステインの美女二人が新たに加わり、全篇美女を拝める豪華な作品!(笑)
戦闘シーンは「アナ雪」の実写版のようで美術全般は美しい。
ただ脚本が良くないのか、姉妹の喧嘩と、氷の王国の掟である恋愛禁止に背く二人の男女の戦いが並行して展開する単純な内容の割に、人物の心の葛藤の掘り下げがあまく、感動におそわれる程ではなかった。

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2016 No.56 「太陽」

2016 No.56 「太陽」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 KADOKAWA

劇作家・演出家の前川知大の劇団「イキウメ」の同名舞台を、神木隆之介と門脇麦を主演に迎え、入江悠監督が映画化。
確実に賛否両論出るであろう内容で、観た後に目にした世の中のレビューも両極端な評価!
私は実は、この作品におおいにハマリ、とても楽しめた!
神木隆之介を役者として好きなこともあるが、舞台設定が何とも面白く、「生きていくとは」のテーマを考えさせてくれ、若者の悲哀が伝わるもので、私の好みに合った。
さて凡その内容だが、近未来においてパンデミックによる人類激減を迎え、ウィルス抗体をもち進化しながらも太陽の光に弱く夜しか生きられなくなった新人類「ノクス」と、ノクスに管理されながら貧しく生きる旧人類「キュリオ」とに世界が分かれる。新人類「ノクス」として制約の中で文明的な生活を送って生きるか、旧人類「キュリオ」として貧しくも太陽のもとで自由に生きるか、若者たちは(抽選に当選し変換手術を受けるのが前提で)どちらで生きていくか選択でき、思い悩む。
身体的に進化した「ノクス」は、「心の痛み」を理解する感情にも欠けてしまい、感情をもたない合理的なロボットのような言動になるところも設定が面白かった。
カメラ回しや長尺演技など「舞台劇」のような趣もあり、全般的に好みが分かれるのであろうが、迷うのなら是非ご覧に!

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2016 No.55 「海よりもまだ深く」

2016 No.55 「海よりもまだ深く」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 ギャガ

人生の中盤になってもまだ自身の過去の栄光や、壊れた家庭の回復やこれからの夢に執着し、大人になりきれない男・良多(阿部寛)を主人公に、彼をとりまく母(樹木希林)や前妻(真木よう子)、そして亡き良太の父を主軸に展開するヒューマンドラマを是枝裕和監督が映画化。
小林聡美、リリー・フランキーらも共演し、演技派俳優が揃っての、邦画の良さを発揮した妙味ある作品であった。
タイトルの「海よりもまだ深く」は、テレサ・テンの「別れの予感」の歌詞に由来すると思われ、作中でも彼女の歌がラジオから流れる。
樹木希林扮する良多の母親が吐く名言が幾つかあり、味わい深い、、、
「幸せってのはね・・・何かを諦めないと手に出来ないもんなのよ」
「海より深く人を好きになったことなんてないから生きていける」。
他の登場人物の言葉も「大人」の言葉で、、、
「そんなに簡単になりたい大人になれると思ったら大間違いだぞ!」(主人公)、
「愛だけじゃ生きていけないのよ、大人は」(前妻)、
「誰かの過去になる勇気を持つのが、大人の男ってもんだよ…」(主人公の勤め先興信所の所長)
阿部寛扮するダメ男ぶりの細かな描写が実に上手くて、クスクス笑えること必至。
小説を楽しむような作風であり、オススメ。

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2016 No.54 「殿、利息でござる!」

2016 No.54 「殿、利息でござる!」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日本 松竹

磯田道史著「無私の日本人」の中に収録されている一編「穀田屋十三郎」を原作に、阿部サダヲを主演に迎え、中村義洋監督が映画化。
共演者も、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平、西村雅彦ら個性派俳優が揃いたいへん豪華!
ストーリーは江戸中期の仙台藩が舞台で、お上の重税で夜逃げが相次ぐ中、宿場町を守るために奔走する人々を描いたもの。
人情や人としての徳がテーマで、笑いあり、ほろりとなるところもありで、十分楽しめる作品であった。
ところで、「殿!利息でござる!」のタイトルに違和感があり、「殿、千両でござる!」でも良かったのでは?と感じた。
千両って現在の貨幣価値で幾らの金額になるかご存知?
本作では貨幣価値や役所のことなどの解説が随所にあり、観る者に配慮が行き届いていた。

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2016 No.53 「ズートピア」

2016 No.53 「ズートピア」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Zootopia

映像美や夢のある脚本で定評のあるディズニーアニメーション映画であるが、今回は社会風刺やブラック・ユーモア、パロディに満ちた大人をも十分に楽しませる凄い作品をバイロン・ハワードとリッチ・ムーアの両監督で映画化。
肉食動物と草食動物が平和に共存し、高度な文明社会の世界になった「ズートピア」が舞台で、ラビットの女の子ジュディが新米警察官として奮闘する姿を描いたもの。
米国は勿論、世界中にまだまだはびこる「差別」や「偏見」が引き起こす諸問題を上手くテーマにしており、風刺に満ち満ちた内容であるが、キャラクターの可愛さと映像美やテンポの良さで、娯楽性は相変わらず高い!
凹んだ時にラジオから流れてくる音楽、「ゴッドファーザー」や「ブレイキング・バッド」をネタにしたパロディ、イライラさせられる陸運局の係員にナマケモノを使って強烈な風刺を行っているなど、ニヤリとさせられること必至(笑)

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2016 No.52 「世界から猫が消えたなら」

2016 No.52 「世界から猫が消えたなら」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点) +あおいちゃんボーナス5点!
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2016年 日 東宝

川村元気による同名小説を、佐藤健と宮﨑あおいを主演に迎え、脚本を岡田惠和が務め、永井聡監督により実写映画化。
脳腫瘍で余命幾ばくも無い主人公(佐藤健)は、大切なものを一つ失うことを引き換えに一日の命をもらうという取引を、自分とそっくりの悪魔と交わす。
「電話」、「映画」、「時計」とこの世から無くなってしまうと同時に、それらにまつわる思い出や人間関係も失ってしまうという残酷でもあり、また掛け替えのない美しさや大切さを思い起こさせる体験をする。
いよいよ、「猫」がこの世から、、、ということもあり、どんなに悲しく感動するのだろうと期待値を上げて映画館に足を運んだのであるが、私は泣けなかった、、、
私は原作小説を読んでいないのだが、小説では想像豊かに泣けるのかな?
映画の本作品での脚本内容は薄く、カメラワークや、現在と過去を交錯させる演出も、少々稚拙なところがあり、素直に世界に入っていけなかった。
小林武史が音楽を担当していることも楽しみだったが、繰り返されるピアノ曲も少々くどかったかな(笑)
ところで、あおいちゃんの演技は期待通りに素晴らしく、脇を固めた奥田瑛二や原田美枝子の円熟味のある演技や、濱田岳の個性ある演技もたいへん良かった。
佐藤健の演技は、、、というと、彼の出演作を複数観てきたが、どの役も同じタイプにしかみえないところからして、、、(笑)
お涙頂戴のエッセンスが複数盛り込まれているので、雰囲気で観れば十分に楽しめるもの(泣けるもの)と思う。

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2016 No.51 「64 ロクヨン 前編」

2016 No.51 「64 ロクヨン 前編」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝

横山秀夫の小説「64(ロクヨン)」を瀬々敬久監督が実写映画化した2部作の前編。
主演の佐藤浩市をはじめ、永瀬正敏、三浦友和らベテランから、綾野剛、榮倉奈々ら若手まで、大勢の豪華キャストが出演し、全員が重厚な演技をみせており、見応えは十分である。
わずか7日間しかなかった昭和64年の中で発生した少女誘拐殺人事件・通称「ロクヨン」を背景に、刑事としての矜持をもちながらも、失踪した娘もつ一人の父親としの苦悩を佐藤浩市が好演している。
他の共演者も、様々な思惑や立場で行動する役柄を好演していた。
本作前編はスローな展開でじっくりと人間ドラマを描いており、ラストのところではじめてミステリーに満ちた展開になるも、そこで幕が下りる。これはもう1か月後の後編が待ち遠しくなること必至!

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2016 No.50 「ちはやふる 下の句」

2016 No.50 「ちはやふる 下の句」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 日 東宝

末次由紀のコミックを実写映画化した「ちはやふる」2部作の後編を、引き続き小泉徳宏監督が映画化。
前作から繋がる青春物語で、主人公・綾瀬千早(広瀬すず)をはじめ、真島太一(野村周平)、綿谷新(真剣佑)ら各登場人物の心の葛藤を描いていたが、ストーリーが端折っていて、心情の掘り下げ方や、乗り越えて前に進む姿が、上の句に比べ丁寧さにやや欠けていた感が、、、。
そういうことも十分補って、娯楽性を高めていたのはクイーン若宮詩暢を演じた女優松岡茉優!ちょっと高校生役は無理があるかなというくらい、少し大人の(色気のある)雰囲気を出しており、キャラも立っていて、魅力十分であった。早くも来年の続篇(完結編?)が発表されており、当面話題に上ること必至!

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2016 No.49 「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」

2016 No.49 「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米 Captain America: Civil War

「キャプテン・アメリカ」シリーズの第3作で、マーベルヒーロー集結の「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」に続く物語を、アンソニーとジョーのルッソ兄弟監督が映画化。
これまで地球の数々の危機を救ってきた「アベンジャーズ」について、危機解決に伴う人的・物的被害の甚大さが各国政府で問題となり、ついに国連の管理下に置かれる。
組織の管理に委ねることに賛同するアイアンマンの一派と、独立性の維持を主張するキャプテン・アメリカの一派が、理念の違いで対立!
彼ら自身の戸惑いや葛藤の心情がよく表されている上に、激しい身内同士の戦いも迫力満点であった!(消化しきれないほど、お腹一杯感)
幅広にマーベルコミックヒーローものの作品を観て知っておかないと、十分に楽しめずごちゃごちゃ感を覚えるかもしれないが、クスッと笑えるユニークさも交え、アクションが疾走するような展開。
●●ックパ●●ーや、アン●マン、三代目新●パ●ダーマンらも新たに参戦させており、さながらオールスター戦のような楽しいものであった!

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2016 No.48 「フィフス・ウェイブ」

2016 No.48 「フィフス・ウェイブ」
1点!/10点(斬新さ0点/5点+娯楽性1点/5点)
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2016年 米 The 5th Wave

リック・ヤンシーのSFライトノベルを原作に、主人公に人気女優クロエ・グレース・モレッツを迎え、J・ブレイクソン監督が映画化。
本作品、正直我慢しながら観続けた中で感じたのは、超中途半端なツギハギ。
“インデペンデンス・デイ”もどきの巨大浮遊物体の来襲、“ハンガーゲーム”?“ダイバージェント”?みたいな等身大の少女の成長物語、“トワイライト”のように敵か味方かも分からない青年との恋、、、。
何故手の込んだ回りくどい方法をとるのか、ツッコミどころ満載の地球攻撃(笑)、「アザーズ」と名付けられた宇宙人は人間に姿を変えて社会に紛れ込んでおり(笑)、そして最期まで人類滅亡を図る宇宙人の意図は明かさず、続篇へと、、、(笑)
この手の作品を好む方は多いかもしれないが、映画をそれなりに観ている方にとっては、そのオリジナリティのあまりの無さに驚愕するだろう(笑)
電磁パルスによるエネルギーシャットダウン⇒地震・津波⇒ウィルス感染⇒侵略といった壮大な攻撃だけを見せていた“予告編”にまんまとしてやられたと臍を噛むだろう(笑)

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2016 No.47 「アイアムアヒーロー」

2016 No.47 「アイアムアヒーロー」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

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2016年 日 東宝

花沢健吾のコミックを、大泉洋主演、ヒロイン・比呂美役に有村架純、藪役に長澤まさみで、「GANTZ」や「図書館戦争」等のヒット作を手がけた佐藤信介監督が実写映画化。
私はコミックを見ていない上に、上手く作られた予告編の情報のみで、マイブームの架純ちゃあ~~~~~~ん(+オマケ大泉洋)ってノリで映画館に足を運んだところ、血塗れ、スプラッタ、ゾンビの洗礼に会った(笑)
「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれるゾンビ化した人々に襲われ続けるところは本当に怖ろしく、この手のものが好きな方にはたまらない作品だと思う!
韓国スタッフも製作に加わったのが功を奏したのか(?)、残虐ぶり、グロさも高レベル!
徐々に成長していく冴えない主人公を大泉洋が好演し、時々クスッとさせる場面もありで、そこそこは楽しめる作品であった。

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2016 No.46 「レヴェナント 蘇えりし者」

2016 No.46 「レヴェナント 蘇えりし者」
5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 米 The Revenant

西部開拓時代に実在したハンター、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)の息子への愛や復讐の執念、極寒の地で瀕死状態からのサバイバルのドラマをアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が映画化。
狩猟中に熊に襲われ瀕死状態になった主人公グラスが、目の前で息子を殺され、自身も生き埋めにされてしまうところから這い上がり、極寒の荒野を進んで復讐を目指すという脚本としては単純な157分の長尺作品であるが、終始目が離せない出来上がりで、先の第88回アカデミー賞で、主演男優賞と監督賞、撮影賞を受賞したことを十分納得できるものであった!
特筆すべきは大きく2点。
まずはデカプリオの渾身の演技!
彼自身も「キャリア上、最も過酷で命懸けの演技であった」と言っているほどで、メイキングを是非見たくなるシーンが幾つもある。
例えば熊に襲われるシーンは、彼の一人芝居にCGを駆使したものであるそうだが、本物の熊にめちゃくちゃに襲われているとしかみえない恐ろしく壮絶なもので、一生記憶に残るように感じた!
殺された息子への愛や、復讐と生への執念を、台詞少ない中で体現しており、彼の役者魂を感じさせるもので必見である!
次に美術や撮影そのものの凄さ!
人工照明を使わずに全て自然光で撮り、絵画のような明暗法で場面や心情を描写するという監督の方針で、それを具現したエマニュエル・ルベツキのカメラワークが凄かった!
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州のマイナス25度の雪原や、アルゼンチンの雪原で、約9か月にわたるロケの中で、明け方か日没の僅かな時間帯の自然光で撮影したようである。
戦闘シーンもルベツキがステディカムを背負って、俳優と共に前後左右と走って撮ったようで、その迫力は息をとめられる程のものであった。
『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と本作で3年連続の撮影賞を獲っただけの腕前の良さは、これもまた必見である!
最後に、坂本龍一も参加した音楽効果も見事であった。絵画的なそして絶対的な存在の大自然と、地を這いつくばり激流に翻弄され極寒に身を悶える生身の人間との対比を上手く表現していたと思う!
本作品の観賞で、第88回アカデミー賞で主要部門を受賞した作品を全て見終えたが、本作品は、映画そのものの斬新さや役者魂を特に強く感じさせられたものであった。

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2016 No.45 「スポットライト 世紀のスクープ」

2016 No.45 「スポットライト 世紀のスクープ」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2015年 米 Spotlight

アメリカ・ボストンの地方新聞社「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」という名の新聞一面に、大多数のカトリック教会神父による小児への性的虐待と、教会組織そのものがそれら事実を隠ぺいしてきたというスキャンダルを掲載し、世に暴いた実話を、トム・マッカーシー監督が映画化。
先の第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞。
マイケル・キートン、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムスら実力派俳優が共演。
関係者から情報を入手し、被害者ひとりひとりに聞き込みを行い、裏付けの為に膨大な資料を洗い直すといった地味な展開の中で、記者たちの心の内にある怒りや葛藤、仲間同士の絆、そして犯罪を世に暴く情熱が、静かに伝わってくる秀作であった。
ただ、被害者たちの心情を深く描くでもなく、神父たちの罪を裁く場面もなく、記者たちの偉業を賞賛するものでもなく、ハッピーエンドでもない渋く硬派な作風は娯楽性には欠けていたかな、、、(時折睡魔が、、、)

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2016 No.44 「ボーダーライン」

2016 No.44 「ボーダーライン」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2015年 米 Sicario

アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる、カルテル(麻薬組織)と米国の国土安全保障省(DHS)との麻薬戦争の現実を、ドゥニ・ビルヌーブ監督が映画化。
エミリー・ブラント演じるFBI捜査官のケイトが特別部隊に抜擢され、所属(正体)が不明なコロンビア人とともにカルテル撲滅に向けた極秘作戦を展開する内容。
最前線となるメキシコの都市フアレスで、法も秩序も通用しない怖ろしく悍ましい世界が現実にあり、本作でも現地の調査を丹念に行いリアリティを追求したようだ。
共演者はベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンでその不気味さを好演。
凶悪が蔓延り、メキシコの地元警察官はかなりの数でカルテルに買収されている中で、凶悪には凶悪をもって、毒をもって毒を制すことで、対峙しなければならない現実、そして国境から米国本土内にその戦場が迫っているという現実を認識させられる。
アカデミー賞の受賞はなかったが、ノミネートされたカメラワークや音響効果は抜群で、怖ろしい現実世界の臨場感を醸し出していた!
インパクトの強い衝撃作であるが、感動したり面白かったりするものではなかった、、、

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2016 No.43 「あやしい彼女」

2016 No.43 「あやしい彼女」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)
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2016年 日 松竹

苦労の連続と貧しさの中、女手ひとつで娘を育てあげ、自分の望む楽しい人生を送れなかった73歳のおばあちゃんが、ふとしたことで20歳時の可憐な姿を取り戻し、周囲を巻き込んでの騒動を描いた韓国の大ヒット映画作品を水田伸生監督がリメイク。
中国やベトナムでも既にリメイクされ、今後も各国でリメイクが計画されていると聞くからビックリ!
邦画でありがちなこなれていない演出・脚本の力不足を補って余るほど、主要配役3人(多部未華子・倍賞美津子・小林聡美)の好演が光っていた!
それにしても、多部未華子!
こんなに演技力のある女優さんだったのか?おまけに歌唱力も抜群!
存在感・演技力・歌唱力、様々な魅力を発揮した彼女はこの作品で、多くのファンを作ること間違いないだろう!
笑いあり、涙あり、昭和の歌謡曲にも心染み入る、極上のエンターテイメント作品として皆さまにオススメ!

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2016 No.42 「マジカル・ガール」

2016 No.42 「マジカル・ガール」
4点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性1点/5点)
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2014年 西 Magical Girl

日本のカルチャーに明るいスペイン人のカルロス・ベルムト監督による、タランティーノ監督作品チックな独創的でブラック・センスに満ち満ちた作品。
登場人物の背景や、それぞれの人物関係、行動の動機を詳細には描かず、観る人に十分想像させ感じさせる手法はユニークであった。
奇想天外なストーリー、心を病んでいながらも妖艶な美女をはじめとしたワケありな登場人物たち、、、ストーリーを深読みするも良し、猟奇的な妄想するも良し、魔力に憑りつかれた感じで観賞することをオススメしたい(笑)
アニメ「魔法少女ユキコ」のコスチューム、長山洋子のデビュー曲「春はSA-RA SA-RA」がインパクト強く使われているところも印象的。

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2016 No.41 「ルーム」

2016 No.41 「ルーム」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

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2015年 愛・加合作 Room

アイルランド人作家エマ・ドナヒューの小説「部屋」をレニー・アブラハムソン監督が映画化。
先の第88回アカデミー賞で作品賞等4部門にノミネートされ、ブリー・ラーソンが主演女優賞を受賞した作品だけあって、かなりの期待をもって映画館に足を運んだ。
一方で、「部屋」の中に監禁された女性と、そこで生まれ育った息子の物語ということだけは幾度も観た予告編で知り得ていた為、好奇やゴシップ的要素を含む題材で果たしてどのような趣の作品になっているのか興味深かった。
だが、本作品の最大のテーマは、母と子の強い絆と、揺るがない深い双方の愛情であり、葛藤や苦悩の心情と重なり、全篇何とも痛々しく感じた。
監禁された「部屋」の外の世界を知らない息子と、何とか普通に生きようと日々を送った母親としての強さや、脱出後においての周囲との関わりの中で生じる苦悩など心情をよく表したブリー・ラーソンの演技はたいへん良かったものの、それ以上に特筆すべきは、5歳の息子ジャックを演じたジェイコブ・トレンブレイ(撮影当時8歳)君の天才演技。
もしアカデミー子役賞が存在すれば、獲っていたに違いないと思わせる、喜怒哀楽を自然に表現する迫真の演技であった!
母から子に、子から母に、またマスコミのインタビュアーから母に投げられた数々の台詞が印象に残り、考えさせられもする作品であった。

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2016 No.40 「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 東宝、アスミック・エース

夢枕獏による小説「神々の山嶺」を、岡田准一、阿部寛、尾野真千子の共演で、1か月以上にわたるネパールロケや、ヒマラヤの5,200M地点での撮影を敢行し、平山秀幸監督が実写映画化。
俳優、スタッフとも10日以上かけて高度順応して臨んだといわれるその撮影から、現場ならではの迫力は十分伝わってきた。
ただ、脚本としてはどうなのか?
私は原作小説を読んでいないのだが、恐らくは人間関係や因果、葛藤などを深く描いていると推察するが、本作品では何かしら中途半端感を否めなかった。
山屋の羽生(阿部寛)と山岳カメラマン深町(岡田准一)との間に強い絆が生まれる過程を端折っているせいかもしれないが、、、今一つテーマがはっきりとしない感じを受けた。
深町の心情も深掘りされていないからか、その行動に薄っぺらさを感じた。
ただ、羽生の台詞「そこに山があるから登るんじゃない。そこに俺がいるからだ!!」には、登山家の「自己」「本音」が感じられ、非常に印象的であった。

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2016 No.39 「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」

2016 No.39 「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 米  Batman v Superman: Dawn of Justice

世のヒーローであるバットマンとスーパーマンとが、それぞれ思うところによる相手の存在意義の否定から対立し、その後のある共通項(非常に俗っぽい共通項)がきっかけで共闘体制に変わり、最期には第3のヒーローの加勢もあって、人類の宿敵を打ち倒すといったアクション娯楽大作を、「マン・オブ・スティール」の続編としてザック・スナイダー監督が映画化。
ブルース・ウェイン=バットマンをベン・アフレックが、クラーク・ケント=スーパーマンをヘンリー・カビルが、そして第3のヒーロー ダイアナ・プリンス=ワンダーウーマンをガル・ギャドットがそれぞれ好演。
またエイミー・アダムスやダイアン・レインも花を添える。
台頭してきた俳優ジェシー・アイゼンバーグが宿敵レックス・ルーサーを演じ、その狂気じみたキャラは新鮮であった。
バトルシーンの迫力は申し分ないのだが、コミカル路線ではなく、シリアスな内容で展開させるのであれば、もう少し脚本も捻りがあってよいのではないかなと感じた、、、

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2016 No.38 「リリーのすべて」

2016 No.38 「リリーのすべて」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 英  The Danish Girl

1920年代、世界で初めて性別適合手術を受けた実在デンマーク人の風景画家アイナー・ベルナー(女性名=リリー・エルベ)をモデルに、彼とその妻ゲルダの人生を描いたドラマを、エディ・レッドメイン、アリシア・ビカンダー共演で、トム・フーパー監督が映画化。
先の第88回アカデミー賞では、妻ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞した。
アイナー・ベルナー(エディ・レッドメイン)は、肖像画家の妻ゲルダに頼まれて女性モデルを務めたことをきっかけに、自身に潜む「女性」の人格を意識し始める。
「リリー」と名付けた女性として過ごす時間が増え、心と身体が一致しない苦しさに葛藤するが、手術を決断しついに女性の肉体を手に入れるのだが、、、。
一方で妻ゲルダは、女性としてはアイナーに元の夫として戻って欲しいと思い、また肖像画家としては創造意欲を掻き立てられる「リリー」を必要と思い、そのジレンマに苦しむも、アイナーの「女性リリー」になろうとする決断とともに、アイナーに対するより深い理解者になっていく。
この俳優二人は、その心情の移ろいを見事に演じており、全篇にわたり人生の哀愁が漂っていた。
「博士と彼女のセオリー」(2014年)でアカデミー主演男優賞を獲得しただけもあり、エディ・レッドメインの真に迫る演技も、絶品であった!
人権の問題と共によく取り上げられるようになった「LGBT」で考えれば、アイナー(=リリー)に関しては「T:トランスジェンダー:心と体の性の不一致」なのであろう。
作中アイナー(=リリー)が繰り返した台詞「間違った体を治してもらうの」が印象的だった、、、
観ての感想は人によって様々だと思うが、私は「何もかもがなんとも不幸だなあ」と感じたのであった、、、

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2016 No.37 「アーロと少年」

2016 No.37 「アーロと少年」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 米 The Good Dinosaur

もしも6500万年前に巨大隕石が地球に衝突せず、恐竜たちが絶滅していなかったら?という仮説が元になっており、地球上で唯一言葉を話す種族が恐竜で、人間とも共存している世界の中での冒険活劇を、ピクサー・アニメーションが映画化。
大型草食恐竜アパトサウルスの臆病な11歳の子が主人公アーロ。川に流され見知らぬ土地で迷ったところを、人間の少年と友達になり、家を目指して冒険を始めるといった内容にすぎないが、実写を超えるほどの映像美は、さすがはピクサー映画!
どの作品でも、動植物の体型や動作、自然界の景観を徹底的にリサーチしてアニメーションを作り上げていく姿勢があり、本作においても、視覚を通じて心地良さを提供してくれる素晴らしい演出であった。

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2016 No.36 「ちはやふる 上の句」

2016 No.36 「ちはやふる 上の句」
7点!/10点(斬新さ4点/5点+娯楽性3点/5点)

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2016年 日 東宝

末次由紀によるコミック「ちはやふる」を、広瀬すず主演で、小泉徳宏監督が実写映画化。
競技かるたに打ち込む高校生たちの青春を描いたもので、体育会系的なノリで、笑いあり涙ありの熱い学園モノであった。
主人公・千早を演じる広瀬すずは、これまでに出演した映画作品の中のキャラに比べかなり垢抜けていて、彼女本来のキラキラした魅力を更に発揮していた。
彼女のほか、野村周平、真剣佑、矢本悠馬、森永悠希、上白石萌音ら共演者もそれぞれ好演しており、フレッシュで生き生きした演出になっていた。
今回観る前の私は、コミックを見てないので内容的に全く無知で、かるたが題材だし、出演者も皆若い上に観客の多くもティーンエイジャーだし、幼稚な作風なのかな?と心配していたが、まったくの杞憂に(笑)。
もう今から「下の句」が待ち遠しい素敵な作品だった。
これは多くの方に超オススメ!

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2016 No.35 「僕だけがいない街」

2016 No.35 「僕だけがいない街」
7点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性4点/5点)

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2016年 日  ワーナー・ブラザース映画

三部けい原作の同名コミックを、藤原竜也主演で、平川雄一朗監督が実写映画化。
映画に係る各サイトでの評点が低いものと、事前に耳に入ったので期待薄で臨んだのだが、私にとっては涙なしでは観れない感動作であった。
何かしらの事件・事故を未然に防がないと、その直前の場面まで戻ってしまう「リバイバル」という特殊な現象に見舞われるようになった主人公の悟(藤原竜也)が、18年前の児童連続誘拐殺人事件の謎に迫るというサスペンス内容。
恐らく原作コミックやアニメでは、より深くストーリーが展開していたはずであり、本作120分にかなり凝縮して収めたからか、掘り下げが浅くて、どのように真犯人から罪をきせられたのか等、描きこまれていない部分も感じられた。
が、しかし、天才俳優藤原竜也の役にハマった好演に加え、悟の子供時代を演じた中川翼くんや、その友達を演じた鈴木梨央ちゃんら子供たちが、藤原竜也に負けず劣らずの天才的な演技を発揮しており、大きく感動させる演出であった!
初歩的なサスペンスで、真犯人もすぐ分かるのだが、俳優たちの演技で魅せられる!
マイブームの有村架純ちゃんのイマイチな演技力が逆に目立ったが、とても可愛いので許すことに(笑)

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2016 No.34 「X-ミッション」

2016 No.34 「X-ミッション」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

POINT BREAK

アクション映画「ハートブルー」(1991年)のリメイクとして、エリクソン・コア監督が映画化。
モトクロスやウィングスーツフライング、サーフィンやスノーボード、ロッククライミングなど過激さを売りとしたエクストリームスポーツが次から次へと繰り出され、トップアスリートたちのほとんど生身のスタントによる迫力あるシーンの連続が見応えある!
CG、VFXは最小限に留めての演出が話題になっていた。
ストーリーはやや不可解で、何故トップアスリートたちが、窃盗などの犯罪を重ねてまでも存在を顕示するのか行動理念が理解できなかった。その集団の犯罪の証拠を掴むべく、潜入捜査の指令を受けたFBI捜査官もアスリートであり、犯人たちと行動を共にする中で、アスリート同士ならではの友情や信頼が芽生えいく状況や心情の変化は興味深かった。

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2016 No.33 「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」

2016 No.33 「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015年 英・米合作 The Second Best Exotic Marigold Hotel

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2011年)の続編で、ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ビル・ナイら大名優たちが織り成す人間模様を、前作と同様ジョン・マッデン監督が映画化。
本作ではスペシャルゲストにリチャード・ギアも迎え、ユーモアに加え色気の漂いもパワーアップしていた。
シニア名優たちのさりげない台詞、仕草、視線が味わい深さをつくり、若者たちのダンスや歌による熱気と相まって、情緒のある作風になっていた。
ジャイプルやムンバイの街並みなど、インドの情緒も味わえるもので、前作と同様なかなか大人向けの作品であった。

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2016 No.32 「黒崎くんの言いなりになんてならない」

2016 No.32 「黒崎くんの言いなりになんてならない」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2016年 日 ショウゲート

「別冊フレンド」連載の同名コミックを、月川翔監督が実写映画化。
私は勿論(笑)このコミックを読んだことはないのだが、何かしら話題になっている映画だと耳に入り、そぞろ神のものにつきて心をくるわせ、映画神の招きにあひて、、、
チケットをスタッフに渡すときにやや異変を感じた私、、、
前後には学校の制服を着た女子中学生か高校生も混じり、黄色いカナリアやウグイスの声だらけで、、、(日曜日なのに、、、クラブ帰りなのか?)
シアター7に入る人たちは、女子、女子、女子、女子、、、(こういうとき、何故後ろめたい気になるのだろうか、、、)
もう後に戻れない私は意を決して中に入ると、、、
そこは男子禁制!?かつ最前列含めほぼ満開(いや満席)のお花畑が!
お花畑に他に「虫」はいないかと、勇気を振り絞り、首の回転運動をしてみたならば、若いカップルの20代男性一人、20代の独り男性一人、そして40代の(いやアラフィフの)ワタクシ、、、(@_@;)
内容はナイヨウ~みたいなラブコメだが、「黒王子」こと黒崎くん(中島健人)と、「白王子」こと白河くん(千葉雄大)は、ティーンエイジャーを夢中にさせるだけの格好良さプンプンであった!
おっちゃんの救いとならねばならないヒロイン由宇役の小松菜奈ちゃんは、、、
うぬぬぬぬ、、、残念ながらワタクシにはあまり響かず、、、
チ~~~ン((+_+))

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2016 No.31 「Automata/オートマタ」

2016 No.31 「Automata/オートマタ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)
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2013年 西・勃合作 Automata

人工知能搭載ロボット「オートマタ」が、滅亡の危機に瀕している人間にとって代わるかもしれない2044年近未来をテーマに、アントニオ・バンデラスを主演に迎え、ガイ・イバニェス監督が映画化。
人間がロボットに対して絶対優位である為に「生命体に危害を加えてはいけない」「自身で修理・修繕をしてはけない」という二つのルールを組み込んでいたはずの「オートマタ」が、何かの事情でルールが破られ進化しているところから物語は展開、、、
脚本・演出とも雑な面はあったが、、その進化した「オートマタ」に人間らしい感情を吹き込み、「オートマタにも生命はあり、そして人類の次に来るべき存在」といったセリフのところはユニークであった。
現実的にも起こりうる人間とロボットとの共存の破綻、、、それを恐怖と思うか、必然と思うか、なかなか考えさせられる作品であった。

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2016 No.30 「家族はつらいよ」

2016 No.30 「家族はつらいよ」
6点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性4点/5点)
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2016年 日  松竹

結婚50年を目前に控えた熟年夫婦(橋爪功、吉行和子)に突如持ち上がった離婚話に、子どもたちや嫁、婿、はたまた婚約者を巻き込んでの騒動喜劇を、山田洋次監督が映画化。
私にとって映画館で涙を出したことは記憶にない抱腹絶倒の作品であった。
「東京家族」(2012年)で一家を演じた西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が役は違えど再び結集。小林稔侍や笹野高史、笑福亭鶴瓶らもコミカルさに一役買っていた。
昭和テイストのホームドラマで、新喜劇をもう少し真面目に展開させたような作風。身につまされる男性でなければ(笑)、肩の荷を感じず楽しめること請け合い!

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2016 No.29 「女が眠る時」

2016 No.29 「女が眠る時」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2016年 日  東映

スランプで三冊目の本が出せず取りあえず就職した作家の清水健二(西島秀俊)は、妻(小山田サユリ)と郊外のリゾートホテルで休暇をとっている中、同じ宿泊客の初老の佐原(ビートたけし)と娘のように若い美樹(忽那汐里)のカップルに目を奪われ、次第に常軌を逸した行動に、、、。
共演にリリーフランキー、新井浩文ら個性派を配し、主演のビートたけし、西島秀俊の怪演ぶりも見事で、現実なのか妄想の世界なのか、その境界を曖昧にしたミステリーサスペンスになっていた。
香港出身のウェイン・ワン監督による初の日本映画で、DAY1~DAY5と進むにつれ一体何が起きるのだろうと、観た人に様々な想像をさせる作風であった。
理屈でなく雰囲気で楽しめるものであったが、気になった点は、もっと作風に合う女優をキャスティング出来なかったのかという不満な点と(女優に色気が足りなかった)、ビートたけしの台詞の少ない怪演は存在感があるも、やや滑舌が悪くなっていた点。

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2016 No.28 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」

2016 No.28 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 米  The Big Short

第88回アカデミー賞で主要部門を含む合計5部門にノミネートされ脚色賞を受賞した、アダム・マッケイ監督によるこの作品は、2008年の「リーマン・ショック」が記憶に新しい、住宅ローンの破綻に端を発するマーケット危機に至る経緯に焦点をあてた内容で、実話に基づいたもの。
クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピットという豪華キャストの好演も見応えあり。
マーケット危機をいち早く予見し、それに備え大きな利益を得るべく逆張りの行動に出て、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの物語は、予想的中の痛快話に終わらず、副題に付いた「華麗なる」は全くのウソ!副題を付けた方は、この作品を実際に観ていないに違いない!(笑)
米国マーケットの危機に賭けて利益を得る訳だが、その危機の本質は多数の一般国民の失業や破産を意味するもので、この作品は利益を得て勝利を手にしたかにみえる4人の側も、何かしらの心の蝕みが必然であり、その虚しさみたいなものを描いているところも良かった。勝利も決して「華麗」ではないのだ!
最後に、この作品、金融専門用語が連発され、作中で何度もその用語解説が入る丁寧さはあるのだが、金融業界に属さない方にとっては、雰囲気で理解し楽しめることはできても、具体的に理解して楽しむには少々難解であると思われる。
なので余計なお世話であるが、私なりにバクッとした解説を!
本作を楽しむには次の3つのことを理解していれば大体大丈夫!
一つ目は、住宅ローンとその住宅ローン債権の流動化商品。住宅ローンの中でも低所得者に金利を高くして貸していたサブプライム・ローンは、加えていい加減な審査も多く、近い将来返済不能で債権が焦げ付く可能性が高かったもの。そして金融機関がその様々で大多数の住宅ローン債権を束ねて流動化商品とし、投資家向けの投資商品にした。格付け機関もいい加減で、大手銀行の住宅ローンを根拠にした金融商品なら安全性は高いものとしてAAA格等、殆ど破綻確率が無いものと見做していた。
二つ目は、CDSという金融派生商品。クレジット・デフォルト・スワップの略で、有事に備える目的の「掛け捨て保険」のような役割をもった商品のこと。当然平時であれば、あまり見向きもされない商品なので、需要が低いと価格は低い。将来の有事の可能性が高まれば、この「保険」的な商品の需要は増し、価格は鰻登りになる。本作では、近い将来に住宅ローン債権が暴落することを予知し、実際に暴落した場合にCDSの売り手から資金を受け取る仕組みの(つまり損失補填してくれる仕組みの)CDSを、主人公4人が必死に買って備えていくのである。CDSの買い手は例えば、年間1億円等の保険料を売り手に払う契約であり、将来有事が無ければ掛け捨てになり、有事が起きれば1億円の数十倍から数百倍の資金が入るといったものである。すなわち、将来の有事に賭けた、博打的商品としても扱われる商品がCDSであり、有事が予想されるときに脚光を浴びるといった性格をもつ。
三つ目は、「空売り」。売買の仕組みはシンプルで、「安く買って」「高く売る」の繰り返しで、金融の世界は儲けようとするのである。「空売り」とは、将来きっと「価格が下がる」であろうと予想する時に、先に「今の時点で」、「将来の売り」を契約するのである。予想通りに価格が下がったら、その下がった価格で買い戻しを行い、結果、「安く買って」「高く売る」ことになり利益を得るのである。「空売り」もまた将来の変化(=有事)に賭けた契約である。
ここまで説明すれば、気が付かれた方も多いかと思うが、本作ではCDSの価格がきっと上がるであろう(きっと住宅ローン債権暴落=マーケット危機=銀行債権焦げ付きが起きるだろう)と予測し大量にCDSを購入することで、実質的に住宅ローン債権の「空売り」を仕掛けたことと同じことになり、将来そういう有事になった時に、CDSを欲しい人に多額で売り抜けて多額の資金をゲットしようとしているのである。
説明が長くなりましたが、ご静聴ありがとうございました(笑)

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2016 No.27 「セーラー服と機関銃 卒業」

2016 No.27 「セーラー服と機関銃 卒業」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

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2016年 日  KADOKAWA

1981年公開の薬師丸ひろ子主演映画「セーラー服と機関銃」のその後を描いた赤川次郎の小説を、橋本環奈主演で、前田弘二監督が実写映画化。
長谷川博己、安藤政信、武田鉄矢ら実力派が脇を固めており、演技は全体的にしまっていた。
私が中学生の時に映画館に足を運んだ当時の「セーラー服と機関銃」の内容までよく覚えていないが、より現代の女子高生っぽくしていたのではないかな。もう少しあっと思わせるような内容が欲しい気もしたが、抗争と青春の両ドラマがバランスよく展開していた。
本作が映画初出演となる橋本環奈は、これまた超絶可愛い上に、演技もなかなかで、今後が楽しみな一人になった。

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2016 No.26 「ザ・ブリザード」

2016 No.26 「ザ・ブリザード」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2016年 米 The Finest Hours

米国沿岸警備隊史上で最も過酷であったと語られる「SSペンドルトン号救出劇」の実話を、クリス・パインを主演、ケイシー・アフレック、ベン・フォスターという実力派を共演に迎え、クレイグ・ギレスピー監督が映画化。
1952年、北大西洋史上最大級のブリザードにより、巨大タンカーが真っ二つに大破!取り残された船員32人を救出すべく、定員12名の木製小型救助艇で4人の沿岸警備隊が、荒れ狂う海へと乗り出し決死の救出に挑む、、、といった展開。
タンカー内では生き延びるべく意見が割れる中を一等機関士が粘り強く説得していく姿、沿岸警備隊員として過去の任務で救えなかった命を悔いながら「もう誰も死なせない!」と困難に立ち向かう姿、勇気と機転が希望を徐々に開いていくところが大きな感動を誘う!
邦画「海猿」をご覧になった方は自ずと比較されるかもしれないが、迫力面では本作の方が意外と弱いかなと。
また主人公の身を案じて待つヒロインの趣も両作品でかなり違い、本作でホリデイ・グレインジャー演じた女性はかなり気が強く、主人公との釣り合いに違和感あるほどであった。
個人的好みの話だが、ホリデイ・グレインジャーの顔ではまったくワクワク感が起きなかったことも付け加えておこう(笑)
最後に、近隣映画館では3D上映ばかりで選択の余地が無かったのだが、意外にも飛び出し感がなく、グラスを掛けるので当然画面が暗く感じ、まったくもってプラスαの娯楽はなかった。
余計なお世話かもしれないが、選択の余地があれば、2Dで十分かと。本作はチームワーク、勇気、機転といったところに感動の軸がある物語であるから、、、

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2016 No.25 「ヘイトフル・エイト」

2016 No.25 「ヘイトフル・エイト」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)
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2015 米      The Hateful Eight

クエンティン・タランティーノ監督の長編8作目となる本作品は西部劇で、大雪で非難した先のロッジ内で繰り広げられる密室殺人ミステリーを描いたもの。
彼の作品の常連でもあるサミュエル・L・ジャクソンの他、カート・ラッセル、紅一点のジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーンが共演。
先の第88回アカデミー賞で、見事作曲賞を受賞しただけあって、エンニオ・モリコーネが担当する作中の各曲は場面を盛り上げていた。
映倫区分はR18+であり、事前の期待以上の暴力・惨殺・残酷シーンが満載、おまけにあまり見たくない男性性器まで!(笑)
米国の歴史的病巣とも言える黒人差別やメキシコ人差別もしっかり?表現され、殺した男女を井戸に投げ込むわ、女性を平気で殴打するわで、娯楽を超えあまり愉快ではなかった、、、
全員嘘をついているワケありの男女8人によるサスペンスが軸で、タランティーノ作品「イングロリアス・バスターズ」にみられたヒューマンドラマの要素が小さいところは、も一つ個人的好みに合わなかった。

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2016 No.24 「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁」

2016 No.24 「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)
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2015 英 Sherlock: The Abominable Bride

英BBCドラマ「SHERLOCK シャーロック」のスペシャル版として、ベネディクト・カンバーバッチ主演でダグラス・マッキノン監督が製作。ビクトリア朝のロンドンのイメージはよく捉えられていたが、話が行きつ戻りつするのでややこしい展開になっており、しっかりとテレビシリーズを見てからでないと完全に楽しむことができないのかなと思わせられる内容であった。個人的にはロバート・ダウニー・Jr演じる作品の方が好みかな(~_~;)

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2016 No.23 「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」

2016 No.23 「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

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2014年 米 99 Homes

リーマン・ショック後の米国で、住宅ローンの返済不能により自宅を差し押さえられる人達を題材に、家族のために道を踏みはずしていく主人公デニス・ナッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)の姿を描く社会派サスペンスをラミン・バラーニ監督が映画化。
共演にはマイケル・シャノン、ローラ・ダーンら実力派が揃う上に、主人公を演じたアンドリュー・ガーフィールドが繊細な演技で魅せた!
「アメリカは負け犬に手を差し伸べない。この欺瞞の国は、勝者の勝者による勝者のために国だ」という台詞が出てくるが、その無慈悲で矛盾を抱えた米国の資本主義を痛烈に批判していることがよく伝わる作風であった。

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2016 No.22 「サウルの息子」

2016 No.22 「サウルの息子」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

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2015年 洪 Saul fia

アウシュビッツ=ビルケナウ収容所にて、同胞であるユダヤ人の死体処理任務に従事する特殊部隊ゾンダーコマンドに選抜されたハンガリー系ユダヤ人のサウル・アウスランダー(ルーリグ・ゲーザ)に密着した1日半を、ネメシュ・ラースロー監督が映画化。
ある収容所から移送され処刑された息子の遺体を見つけ、何とか焼却されずに埋葬で弔いたいと思う気持ちから行動に移す主人公の姿を描いたもの。
同収容所の解放70周年を記念しての本作品は、珍しい1:1のスクリーンにて、視野も主人公サウルの目線、もしくはサウルだけを映し出すといった演出で、虐殺工場ともいえる収容所内部やそこで非人間的に労働に従事するゾンダーコマンド達の生々しさを痛烈に描き出していた。
The Holocaust(ホロコースト)を取り扱った作品をこれまで数多く観てきたが、この作品ほど生々しい衝撃を受けたことはあっただろうか?
とても娯楽作品とはいえないが、数多くの映画、特に戦争ものを多く観てきた方には、是非衝撃を受けてもらいたいと思う作品であった。

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2016 No.21 「ライチ☆光クラブ」

2016 No.21 「ライチ☆光クラブ」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

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2016年 日 日活

劇団により上演された舞台を古屋兎丸が漫画化した同名作品について、内藤瑛亮監督がこのたび実写映画化。
工場の黒い煙や油に塗れた「蛍光町」を舞台に、その醜さを「大人の汚い世界」の象徴とし、永遠に美しくあることを目指す9人の少年たちが「光クラブ」として結束する。
野村周平、古川雄輝、間宮祥太朗、中条あやみら若手俳優を起用して、少年達の愛憎や裏切り、知能や感情をもったロボットの誕生、美しい少女の登場等で物語は展開していくのであるが、舞台も漫画も知らず本作が初見であると、登場人物の価値観や世界観が分かりにくい。
古川雄輝演じる先導者には、強さ・怖さ・カリスマ性を感じることは出来ず、何故彼が権力をもっており、周囲が彼の指示に忠実に従うのか違和感があった。
おまけに描写は「R15+」制限が付く過激さで、スプラッタ的なグロさ満載であり、また男色のラブシーン等も含まれる。
舞台や漫画で十分に引き込まれたファンでなければ、雰囲気で楽しむことのできないレベル。
ただ特筆すべきは、「ハッとするほど可愛い」と最近評判である中条あやみが、透明感のある可愛さを十分発揮しており、ピアノ演奏や歌も披露していること。
中条あやみのファンはこれから急増するのではないかな、、、

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2016 No.20 「スティーブ・ジョブズ」

2016 No.20 「スティーブ・ジョブズ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 米 Steve Jobs

アップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズ氏の伝記ドラマを、マイケル・ファスベンダーを主演にし、ダニー・ボイル監督が映画化。
これまでの彼の伝記ものでよく取り上げられた、ガレージ時代(青春時代)の創業話、新製品開発の過程、新製品発表のプロモーションそのものは取り上げず、84年のMacintosh、88年のNeXT Cube、98年のiMacという3つの新製品発表会の舞台に焦点を合わせ、その舞台裏で信念を貫く姿、強い我を通す姿を描いていた。
本作の脚本の特筆すべきは、成功と挫折、そして復活といった彼の半生を軸にしながら、元恋人やその彼女との間の娘リサとの確執・和解といったエピソードも描いているところ。
そこでは、人格面や親としての欠陥ともいえる彼の未熟な面も浮き彫りにしている。
ジョブズの素顔を体当たり熱演したマイケル・ファスベンダーと、脇を固めるケイト・ウィンスレット、セス・ローゲンら共演者との、劇中のぶつかり合い(激論や会話の応酬)は鳥肌物の迫力であった。オスカーの主演男優賞にノミネートされたのも頷ける、、、
本作でのジョブズの言葉数は非常に多く、その言葉の中から彼の心の葛藤や生き様を感じ取れるユニークな作品であった。

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2016 No.19 「キャロル」

2016 No.19 「キャロル」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 米 Carol

1950年代のN.Y.を舞台に、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの演技派女優が女性同士の恋愛と夫々の精神的自立を演じるドラマを、トッド・ヘインズ監督が映画化。
米国人女性作家パトリシア・ハイスミスが1952年に出した小説「ザ・プライス・オブ・ソルト」(後に「キャロル」と改題)が原作。
求婚してくる恋人がいるテレーズ(ルーニー・マーラ)は、結婚に踏み切れずにデパート店員として働く中、お客様として現れたエレガントな魅力を放つキャロル(ケイト・ブランシェット)という女性に心を奪われる。
あるきっかけで二人は逢瀬を重ねていき、、、という展開。
内面に抱える事情と自分らしく生きたいという葛藤を、抑えた表情や眼差し、身のこなしで表現するキャロル役を演じたケイト・ブランシェットが醸し出す世界観は危うい魅力を出していた。
またそのキャロルの世界観に足を踏み入れた夢心地の状況から、徐々にキャロルを通じて愛と人生について考え成熟していくテレーズを演じたルーニー・マーラの独特な演技の魅力はたいへん良かった。
かなり不道徳的であったろう50年代での同性愛は、現代の我々が観賞する映画の題材としてはあまり響かないと言わざるを得ないが、二大女優の台詞を抑えた表情や目の演技は魅力的で、作風も詩的・絵画的なものであった。
間もなく発表されるオスカー賞に、二人ともノミネートされているが、私はルーニー・マーラの助演女優賞受賞の可能性を感じた。
さてさて、、、

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2016 No.18 「さらば あぶない刑事」

2016 No.18 「さらば あぶない刑事」
4点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性3点/5点)

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2015年 日 東映

劇場版第7作目となり、舘ひろし&柴田恭兵を主演に、お馴染みの浅野温子、仲村トオルを共演に、村川透監督が映画化。
定年退職まであと5日と迫った舘ひろし演じる“ダンディー鷹山”と柴田恭兵演じる“セクシー大下”が、凶悪な南米マフィアとの戦いに立ち向かう刑事魂をみせた活躍を描いたもの。
「昭和」感たっぷりのストーリー・演出・アクションは、レトロ色いっぱいで他に特筆すべきものはないのだが、今も衰えぬ二人の色気と軽やかさは大したもの!
私たち世代を十分ワクワクさせるだけの娯楽性はあった。
凶悪南米マフィアの日本支部のボスがイマイチ軟派な吉川晃司!、鷹山の恋人が娘ほど年下の菜々緒!と突っ込みどころも満載!(笑)

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2016 No.17 「シーズンズ 2万年の地球旅行」

2016 No.17 「シーズンズ 2万年の地球旅行」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

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2015年 仏 Les Saisons

「オーシャンズ」(2009年)を出したジャック・ペラン監督が再びネイチャードキュメンタリーを映画化。
無音小型バギーや軽量飛行機を駆使して、動物と同じ目線で撮影するなどの更なる工夫で、過去2万年あまりの地球上の生態環境の変遷を描いていた。
前作よりもっとプロパガンダ色が強くなった印象があり、動物の役者、人間の役者、舞台装置を十分感じさせ、いわゆる自然保護のドラマ仕立てにしたもの。
この手のドラマ=人間の自然への関わり方の問題提起と、そのドラマを作り出す人間自身の自然への所業が矛盾してしまうことが必然である為、残念ながら娯楽性を薄めてしまう。
動物好きな私は、動物の生態を見せてもらう楽しみを求め、この手の作品にどうしても関心をもち映画館に足を運ぶのだが、ある意味予想した通り、作品に流れる「自然保護」のテーマに辟易してしまうオチに、、、(笑)
また本作品の特徴として、日本上映版はナレーション付き。木村文乃の柔らかな口調は心地良かった。笑福亭鶴瓶の関西弁は親近感を出すものの、自然保護に関した発言部分は幼稚に感じる雰囲気を出していた。是非は問わないが、、、思い切った採用だなと!

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2016 No.16 「残穢(ざんえ)住んではいけない部屋」

2016 No.16 「残穢(ざんえ)住んではいけない部屋」
3点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性1点/5点)

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2016年 日 松竹

小野不由美の同名ホラー小説を、竹内結子、橋本愛を主演に迎え、中村義洋監督により映画化。共演者は佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一らが脇を固めいた。
怪奇現象の原因を調べていくうちに、次第に恐ろしいつながりが判明していく展開で、地理的移動も伴う途中からは、何かしらロードムービー的、ドキュメンタリー的な雰囲気になってユニークな作風であった。
関われば同じように祟られてしまうといった「穢れ」(けがれ)の伝染の怖さ、本作品を観た我々観客もまた同じく「穢れ」に伝染してしまったのではないか、と観賞後に想像させるような怖さを売りにしている作品だと思うが、いかんせん私は怖さも感じなければ、面白さも感じなかった。
普段からホラー映画を避けており、今回はお友達(映画愛好家の大先輩)二人から是非に!とからかわれたこともあり(笑)、思い切って足を運んだのであるが、期待したような怖さやハラハラドキドキを感じるものではなかった。
思うに、竹内結子、橋本愛の淡々・飄々とした役柄のせいや、怪奇現象の映像が稚拙なレベルに感じたせいかもしれない。
要するに娯楽性をほとんど感じなかったのである、、、(笑)

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2016 No.15 「フランス組曲」

2016 No.15 「フランス組曲」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)
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2014年 英・仏・白合作 Suite Francaise

ユダヤ人作家イレーヌ・ネミロフスキーによる小説「フランス組曲」は、1942年に彼女がアウシュビッツ収容所で生涯を終えてから、娘の手元に残された形見のトランクの中で、60年もの間、日の目をみなかったらしい。
未完ではあるも小説だと気付き、2004年に出版され世界中で大ベストセラーとなったこの作品を、ソウル・ディブ監督がミシェル・ウィリアムズ主演で映画化。
1940年、ドイツがフランスを占領下においた頃の、フランスの片田舎を舞台にした極上のヒューマンドラマ。
出征中の夫の帰りを待つ主人公リュシル(ミシェル・ウィリアムズ)とドイツ軍将校(マティアス・スーナールツ)の許されざる愛を軸にしているも、単なる恋愛ものにとどまらず、戦時下の理不尽かつ冷酷な時代背景の中での人間ドラマを濃密に描いていた。
主人公リュシルの義母すなわち姑であるアンジェリエ夫人は広大な農場を所有する領主であり、作品冒頭から屋敷内での嫁姑関係、領主と小作人との関係や、近所での女性関係など普通の人々の生き方を描き出していた。
そこへ占領軍としてドイツ軍が侵攻。相応の屋敷をもつところは、ドイツ軍将校を一定期間宿泊させなければならず、主人公の住む屋敷にも将校が、、、。
その将校が奏でるピアノ音楽で、徐々に心を通い合わせていく姿が展開されるのだが、周囲の様々な人間関係を絡めながら、禁断の男女の愛から、人間としての愛や慈悲、尊厳へと各登場人物の心情が昇華されていくところが、たいへん見応えのある作品であった。
戦時下ならではの冷酷かつ残酷な場面も織り込まれ、終始何かしらの緊張感と人間ドラマの妙味を楽しませてくれ、まったく中弛みのない秀作であった。
主人公ミシェル・ウィリアムズの女性的魅力とともに、姑アンジェリエ夫人を演じたクリスティン・スコット・トーマスの一流の好演も、作品に深みを与えていた。
ロマンスや人間の心情が溢れた内容で、美しい音楽や風景を背景に、一流の俳優の好演を楽しめる、映画通を存分に楽しませてくれる作品!
ただ、私も終演近い先日の日曜日にたまたま神戸で観れた状況で、関西では神戸市中央区の「シネ・リーブル神戸」のみの上映で11日まで、東京では有楽町の「TOHOシネマズシャンテ」のみの上映で10日まで、その他地域でも若干の映画館でしか上映されていないという事情であり、この作品の為に映画館に足を運ぶのは困難だと思う。DVD化するなど観賞できる機会が今後あれば、是非ご覧いただきたいオススメの作品!

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2016 No.14 「オデッセイ」

2016 No.14 「オデッセイ」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

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2015年 米 The Martian

アンディ・ウィアーのベストセラー小説「火星の人」を、マット・デイモンを主演に迎え、巨匠リドリー・スコット監督が映画化。
火星上の探索中、嵐に見舞われ、止む無く火星にたった一人取り残され、それからのサバイバルを描いたものだが、スーパーポジティブな主人公とその彼を演じるマット・デイモンの好演が、大きな感動を誘う物語であった。
火星上での作物栽培や水の精製など科学的考察が雑だと本作品に批判的な声も多いようだが、それらについて娯楽映画として大目に見たとしても、私は映画作品として他にやや不満を感じた。
それは、中弛みや間延び感を否めないところ!救出計画や試みについて、失敗・絶望と成功・希望を組み合わせてはいるのだが、概ね都合よく順調に事は運び、その段取りに時間をかけすぎているところが原因かもしれなかった!
観客に退屈さを感じさせない演出としては、主人公を取り巻く人間関係に「保身」や「断念」「慈愛」「正義」など様々な感情をぶつけ合わせて緊張感をもたせればより深みのある作品になり得たかと思う。
これだけ魅力的な主人公を描いたのだから、作品全体にももっと高度な演出が欲しかったというのが、より贅沢を求めた感想。
間もなく発表されるオスカーに、7部門ノミネートされているが、主演男優賞受賞の可能性は感じるも、作品賞などはいかがなものかなと予想、、、(笑)

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2016 No.13 「猫なんかよんでもこない。」

2016 No.13 「猫なんかよんでもこない。」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 日 東京テアトル

杉作の実話コミック『クロ號』のモデルとなった♂猫の「クロ」と♀猫の「チン子」をもとにしたエッセイ作品「猫なんかよんでもこない。」を、山本透監督が実写映画化。
主人公ミツオ役は風間俊介、共演にはつるの剛士、松岡茉優、市川実和子らが務め、二匹の愛くるしいにゃんこたちの好演もあって、ハートフルな作品であった。
私はコミック『クロ號』で存分に感動・共鳴していたので、今回の作品は懐かしく感じた。
実際に猫を飼っている人からすれば、作品の中での飼い方に突っ込みを入れたくなる部分満載で、しかも上映時間が少々長いこともあり、映画作品としては緩~い趣であった。
ラストシーンで、主人公ミツオが眠りにおちていて、吉報の電話に出なかった演出は上手かった!
『クロ號』を再び手に取りたくなった!

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2016 No.12 「ブラック・スキャンダル」

2016 No.12 「ブラック・スキャンダル」
2点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性1点/5点)

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2015年 米 Black Mass

米国FBI史上最もスキャンダラスな事件であったとも言われる、実在の凶悪犯罪人ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーのドラマをジョニー・デップ主演、スコット・クーパー監督で映画化。
共演もジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチと豪華で、3人とも好演しているのだが、題材が題材だけに地味でたいへん暗いトーンの作風であった。
ギャング映画の一般的な醍醐味は、勢力拡大の局面にみられる、前向きな明るさ・のし上がっていく面白さもあるが、本作ではその雰囲気は皆無で、初めから冷酷・非情なキャラとして描かれており、残虐なシーン(R15+)も手伝って、かなり陰鬱な感じであった。
ジョニー・デップの薄髪オールバックで黒の革ジャン、冷酷非情な瞳の凄みなど、その怪演ぶりは見事であった。

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2016 No.11 「エージェント・ウルトラ」

2016 No.11 「エージェント・ウルトラ」
4点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 米 American Ultra

米国中央情報局(CIA)が極秘裏に行っていたマインドコントロール・プログラム「MKウルトラ計画」を題材にアクションを取り入れたラブコメディを、ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートという黄金コンビを主演にし、ニマ・ヌリザデ監督が映画化。
主人公マイク(ジェシー・アイゼンバーグ)はいわゆるダメ男で、大切で可愛い恋人フィービー(クリステン・スチュワート)にもいいところを見せれない毎日を送っていた。
そんなある日、アルバイト先のコンビニで謎の女性客から一方的に暗号を聞かされ、その直後暴漢に襲われるも、眠っていた攻撃・防御能力が覚醒し、スプーン1本で倒してしまうところから物語は展開、、、
と、ストーリーは面白いものの、何故マイクの命が狙われることになったのかの説明がやや不足しており、またマイクが覚醒したときにもっと顔やオーラに殺気だったものを演出するとか、アクションにスピード感を出すとかの工夫も欲しかった。
要はメリハリがあまり効いておらず、人気俳優を使っている割には、平凡な作風になっているかなと、、、

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2016 No.10 「の・ようなもの のようなもの」

2016 No.10 「の・ようなもの のようなもの」
3点!/10点(斬新さ1点/5点+娯楽性2点/5点)

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2016年 日 松竹

2011年にこの世を去った森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)の続篇として、松山ケンイチを主演に迎え、杉山泰一監督が映画化。
落語家一門の出船亭の中でのほろ苦くも温かい人間模様を描いた作品。
落語コメディの要素もあり、台詞の独特な言い回しも含め、好みが分かれると思え、また新婚で話題の北川景子の輝きも今一つに感じられた。
森田芳光監督にゆかりある俳優らが脇を固め、オマージュ感たっぷりの作風になってはいたが、映画作品としてはもっと高いレベルの演出は欲しい、、、

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2016 No.9 「パディントン」

2016 No.9 「パディントン」
6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)

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2015年 英 Paddington

イギリスの児童文学「パディントン」シリーズを、デビッド・ハイマン製作、ポール・キング監督で初めて実写映画化。
ペルーのジャングル奥地からはるばるイギリス・ロンドンへやってきたその「彼」は、モフモフとした毛並みのクマだが、基本的にいつも礼儀正しく健気で可愛らしく、決して「Ted」ではない(笑)
多くの人種が住むロンドンでは、お互いの差異を受け入れるといった慣習があり、親切なブラウンさん一家に出会い、徐々に絆が強まり家族の一員になっていくハートフルな展開。
真っ赤な帽子、青のダッフルコートがトレードマークで、駅名から名付けられた「パディントン」は、CGによりリアルな愛されるキャラクターに!
一家の主人役のヒュー・ボネヴィルのコミカルな好演と、悪役を務めたニコール・キッドマンのゾクゾクとする妖艶さも見もの!
近隣の映画館では「吹き替え版」しかなかったのであるが、オリジナルでは、ベン・ウィショーがパディントンの声を務めたようで気にはなる!
子どもから大人まで大爆笑できるハートウォームな作品!

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2016 No.8 「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」

2016 No.8「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」
5点!/10点(斬新さ2点/5点+娯楽性3点/5点)

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2016年 日 東宝

石井あゆみ原作の同名コミックを実写化したテレビドラマの延長線で、同じ松山博昭監督が、劇場版として本能寺の変に至るまでを映画化。
ひょんなことから戦国時代にタイムスリップした高校生サブロー(高校生には全然見えないが、、、笑)役は引き続き小栗旬が務め、彼ならではの個性「小栗節」全開の楽しさがあった。
我が国の教育(教科書)が教えるところの史実を脚色しており、やや頭の中が混乱するところもあるが、それに目くじらを立てず娯楽として楽しめれば、これもある一つの史実の可能性をも感じさせ、、、!(笑)
信長と光秀と秀吉の人物設定に「ある仕掛け」があり、なかなか「びっくりぽん」の内容であった。
私はこのテレビドラマを見ていなかったのであるが、今回キャスティングの上手さ面白さにも驚いた!
いわゆるこれまでの人生の中で刷り込まれてきたイメージを悉く覆されるもので、強面っぽいイメージの信長を少し軟派ちっくな小栗旬が演じたのを筆頭に、麗しき才女のイメージの妹お市の方には跳んだキャラの水原季子、下品で成り上がりイメージの猿こと秀吉に渋さ漂う山田孝之をあてるなど、それだけで娯楽性がグンと増した!
柴咲コウ演じる妻帰蝶役のツンデレ振りも可愛く、向井理の優等生恒興役、高嶋政宏の豪傑勝家役と見どころは多かった。
「人々の平和な暮らし」を願う「想い」が未来へと紡ぎ繋がっていくテーマをもとに、笑いあり、少しの涙ありのエンターテイメント作品であった。

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2016 No.7 「ザ・ウォーク」

2016 No.7 「ザ・ウォーク」

5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 米 The Walk

大道芸人のフランス人フィリップ・プティが25歳であった1974年8月7日、当時世界一の高さを誇った米国N.Y.の「あの」ワールドトレードセンターで、ツインタワー間にワイヤーを掛け、命懸けの綱渡りを敢行した実話を、ロバート・ゼメキス監督が映画化。
主人公プティ役はジョセフ・ゴードン=レビットが務め、フランス訛りと実際の綱渡りを短期間の猛特訓で習得したらしく、魂のこもる好演であった!
主人公がかつての自分の冒険を回想する展開なので、結果はワイヤーから落ちなかったことが分かるものの、やはり「そのシーン」は手に汗を握る臨場感があった!
例えるなら「エベレスト」登頂を目指す人と同様に、無謀と言える領域で実行する綱渡り師にとっても、その実行力や達成への執念、「我」の強さは狂気じみている。
そのプティを支えた周囲の愛情や友情もしっかり描かれており、8月7日を迎えるまでの計画・調査の中での高揚や葛藤、当日のハプニングの中での感情など、ドキュメンタリー的ではなく、ヒューマンドラマとして描かれていた。
「死」への恐怖よりも、実現を目指す中での「生」への追求や、その過程で現れる「美」を感じ取れる作風であり、また何と言っても「あの」ワールドトレードセンター!追悼の情を幕引きとともに感じざるを得なかった!

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2016 No.6「ピンクとグレー」

2016 No.6「ピンクとグレー」

5点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性2点/5点)

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2015年 日 アスミック・エース

ジャニーズ「NEWS」の加藤シゲアキが2012年に発表した小説を、「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔を主演に迎え、菅田将暉、夏帆、柳楽優弥といった若手実力派共演のもと、行定勲監督が映画化。

私は小説を読んでいないが、そこで描かれていなかったエピソードも加え、かなり脚色した内容だったそうだ。

芸能界に足を踏み入れた幼馴染の二人であったが、一人が有名になる一方で、もう一人はエキストラの域を出ず、悶々とした毎日を送るところから展開。62分後の衝撃!というキャッチフレーズ通り、パラレルワールドが展開する面白い構成になっていた。前半部分は凡庸な青春ドラマで、後半部分は難解なシーンも増えオチの理解が出来なかったが、各俳優の好演のおかげで、引き込まれるに十分の娯楽性はあった。

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2016 No.5「白鯨との闘い」

「看板写真の上に美しく座っているのが私、翔子♀ですにゃん!」

「パパさんの映画鑑賞、今年も飛ばしているにゃ!でもなんか、感想点が高いとこ続きかにゃあ~~、、、なんてね。次の作品も動物好きなパパさんのこと、、、高い点かにゃ?」

2016 No.5「白鯨との闘い」

6点!/10点(斬新さ3点/5点+娯楽性3点/5点)